『SDM』 VOL.24
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過去、NYやオランダで開催された、TAKAHIRO所属のカンパニー、〝MOVEMENT〞による話題の舞台公演「Electric City」がついに日本上陸! 元々のメンバーに加え、今回は元宝塚のトップスターである湖月わたるも加わり、開催前から多くの注目を集めていた! 公演の内容は、「TAKAHIROがNYを訪れ、カンパニー所属のオーディションに合格し、ショーケースを披露する」といった、まるでTAKAHIRO自身の経験をなぞるかのようなストーリー。そこに、ヒューマンビートボックスや、舞台ならではの演出も加わり、NYという都市の魅力を凝縮したかのような光景がくり広げられる!ストーリーの要所要所でくり広げられるルーティンは、クールかつハイレベル!注目の高さを表すかのように、公演初日にはマスコミを集めての囲み取材が行なわれた!TAKAHIROの所属するNYのダンスカンパニー、“MOVEMENT”による舞台公演が日本上陸! 東京、名古屋、大阪の3大都市で開催され、多くの注目を浴びたこの公演のようすをレポート!TAKAHIROプロデュース公演東京公演 2011.4.19(tue)-20(wed)@東京国際フォーラム ホールC名古屋公演 2011.4.22(fri)@名古屋市芸術創造センター大阪公演 2011.4.26(tue)-27(wed)@梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティシェイクスピアの作品が、いつでも面白いとは限らない̶̶先日行なわれた、TAKAHIROさんプロデュースの『Electric City』では、どのようなことを意識して公演を創ったのですか? 僕のダンスって、わかる人には「へぇ、こういう見せ方もあるのか」って見てくれて、ダンスを知らない人には「ダンスって結構面白いじゃん!」って思ってもらえるような、境目のスタイルだと思うんです。 だから、「自分が何もダンスを知らなかった時に見て、楽しめるかどうか」ということを考えて創りました。いつも自分が一番の素人でありたいんですよ。̶̶ということは、難易度の高いダンスというよりかは、誰もが楽しめるものを目指しているのでしょうか? そうですね。やっぱりダンサーって、ついつい見せたくなるじゃないですか? 「オレはこんなのができる! これもできる!」って。 でも、例えば小説や戯曲、文学的にシェイクスピアの作品は素晴らしいけど、いつでも面白いわけではないですよね? たまに笑えるような、すごい簡単なところがあって、それで時々、本物ってのが見えればいいかな。 僕のダンスを見てくれてる人ってのは、たぶん、ダンス見たことない人もいると思うんです。そんな人たちが「ダンスアツイじゃん!」ってさらに深くに入っていってくれたらいいなって思うし、僕のポジションってのは、そういうところでいいんじゃないかな。一度はあきらめかけた、震災の影響。̶̶ちなみに、3月に日本は大地震に見舞われましたが、NYでの稽古や公演の開催に何か支障はありました? もう僕が精神的に大ショックですよ。ニュースでも、日本では流れていないようなショッキングなものがバンバン流れているし、両親や兄弟、僕を応援してくれてる人だって日本にいるんです。 そして、このタイミング(4月)に日本で公演を行なっていいものかどうか、悩みました。さらに、原発の問題で出演メンバーの1人が家族から大反対を受けて、日本に来れなくなったんです。̶̶では、どうやってその状態から日本での開催にこぎつけたのですか? 正直、1回あきらめそうになりましたよ。1人減るってのはすごいことで、必死に書いた台本もダメになってしまいました。僕は日本人だから、1人でも何とか日本でやろうと思ってたんですけど、他のメンバーが「ついて行くぜ!」って言ってくれて。それがすごい心強くて。 ただ、減った人数で今までよりクオリティの低いものを創るんだったら、やらない方がいい。だから、この状況で前よりもいいものを創らなければいけなかったんです。「いいものを考えなきゃ!」ってエネルギーが湧いて、台本も書き直して、構成も変えて。結果的に納得できるものができたと思っています!公演の終了後、ロビーでは東日本大震災の被災地へ向けて、義援金の募金活動が出演者たちにより行なわれた。16

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