『SDM』 VOL.24

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もっとアジアに目を向ければ、もっとチャンスが広がる!―日本と中国を股にかけて活躍しているとのことですが、実際どのようなお仕事をされているのですか? わかりやすく言えばエンターテインメント事業のプロモーターですね。今までに、数多くの日本人アーティストを上海に呼んでコンサートを開催してきました。また、中国雑伎とバレエを融合させたオリジナルの「白鳥の湖」を世界各国で興行するなど、中国内の舞台芸術開発も積極的に行なっています。また、昨年の「上海万博」ではパビリオンなどの運営もしていました。 あと、これからの話になりますが、今年の12月に上海に大きな複合施設を作るんですよ。劇場にライブハウス、ダンススクールや音楽スタジオなどの機能を持つ、広さ9000㎡の施設です。『Legend Tokyo』で発見した素晴らしい作品は、上海に招待してパフォーマンスをしてもらいたいと思っていますよ!―ありがとうございます! ちなみに、今まで日本のダンサーと関わったことは何かありますか? 最初にストリートダンサーと関わったのは1995年ぐらいで、アーティストのバックダンサーですね。日本のアーティストが中国で公演して、そのバックダンスが素晴らしかった印象があります。 やはり日本は、アジアの中でも音楽やさまざまな分野でリードしているし、ダンスも素晴らしいですよ。ただ、アメリカだけじゃなくて、もっとアジアの他の国にも目を向けてもらって、一緒に盛りあがっていきたいですよね!もっとダンサーがアーティストとして認められるべき。―では、中国のストリートダンスのシーンは、どんな感じでしょうか!? 最近では、テレビで欧米のダンス番組が見れるようになってきたので、興味がある人口は増えてきましたし、ダンスイベントも開催されるようになってきました。まだまだ日本ほどではありませんがダンススクールも増えてきましたね。ただ、中国内にダンスを学ぶ環境がなかったので、有名なダンサーや振付師は、海外で学んで、それを持ち帰って広めるといった感じです。 でも、これから私はもっと中国のダンスを盛りあげていきたいんですよ。だから、ダンススクールも作るし、子どもの教育にもダンスを取り入れたいと思っています!―例えば、『Legend Tokyo』の振付師を呼んでワークショップを開催、なんてどうですか? いいですね! ありですよ!日本から有名な振付師を呼べば、みんな受けたいって言いますし、新しい技術や表現を吸収したい人は多いですよ! あと、私は大型ファッション・ショーやコンサートのようなイベントにも、もっと日本のようにダンサーを絡めた展開をしていきたいんですよね。ただ、日本ではそういう時に〝バックダンサー〞って言われているでしょ!? あれ、名前、良くないですね。〝後ろ〞って、ダンサーがアーティストじゃないみたいじゃないですか? やはり、『Legend Tokyo』にでているような、演出ができるダンサーは、アーティストダンサーって呼ぶべきだと思いますよ!―そういったところを変えていきたいですよね! 本当に今回、審査員に呼んで頂いて嬉しいです! 審査員はみんな、ビジネス・リーダーたちだから、将来もっと大きなステージにしたくなりますよね!いつか上海でも、こういったイベントを開催しましょう! やっぱりダンスって、言葉に関係なく、身体で全部を表現できるから、与える感動に国境がないんですよ! この大会を発展させていくと、もっとアジア全体のダンスシーンに大きな影響を与えることになると思いますよ!日本のエンタメを世界に広げたい!――そう考えた時、まずポイントとなるのが〝アジア〟だろう。中でも、今や世界第2位の経済大国である中国は、最大のキーであることに間違いない! その中国を代表し〝アジアのエンタメシーン〟でビジネス展開を広げているのが朱寅氏だ。グローバルな視点で物事を見据える彼が、日本ダンスシーンの可能性を探る!Profile中国最大級の興行会社である〝上海シティ・エンターテインメント・グループ〟の副社長。SMAPなど日本人アーティストの招聘公演を数多く開催するなど、日本とのエンタメシーンをつないでいる。また、上海万博に出展していた人気の子ども職業体験施設「Abilia」の経営者としても活躍。アジアのエンタメシーンに精通するキーパーソンとして知られている。#08取材・文=長濱佳孝text by Yoshitaka Nagahama写真=井上治photo by O-sam Inoueアジアに広げるための視点。上海城市演芸有限公司 副総裁SHANGHAI CITY ENTERTAINMENT GROUP COMPANY LTD.Vice President朱 寅ZhuToraInformation〝上海シティ・エンターテインメント・グループ〟では、劇場・ライブハウス・ダンススクール・音楽スタジオなどを持つ、中国初の巨大複合エンターテインメント施設を上海市内にオープンする! 劇場施設には、『Legend Tokyo』の優秀作品も招待される!Job File2001年、中国内では初となるライブハウスを上海にオープン! 中国ロック・ミュージック・シーンの盛りあげに大きな功績を残した。上海万博では、子ども職業体験施設「Abilia」を出展・経営し、半年で65万人を動員。万博閉幕後は、この施設を重慶、寧波、そして上海にオープンさせる。日本で人気のアーティスト、カルチャーなどに、いち早く着目し、上海を中心に数多くの招聘公演、コンサートを展開している。ライブハウス運営上海万博パビリオン経営上海でのコンサート開催2011年12月。上海に巨大なエンタメ複合施設をオープン!ダンスは国境がない身体表現。だから、アジアに広がる〝大きな可能性〞がある!32