『SDM』 VOL.27
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―今でこそ、それぞれトップ・アーティストと同じステージで活躍されているお2人ですが、最初からこういったメジャーシーンでの活躍を目指していたのですか?SUBARU‥僕は特に最初からアーティストと踊るような〝芸能シーン〞に興味があったわけではなかったんですよ。中学から踊り始めて、ダンサーってどうやって食べていくかも知らずに、とにかく上手くなりたいって思っていれば、何とかなるんじゃないかと思ってました(笑)。最初はまさか仕事になるなんて、思ってもいませんでした。Asuka‥私は3才の時からバレエを始めていたので、幼稚園ぐらいの時にはもう私の人生イコール踊ることだと思っていましたね。中学くらいの時に安室奈美恵さんをテレビで初めて見て、「あの踊りを踊りたい!」って衝撃を受ました。それから、ストリート系のダンスをやるようになったんです。―では、Asukaさんはその頃から〝安室奈美恵さんのサポートダンサーになりたい!〞と心に決めたんですね!Asuka‥いえ、まだその頃は単なる憧れだったんですけど、後に安室さんのコンサートを観て、「自分もこのステージに立ちたい!」という目標を持ったんです。ちょうどその時、SUBARUさんが安室さんのサポートダンサーをしていたので、私にとってSUBARUさんは雲の上の大先輩みたいな感じですよ(笑)!SUBARU‥そう言われると恥ずかしいなぁ(笑)。でもAsukaとは結構昔、1回だけ、現場が一緒だっただけなのに、今でも仲いいよね。若い時ってみんな口では「頑張ります!」って言うんだけど、1回挫折しちゃうと違う方向を探し始めちゃうんです。でも、Asukaは本当に頑張ってここまでこれた強さがあると思うし、僕にとっても刺激になりますね。―刺激し合える存在というのは、キャリアの長い短いは関係ないんですね!SUBARU‥キャリアの有無にかかわらず、本当にいいダンサーに会うと自分が高まるんですよ。だから僕も他のダンサーにそういう影響を与えたいし、人に会ったらちゃんといいもの吸収したいと思っています。僕は今でも現場で若いダンサーに「今何が流行ってるの!? ちょっとそれ教えてよ!」って絡んだりもしますよ(笑)。Asuka‥やっぱり〝プロの現場にいる〞ということは、みなさん何かしら輝く部分を持っているんですよ。それに気付いて、自分に足りないものを吸収するようにする姿勢はあった方がいいと思います。―確かに〝同じ現場にいるダンサー〞は、自分と同じように厳しいオーディションで選ばれた方ですもんね!SUBARU‥基本的にはそうですけど、ある程度キャリアを積んでいって自分が知られるようになると、オーディションを受けずに声をかけられることもあります。ただ、そういう立場になって安定しようとするとダメですね。僕自身も、安室さんを含む多くの有名アーティストさんの舞台に立った経験があったけど、浜崎さんのサポートダンサーになったのは一般オーディションに合格したからなんですよ。Asuka‥確かに安定はできないですよね。私が初めて安室さんのサポートダンサーになったのは5年前ですが、私は今のツアー(※)でも一般オーディションを受けて選ばれたんですよ。―ダンサーとしてキャリアを積んでも油断はできないというわけですね……。では実際のリハや現場の様子は結構シビアな感じなんですか?Asuka‥受かってからが本番というか、毎日がオーディションのようなものですね。初めてのリハで「状況を見て、例え本番一週間前でも悪ければメンバーからハズす!」ということを告げられたので、もう、死にものぐるいですよ! 5分くらいの曲のフリを1日2〜4曲覚えて、12時間近くスタジオに缶詰になって……、逆にくよくよしているヒマなんかないですね。SUBARU‥〝毎日がオーディション〞というのは僕も全く同じ意見ですね。同じステージに立つ仲間だけど負けてはいられない。浜崎さんにも「今日のSUBARUのベストは何?」というように見られている気がするので、緊張感がない日はないです(笑)。―現場ではそういう風に、アーティストさん本人もあれこれ関わってくるのですか?SUBARU‥現場によって違いますが、浜崎さんの場合は少し特殊ですね。僕らを単なる〝後ろにいるダンサー〞としてではなく、〝共演者〞として個性を活かした演出を考えて提案してくれるんです。だから僕も演技やコーラスっぽいことをしたこともありました。Asuka‥安室さんの場合はまた違って、本人がとにかくダンスが上手い! こっちは踊るだけなのに、本人は歌までできる。ライブでは2時間トークなし休みなしでパフォーマンスですから、体力もすごい。そこに至るまでの努力を考えると、「こっちも120%出しきる気持ちでやらなきゃ!」って感化されますね。一緒のステージに立ってみて、今までの憧れから〝尊敬〞に変わりました!SUBARU‥ある意味、個性を大事にしてダンサーの持ち味を引き出してくれるのが浜崎さんで、自分の行動や姿勢を示してダンサーを引っ張っていくのが安室さんなのかも知れませんね。※「namie amuro LIVE STYLE 2011」(2011年7月〜12月)同じ舞台に立って、憧れが尊敬に変わる。じステージに立つ! ぶれない信念がつむいだもの。安室奈美恵サポートダンサー2大アーティストのステージを支えるダンサーたち、夢の対談。14

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