『SDM』 VOL.26
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勝つタメには敵を知るマーケティングが必要! 私は、まず勝つタメにはマーケティングが必須だと思ったんです。当然、ブルーマンやシルク・ドゥ・ソレイユも観に行ったし、「審査員が何を求めているか? 世間では、どんなものが〝良い〞と思われているのか?」徹底的に知ろうと行動しました。 あと、ライバルである他の振付師さんたちはどんな作品を創るんだろうと思って、その人がナンバーを出す舞台や発表会にも行きました。そうやって各作品の方向性を予想して、「この人とこの人は同じ感じで潰し合いそう」という予測をたてましたね。私も最初はストーリーがあるもの、キャッチーで面白いものを創ろうとしていました。でも、全部を予想した上で〝誰ともかぶらないもの〞がいいと思ったんです。そして最終的に、「見る人が求めているもの」+「圧倒的に自分にしかできないもの」という方向性で作品を創ることにしました。舞台の知識がないなら、とことん勉強する! 私は、自分のカンパニーもないし、舞台に関する知識もありません。だから照明プランを考える時も、いろいろお金を払って、照明のことを勉強させてもらいました。 それから、そこで習った知識を自分なりに消化するために、実際に、自分でお客さんになって渋谷C.C.Lemonホールに行ってみました。その時、行ったのは歌謡歌手のコンサート。観客はご年配の方ばっかりだったんですけど、私はずっと照明だけ見ていましたね。実際の審査員席になる予定席からの眺めも確認して、写真を撮ろうとして係の人に怒られたりもしました(笑)。 あと重要だったのが、各振付師に20分の時間が与えられる前日の場当たりです。私には経験がないけど、この時間の使い方が大事だと思ったんです。そこで、私の順番は1番最後でしたが、1番早い時間に会場入りして、他の振付師がどういう風に進行しているのか、ずっと研究していました。上手い人は具体的に「何分何秒のところが……」って伝えたり、伝え方も物腰が柔らかいことがわかりましたね。その中でも、長谷川達也さんや、KAORIさんは熟練しているなって思いました。リーダーは絶対に最後まであきらめてはいけない! 心持ちとして、「作品のリーダーである私は絶対に勝つことを信じて、心が負けてはいけない!」と決めていました。作品づくりが上手くいかなくて、「もうダメかも……」って思っても、人前やブログでは強気で「絶対に勝つ!」って発信し続けました! 私の作品は学生が多かったんですけど、今の子たちって、たぶん、あまり本気になったことがないと思うんです。もちろん、〝自分なりの本気〞というのはあるだろうけど、こういう大きな大会で優勝するためには、どれだけの〝本気度〞が必要なのか知らない。だから私は、私がどれだけ本気か、本気を出すとはどういうことか、大きな大会で結果を残すのには〝行動力が必要である〞ことを、ひたすら諦めずに伝え続けました。 そうやって折れないで伝え続けたら、人は変わるですね! みんなスゴく本気に変わってくれたんです。もともとそんなに上手い子たちではないんですけど、あの作品の振付けだけは本当にプロ! だから、私以上に、みんなが「自分にも、こんなに賞をとれて、人を感動させることが、できるんだ!」って驚いていました。優勝はできなかったけど、賞を3つももらえたこと、そしてみんなが「信じて努力し続ければ結果はついてくる」ということに気付けたことがスゴく嬉しかったです!28人作品データティーンズ → 7%20代 → 57%30代 → 33%40代 → 3%出演ダンサー年齢層構成比出演ダンサー数審査委員長 特別賞 受賞!審査員賞 受賞!『VIBE Dance Competition』オーガナイザーJason Park音楽座ミュージカル Rカンパニー チーフプロデューサー石川 聖子ミュージカル界の視点。世界最高峰のコンテストの視点。interview Junko☆report KAORI西洋の喪服をイメージした手作りのロングドレス。スカートのなびき方がまったく同じに見えるよう、長さもそれぞれ調整されている。OKKI福島直美Kiyomi『Legend Tokyo』審査員賞 受賞作品『Legend Tokyo』審査員賞 受賞作品〝勝利〟を目指す美学。 interview Junko☆審査員賞3冠に輝いたJunko☆。その栄光は彼女の努力の賜物であった。その〝成功哲学〟をインタビュー!Legend Tokyo AWARDED 息を呑むほど美しく揃えられたユニゾン。アートの粋まで創りこまれたダイナミックな大振り!まさに、今大会優勝候補ともいえる作品を魅せたKAORI! 本作のテーマは「親しき人の死をとおして、“前向きに強く生きる強さ”を天に誓う」というメッセージ。これを2つのシーンをとおして表現する。震災、そして延期をとおして「自分が生かされているということに気付いた」と語る彼女。突き詰められた“表現したい”という渇望、ステージ上から放たれる熱いオーラが高まり、今大会最高峰ともいえる感動の拍手を巻き起こしてみせた!「レクイエム」Requiem作品タイトルsupported by STUDIO DANCE ALIVEKAORIコレオグラファー力強き生命の賛歌!力強き生命の賛歌! 今大会最高峰の感動を巻き起こした、 今大会最高峰の感動を巻き起こした、27

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