『SDM』 VOL.25
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海外トップカンパニーも駆けつけた、ストリートダンスの祭典が開催! 「GALA=お祭り」の名の通り、ヒップホップダンスのお祭りとして開催された『HIP HOP GALA』! 韓国のトップB-BOYクルー2つが手を組んだ〝LAST FOR ONE&GAMBLER CREW〟、そして欧米で絶大な人気を博すヒップホップカンパニー〝Compagnie KAFIG〟、この2団体による舞台作品が披露された。 LAST FOR ONE & GAMBLER CREWによる作品『Fly Up』は、まさに肉体の限界に挑戦するかのようなパワームーブが連発! それを単なる技の羅列ではなく、幻想的な民族音楽を使用した世界観あふれるパフォーマンスに昇華してみせ、世界を制したB-BOYクルーの実力をまざまざと見せつけた。 そして、Compagnie KAFIGによる作品『AGWA』は、野生と知性の融合とでも言うべき内容。ブラジル出身のダンサー11名によるあふれんばかりのエネルギーが、フランスの名コレオグラファー、ムラッド・メルズキによる演出で巧みに統制される! 多数のコップを小道具的な使い方だけでなく、舞台セット的な使用方法を披露するなど、まさに〝舞台芸術〟と言えるほどの圧倒的な完成度を誇っていた。 客層としては、ダンスを知らない一般層も多く来場した『HIP HOP GALA』。そこには、ストリートダンスを一般層へと切り開く舞台作品の可能性が感じられた。荒々しさや躍動感を感じさせるそのパフォーマンスは、まさに“野生”。プラスチック製のコップを、あえて動きを制限させるような配置に演出の手腕が光る。レインコートで踊るパートや音響効果で、観る者にコップの中の“水”を強く意識させる。ダンサーたちの身体能力の高さは、舞台から離れた客席からでもわかるほどのものであった。時にはコップを重ねて手に持ち、小道具のようにフリの1部として取り入れてみせていた。作品の終盤、一斉にコップを放り投げるシーンは「抑圧からの解放」を思わせる。舞台作品の上演の他、両クルーによるエキシビションバトルも披露!その肉体美、そして圧倒的なパワームーブは来場者に鮮烈な印象を与えていた。LAST FOR ONE & GAMBLER CREW『Fly Up』ラストフォーワン ギャンブラークルー フライアップCompagnie KAFIG『AGWA』カンパニー カフィグ アグワ『TheatriKA’l』において〝1st Legend〟であるストリートダンスが舞台芸術作品へと進化!DAZZLEが優勝!『HIP HOP GALA』と同じく、『KAAT STREET DANCE FESTIVAL』内で開催された、〝舞台作品〟を競い合うコンテスト『TheatriKA’l』。そこで、『Legend Tokyo』でも優勝に輝いた長谷川達也(DAZZLE)作品がみごと優勝! 〝1st Legend〟の名にふさわしい活躍をみせた!TOPIC神奈川芸術劇場KAAT(カート)でこの夏、9日間におよぶストリートダンスの祭典が開催! さまざまなダンスコンテンツが行なわれた中、海外トップカンパニーも登場した『HIP HOP GALA』の模様をレポート!STAGE REPORTHIP HOPGALA2011.8.5(fri)▶8.7(sun)神奈川・KAAT神奈川芸術劇場33取材・文=長濱佳孝text by Yoshitaka Nagahama写真=松林真理子photography by Mariko Matsubayashi

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