『SDM』 VOL.23
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震災の影響でさまざまなイベントが中止となる中、川崎のDANCE AREA SURGEの発表会は信念をもってやりとおした。 「こんな時だからこそダンスという文化を通して世の中を元気にしたい」という想いを込め、各ナンバーが熱いパフォーマンスを披露! また、終演後にはチャリティ・フリーマーケットを行なうなど、みんなが一体となり、積極的な復興支援活動も行なわれた。ことは、リハーサル用に借りていた体育館や施設が計画停電のために使えなくなってしまったことですね。本番のステージと同じサイズで練習できなかったナンバーも半分以上ありました。また、地震のショックで怖くて家から出られなくなり、レッスンに来られなくなってしまった生徒もいました。それでも本番には誰一人かけることなく、全員でステージに立てたことは本当に嬉しかったです。ダンスという力で、自分たちに何ができる!?―チャリティ・フリーマーケットは、どういう経緯で? 本番の2日前にインストラクターで集まり、話しあった時に、フリーマーケットならすぐにできるし、その収益で被災地に募金ができるんじゃないかという結果になりました。 さらに、発表会に参加していないインストラクターたちも、忙しいスケジュールの合間をぬって物品を持って来てくれたりしたんですよ。そういう、1人ひとりの心の温かい部分が集まって大きくなったものを、キャッチして発信していく。それが僕の役割だと思っています。ダンスを通して、発信する場だから!―震災後の自粛ムードの中、発表会開催を決行した経緯は? 正直すごく迷いました。でも、普段通りの生活をするなかで、自分たちが何をできるかを真剣に考えることが大切ではないかと考えた時、発表会というステージに立って、ダンスを通して多くの人に色んなことを発信していくこと、それが今の自分に出来ることだと思ったんです。 それから、インストラクターのみんなに「計画停電になったらその時点でレッスンを終了しなきゃいけないんだけど、それでもやってもらえるかな?」って相談したら、みんな即答で「やりましょう!」って言ってくれて。そういう協力もあって、開催することができました。―開催にあたり、賛否両論の意見や困難があったと思いますが、実際いかがでしたか? 最初は「本当にやるの?」という意見がほとんどでした。特にキッズの保護者の方は心配されていた方も多かったです。でも、きちんと主旨を説明したら、皆さんご理解していただき、応援してくださいました。大変だった―最後に、震災後に〝何かをしたい〞と考えているダンサーたちに向けて、応援メッセージをお願いします。 被災地の方々のSOSを受け取って、一緒にできることがあれば、本当に多くのダンサーが集まってくれると思っています。何かを企画してイベントやボランティア活動を行なったり、場所や資金が無かったら、どうしていけばいいのかを一緒になって考えていける、そういうコミュニティを全国的に作れたらいいですね。これからも〝ダンス〞という部分で自分たちに何ができるかを、一緒に真剣に考えていきたいです。ダンスエリアサージ代表兼インストラクター有限会社 WEDAM COMPANY代表取締役 京極 尚也葉加瀬太郎さまを、感じて…spring/振付師:yayoHug Hug/振付師:ASAGI取材・文=藤原美渚text by Minagi Fujiwara写真提供=ダンスエリアサージphoto-cooperate by DANCE AREA SURGEみんなの気持ちと温かさを受け取って発信していく。小さい身体ながらもパワフルでダイナミックなヒップホップを披露! キッズダンサーたちの熱いパワーは、震災後の暗い雰囲気を忘れさせてくれる!オープニングを飾ったのはこのナンバー。タイトルどおり葉加瀬太郎の楽曲『情熱大陸』をバイオリンを持ちながら踊り、会場内をいっきにエンターテインメント・ムードに変えた!インストラクター陣による募金活動&チャリティ・フリーマーケット。収益金は全て被災地に寄付された。DANCE AREA SURGE 溝口校発表会&川崎校SHOW CASE2011.03.27(sun)@川崎 CLUB CITTA’SUPER D-Sick29Message from Organizer●STAGE REPORT震災後の発表会、そこで見つけた意義。

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