『SDM』 VOL.23
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25このたびの「東北地方太平洋沖地震」により、被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。今回、被災された方々のお辛い気持ちは、正直、被害の少なかった私たちには絶対に分かり得ないものだと思います。しかし、その気持ちを想像し、寄り添うことはできます。今、被災者の方々に向かって軽々しく「がんばろう」とは言えません。しかし、非・被災者としては、何かがんばれることはあるはずです。震災発生後、日本の社会混乱は今なお続いております。その根源には、地震や津波などによる直接的な被害はもとより、情報化社会である現代人の心に根付いた〝不安〟や〝恐怖〟があるのではないでしょうか。早く日本が元気にならないと経済はどんどん悪化します。経済の悪化は結果的に直接的被害を受けた被災地復興に大きな遅れを生じさせます。エンターテインメントは人命を救うことはできません。放射能を除去することもできません。しかし、人々の心を救うことができます。震災がおこってしまった今、〝ストリートダンスも日本復興のためにできること〟は必ず何かあるはずです。そして、それを模索して立ち止まらずに進んだダンサーたち。「SDM」ができることは、彼らの声を誌面を通して多くの人に伝えることだと考えております。過去はやり直しがきかない。だが、未来は変えることができます。日本の復興が1日でも早く実現しますように。そして、〝地震大国〟の日本において、ストリートダンスが後世に残せる文化でありますように。「SDM」編集長:工藤光昭大震災。〝自分たちにできること〟を模索し続けたダンサーたちに迫る!日本復興に向けて。ストリートダンス〟にできること緊急特集取材・文=工藤光昭、長濱佳孝、木村恵子、藤原美渚edit by Mitsuaki Kudo、Yoshitaka Nagahama、Keico Kimura、Minagi Fujiwaraどんな苦難にあっても、日本人はより優れたものを再建してきた。――「デイリー・テレグラフ」/イギリスより日本人がよく口にする言葉に「頑張ってください」がある。目的意識の共有は日本の社会構造の一部であり、自然災害発生時に顕著に高まることによって、一丸となって再建を果たす。――「ニューヨーク・タイムズ」/アメリカより第二次世界大戦後の焦土から復興した日本は、また奇跡を起こすだろう。――「ネーション」/パキスタンより危機で真価をみせる、驚くべき国民性!――「コリエレ・デラ・セラ」/イタリアより日本人の忍耐と秩序は〝人類精神の進化〟だ。――「朝鮮日報」/韓国より

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