『SDM』 VOL.26
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22人作品データキッズ → 18%ティーンズ → 6%20代 → 72%30代 → 4%出演ダンサー年齢層構成比出演ダンサー数『Legend Tokyo』では2位を決めない。優勝作品以外は、すべて10名のジャッジそれぞれが、最も「仕事に起用したい!」と思った作品に、〝審査員賞〟が贈られる。優勝作品以外で、各ジャッジの心を掴んだ作品は計7作品。その魅力をレポート!3月の震災による大会延期後に参戦を表明したJunko☆。震災後の被災地や、海外の途上国で精力的にボランティア活動に勤しむ彼女がこの作品で表現するのは、日本や世界中で苦しむ人々に対し、〝ただ祈りを捧げるのではなく、自らバチを振りかざして立ち向かう姿〟。神の使いである狐を思わせる神秘的な衣装とメイク、千手観音を模した構成など、従来のパンキングの型にあてはまらない斬新なスタイルを披露した! 審査員のSAMやNicoleが「まったく新しいスタイル!」と絶賛するほどのインパクトを会場に与え、みごと審査員賞3冠を果たした!審査委員長 特別賞 受賞!審査員賞 受賞!審査員賞 受賞!シルク・ドゥ・ソレイユ キャスティング部 タレントスカウト ダンス部門担当Nicole Lamontagneブルーマングループ株式会社 代表取締役 プロデューサー新井 勝久大会審査委員長 ネクストジャパン株式会社 代表取締役SAMストリートダンスとしての視点。パフォーミング・アーツとしての視点。世界的なクリエイティブの視点。interview KAORIreport Junko☆「神鳴」Thousand wishes作品タイトルJunko☆コレオグラファーsupported by EN DANCE STUDIO 革新的スタイルが魅せるのは、 革新的スタイルが魅せるのは、千の祈りと神なる祈り!千の祈りと神なる祈り!衣装は、白、黒、グレーのモノトーンで統一。目の部分に入れた赤いラインが、独創性をより一層、引き立たせている。LUNAmiHo*miku絶対に妥協したくなかった。 私自身、冒頭で〝死ぬ人の役〞として登場しますが、その設定のため1週間前から穀類は一切摂らないようにしていました。役柄上痩せる必要があったので(笑)。 今回は、もうみんな血を吐くぐらいまで搾り出したと思います。この作品は動きが大きいので、1曲5分踊るだけで本当に大変ですが、それを毎週4時間、朝9時からひたすら踊り込みました。〝ちょっと揃っている〞ではなく、〝完璧〞に揃えたかったんです。伸ばした手と足の高さはもちろん、スカートのなびき方もすべて! だから、衣装の長さも徹底的に調整しましたね。 練習は、かなり広い体育館を借りて、空間の端から端に「向こうに飛ばすように踊れ!」と言って練習をしていました。私たちが伝えたいのは〝天に向かって〞。自分で空間を動かすぐらいの勢いで踊らないとお客さんにも伝わらないんです! それに、スタジオで練習し続けると、本番の空間が広い分、身体の軸のバランスが取れなくなるんですよね。その分、リハーサル会場代は結構かかりましたけど(笑)。 本番1ヶ月ぐらい前には、図面をもとに1/10の縮小版舞台も制作しました。階段の数も全部あわせて、それをもとに徹底的に対策を練りましたね。とにかく、妥協とか絶対にしたくなかったし、全力で行けるところまで行きたかったんです!団結力は、どこにも負けない。 ランスルーが終わった後が1番、山場でした。良い作品が一杯あったし、作品を観るとエネルギー吸収されるでしょ!? みんな中から「あそこの作品、スゴかったなぁ」っていう弱気ムードが伝わってくるんですよ。「まだ、戦ってもいないのに結果を決めつけてない!? 戦うのは今からやで!」って、全員に背中を出させて、目が覚めるくらいにバシッ!バシッ!と手を真っ赤にして叩きました。それをしないと気持ち的に負けそうだったんです。そこから出番までは「出来ることをやろう!」って、みんな自主的に何度も練習したり、映像を見てイメトレをしていました。 私が居なくても、自主的に動く、気付くことは言う。そういった団結力は一番だと思っています! 本番当日の午前中も、私がオープニングのリハーサルをしている際中、みんなは新宿の1番大きなスタジオをおさえて自主的に練習してくれていました。場当りの時も、私が照明さんと打ち合わせをしている最中、みんな舞台上で自主的に場当りをすすめてくれていました。 たぶん、振付師の合図無しで、ダンサーが自主的に進めていたチームは珍しいと思いますよ!踊りながらの、涙。 私、東京行きの新幹線の中で、出演者の皆にパワーストーンの指輪を作ったんですよ。オニキスは身体に良い、メンタルにも良いと聞いて。本番は、それをみんなでつけて挑みました! 普通の舞台公演なら、そこまで突っ込んだことはしませんけどね(笑)。それだけ〝レジェンド〞に懸けていたんです! 最後のクライマックスの瞬間、作品終了前に拍手が飛び交いましたが、「自分たちの気持ちと、お客さんが感じてくれていることが一緒なんだ!」と思って、みんな踊りながら涙が出たっていっていました。実は私もそれを見て、舞台袖で泣いていたんですよ。本当に、お客さんの反応と、みんなの踊りが素晴らしかったんです! 踊ることで自然と涙がでる。そんな感情になったことが無いって、みんな言ってました。だからこそ、優勝は出来なかったけど、今回の経験はみんな「本当に感謝だよね」って言ってくれましたね。〝勝利〟を目指す美学。 interview KAORIアートの粋にまで高められた究極の作品!それを実現した彼女に、熱き努力の軌跡を聞いてみた。PIECES REVIEW26

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