『SDM』 VOL.21
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59「SOUL TRAIN」は数々の新しいムーブメントを巻き起こしました。ここでは、「SOUL TRAIN」を語る上で重要な人物などについて説明しましょう。SOUL TRAIN TOPICS!今、知っておきたい 「SOUL TRAIN」では、年に1回番組内でコンテストが開催されていました。おなじみドン・キャンベルやスクービードゥーが活躍しますが、このコンテストは審査員にも注目です。後にマイケル・ジャクソンのプロデューサーとして名を馳せるクインシー・ジョーンズ、第2回大会にはジェームス・ブラウンも参加しています。今から見ると、名だたる黒人音楽関係者が関わっているのがわかりますね。 コンテストの他にも、番組からはさまざまなスター・ダンスチームが生まれます。キャンベルロック・ダンサーズ、サムシング・スペシャルなど、ロッキンのダンサーたちが多く活躍していました。 また、この時代に生まれた面白いスラング(俗語)として「GET DOWN(ゲッダン)!」という言葉があります。これは、そのまま「下げる、着地する」という意味ではなく、「かっこいい、いけてる」という感じで使われていました。現在の日本の「やばい!」と同じような使われ方ですね。presented by羽田空港店 国際ターミナル4F(江戸小路) TEL 03-5708-7205ジェームス・ブラウンや、クール&ザ・ギャングのフレーズでもお馴染み「GETDOWN」! ホーン・セクションを彷彿させるファンキーなTシャツが登場!SDM×DDCコラボTシャツ「GET DOWN」 XS~XL ¥3,990番組が生んだ音楽グループ、シャラマー。右で紹介したジョディ・ワトリーの他、後にマイケル・ジャクソンのPV振付け、ムーンウォークを伝授するジェフリー・ダニエルが所属していました。一番忘れてはならないのが番組の仕掛け人、ドン・コーネリアス。彼なくして「SOUL TRAIN」は語れません。番組プロデューサー、そして自らMCとして番組を盛りあげました。ちなみに吹出しのセリフは、番組エンディングの決まり台詞です。ブラックシティと言われる15都市をネットするところからはじまった「SOUL TRAIN」。放送都市名が線路をモチーフとしたデザインで表されていました。番組を代表するチーム、スクービードゥ、タイロン、パトリシアのいるサムシング・スペシャル。1976年の彼らの来日により、それまで日本ではあやふやに伝わっていたソウルダンスが一気に明確になりました。番組が生んだソウルトレイン・ギャングとして活躍し、そのルックスとダンスの上手さで、一際、注目を浴びていました。 当時の映像を見ると、番組内でも頻繁に「ゲッダン!」と叫ばれているのがわかります。当時のアーティストたちも頻繁にこのフレーズを歌詞に入れているので、探してみるのも面白いでしょう。 このように、「SOUL TRAIN」はさまざまなムーブメントを巻き起こし、1970年代も後半となると、時代も華やかさや豊かさを増していきます。ディスコブームは〝ディスコ産業〞と言えるほどのビジネスになり、ダンスと音楽というより、大人の社交場としての意味が強くなっていくのです。 しかしながら、抑圧された時代から開放され、願っていた豊かさを手に入れたとも言える黒人たちですが、そのような浮ついた流れを良しとせず、もっと自分たちらしい表現の方法があるハズだと模索し始める連中が出てきます。 彼らが起こす新たなムーブメントこそが、後に世界中に大きな影響を与えるヒップホップなのです。(次回「HipHop」に続きます)

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