『SDM』 VOL.26
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荷物がちゃんと届かなかったり、破損することはよくあります。安全で確実な輸送の仕方もありますが、かなり高額になりますね(DAZZLEが使用した大道具の障子の輸送は約100万!)。大事な荷物は手荷物として機内に持ち込むようにした方がいいですね……。海外の現場を知る。アジア演劇祭2010年8月韓国・三陟シビウ国際演劇祭2011年5月ルーマニア・シビウ世界の常識、日本の非常識荷物の扱いが雑 事前のメールのやりとりで、何度もステージの図面を催促しているのに送られてこなかったり、実際の図面と全然違ったり、当日いるハズの会場スタッフがいなかったり……外国人の大ざっぱな感じは本当に毎回手を焼きます(笑)。色々と大ざっぱここが違う!それでは、DAZZLEが実際にパフォーマンスを披露し、好評を博したアジア演劇祭(韓国)、シビウ国際演劇祭(ルーマニア)の模様を紹介しよう!会場は韓国の地方都市である三陟。広大な野外にステージが特設されていた。会場は韓国の地方都市である三陟。広大な野外にステージが特設されていた。DAZZLEが本番を行なったのは、ルーマニアの国立劇場。DAZZLEが本番を行なったのは、ルーマニアの国立劇場。DAZZLEが臨んだジアの各国からさまざまな団体が参加していて、この時が初開催。自治体が運営している大きなイベントで、参加団体は演劇が主でしたが、人形劇や民族楽器の演奏などもありましたね。当日は台風に悩まされて、中止になるかならないかのギリギリのラインだったんですけど、結局は本番直前に晴れて無事に(?)作品を披露できました。ただ、台風のせいでリハ-サルの時間がおしてしまって、衣装着て堂々と場当たりしているところをお客さんに見られたり、ステージが少し前に傾いていたり、あると聞いていたスクリーンがなかったり……。海外初遠征の洗礼を浴びました(笑)。ア現地のスタッフとコミュニケーションを取りながら、リハーサルは行なわれる。演劇祭は街全体が会場。趣向をこらした多くの団体が、この街に集まった来場者を楽しませていた。界3大演劇祭の1つと呼ばれている由緒ある演劇祭で、開催期間は2週間ほど。街全体が会場になっていました。世界的に有名な劇団も出ていて、他にも音楽のライブや詩の朗読などもありましたね。この時はまず、日本から現地まで30時間近くかかったので、その間にメンバーが体調を崩してしまったり、空港側のミスで衣装がオランダの空港に取り残されていてギリギリで届いたり、色々と大変でした……。でも演劇祭での本番は、会場が立ち見客でいっぱいになった上に、来場者総立ちでスタンディングオベーションをしてもらって、その光景は一生忘れることができない程感動しました。世屋外でのサーカスのようなパフォーマンスが演劇祭のオープニングを華やかに飾る!参加団体を知らせるポスター。左から韓国、DAZZLE(日本)、カンボジアの団体。DAZZLEのパフォーマンス後、来場者が押し寄せ、サインや握手が求められた。DAZZLEの舞台作品の要である映像も韓国仕様に合わせ、文字はすべてハングルに翻訳。 日本でやっていることと同じことをやろうとしても、進行の段取りの常識が違うし、機材が古くてできないことが多々あります。むしろ、日本はすごく恵まれている環境で作品が作れていたんだなと認識することができました。日本の機材は進んでいる 韓国もルーマニアも、現地の人たちにとって僕らはまったくの無名の団体だったわけですが、どちらも上演後はスタンディングオベーション! 自分が良いと認めたものは初めてのものでも、しっかりと誉めてくれますね。認めた作品はすごく誉める こういったフェスティバルで招聘団体にかかる費用は、呼ぶ方が半分、呼ばれる方が半分と折半し、さらにその費用は国が負担し、本人たちに負担は無いのが一般的なんです。特にルーマニアは日本より経済規模もGDPも低い国ですが、しっかりと国が投資してくれます。そういう意味では、日本は芸術活動する上で厳しい国だと言えますね。費用は折半、国が投資63

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