『SDM』 VOL.26
18/68

宮川 一彦金田 健宏宮川 一彦金田 健宏飯塚 浩一郎荒井 信二飯塚 浩一郎荒井 信二―『Legend Tokyo』優勝おめでとうございます! まず率直な感想はいかがですか?長谷川:ありがとうございます。今回、優勝できて、僕たちが今まで積み重ねてきたことが間違っていなかったと証明された気がして、すごく嬉しいです。DAZZLEは結成当初から独創性に重点を置いて作品を造っていましたし、ダンスに馴染みのない方を楽しませることも追求してきました。その点においても、自分にはずっと才能があるんだって信じてたんですね。でもそれが他人にとっても才能と呼べるものなのかどうかまでは分からなかった。それが今大会で優勝できたことで、もう疑わなくていいんだなって思えました。―そもそもDAZZLEはどういった経緯で結成されたのですか?今年で15年とお聞きしましたが?長谷川:きっかけは大学のダンスサークルです。「気の合う仲間でチームを作ろう」、走り出しはそんなところでした。宮川:途中メンバーの入れ替わりも経て、確か6年前くらいに現在のメンバーになりました。結成当時からのメンバーは長谷川と僕と金田の3人ですね。金田:いまでこそDAZZLEはオリジナルスタイルと呼ばれるようになりましたが、スタート時はヒップホップ・チームだったんですよ。荒井:でも僕が加入したときにはすでにオリジナルでしたよ。振付けと選曲、衣装も独特だったし。長谷川:ダンスを始めて2年目くらいからサークルで振付けを始めたんですが、とにかく人と同じことをやりたくなかったんですね。基礎はヒップホップにあったけど、表現の仕方は1つじゃなくて、もっといろんな形があっていいと思っていたんです。―なるほど……。DAZZLEが結成当初、ヒップホップ・チームだったで驚きですね!?宮川:当時は環境としてもそれしかなかったんですよ。ただ、数ある他のチームより抜きん出るために、すぐに「他と違うことをしたい」と思うようになって。長谷川:ヒップホップに限らず、多くのパフォーマンスの目的は〝自己表現〞だったりしますよね。ダンサーは自分という存在をダンスを介してアピールする。それが例えば技術だったりするんですが、当時ストリートダンスは「活発であること」や、「不良であること」など、それが表現の主流だった。それに憧れて始めたんですけど、同じヒップホップでも、表現するものが自分以外のものでも面白いんじゃないかなって思ったんです。それも自己表現ではありますが、例えば物語や感情、風景でもいい。宮川:それもすべては、『JAPAN DANCE DELIGHT』に勝つためでした。当時はダンスコンテストと言えばディライトしかなかったし、あのファイナルの舞台に立つこと、優勝することが僕たちのすべてだったといっても過言じゃないです。そこでもよく審査員の方たちが「オリジナリティを持て」と口にしていて、自分たちなりにオリジナリティを模索していたんです。長谷川:何度も挑戦して準優勝までは獲得することができました。優勝できなかったのは残念だったけど、その後から舞台活動に気持ちが移っていきましたね。―そこから活動の場所をコンテストから舞台に変えていったのですか?長谷川:そうですね。学生時代から公演は行なっていましたが、DAZZLEだけでの舞台は作っていなかったし、「自分たちの表現に最も適しているのは舞台なのでは?」とずっと感じていたんです。宮川:今から5年前に第1回公演を行いました。その時期からコンテンポラリーダンスの要素を取り入れるようになりましたね。ダズルのスタイルと融合させようとしたら、すごく相性が良かったんです。長谷川:90分の作品を作るにはストリートダンスだけでは持たない。瞬間的に感情を高める効果は最高だと思っているけど、それを90分持続させるのは至難の技です。コンテンポラリーのもつ芸術性や時間の流れはまた異なった表現です。それを取り入れたのはそんな背景もあるんですよ。「DAZZLEのダンスって何?」と良く聞かれますが、それは僕にとっては喜ばしい質問で、ジャンルでくくれないことは自分の求める〝独創性〞に近づいている証拠ですからね。 コンテンポラリーでもヒップホップでもない、〝ストリートダンス〞から発生したオリジナルスタイル。DAZZLE主宰。DAZZLEとしての活動の他、個人としても名だたるアーティストの振付けやコンペでの受賞歴を誇り、その舞台作品は国内外問わず、高い評価を得ている。長谷川 達也Presided by長谷川達也DAZZLESpecial Interview僕はこんなにもダンスに魅了された人間だから。だから、きっと誰もがダンスを楽しんで〝観る〞時代が来ると思っています!DAZZLE MEMBERSVOL.26COVER DANCERSpecial Interview16

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る