『SDM』 VOL.27
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he philosophy of DAZZLE―DAZZLEはどの時点からオリジナリティを重視し始めたのですか?長谷川:それはチームの結成時点からそうでした。当時、僕らはコンテストで入賞することを目標としていて、結果を残すための方法を模索していました。審査基準は様々ですが、技術や構成、ファッションなど、いくつかある評価ポイントの中で、僕は独創性を最も大事に考えたんです。それは〝コンテストに勝つため〞ということもそうなんですが、何よりも人。メスス独創的の考思The philosophy of DAZZLE誰かと同じことをやって得る評価に、価値はあるのか?表現の構成要素の組み合わせに、独創性の活路がある。SOUR DAZZLEInformationhttp://www.dazzle-net.jp/詳細はDAZZLEオフィシャルHPへ!スタイリッシュな楽曲と斬新なミュージックビデオで東京の音楽シーンに新風を吹き込んできたSOURと、DAZZLEによる1日限りのコラボレーションイベントが開催。2012年1月21日(土)1st Stage 15:30~/2nd Stage 19:30~(開場は開演の60分前)会 場 : Shibuya WWWチケット : 前売り 立見席 ¥3,500 / 椅子席 ¥5,000 当 日 立見席 ¥4,000 / 椅子席 ¥5,500近年、大きな盛りあがりを見せつつある日本のストリートダンス・シーン。しかし、多様な情報があふれる現代では、「どうすれば他より抜きんでることができるのか」を考え、実践するのは容易ではない。そこで「SDM」では、『Legend Tokyo』で〝1st Legend〟に輝いた長谷川達也を講師に迎え、全6回の誌上講義を実施! 第2回目の今回は、なぜ唯一無二を目指すのかを伝授!コンテストの審査員の総評でよく耳にする〝オリジナリティを持て〟。コンテストに勝つためにはオリジナリティがなければならないのか、そもそもダンサーであるならばオリジナリティがなければダメなのか……。そんな疑問点をDAZZLEの2人に聞く!長谷川:ステージの上で拍手をもらいたい。でも、誰かと同じことをやって評価をもらっても、「それは本当に自分への評価なのか?」と疑問が残る。スキルに対する評価としてはいいかもしれません。ただ、自分のクリエイティブ力が認められたわけではないですしね。飯塚:今はそういったクリエイティブの部分より、とにかくスキルに関しての職人的な人が増えたと思います。それはとても素晴らしいことですが、少し偏りを感じますね。長谷川:例えば歌手の場合、「この人とこの人って全く歌い方同じだね」って思われてしまっめられたいのであれば、チームであれ個人であれ、オリジナリティがなければいけないと思います。ては、アーティストとしての価値が全く薄れてしまうことになると思うんですよ。。ダンサーがアーティストとして認長谷川達也を主宰とするダンスカンパニー。「すべてのカテゴリーに属し、属さない曖昧な眩さ」をスローガンに掲げ、オリジナルの表現スタイルで見る者を魅了している。過去5回にわたり単独公演を開催。国内演劇祭における最優秀賞の受賞や、韓国、ルーマニアの国際演劇祭にも招聘されるなど、その実力は国内外で高く評価されている。DAZZLEなぜオリジナルを目指すのか?第二回―では単刀直入に、どうやったらオリジナリティを身につけることができますか?長谷川:これだけ情報があふれている現代で、全く新しいものを創るというのは本当に至難の業です。ただ、表現を形作る様々な要素の組み合わせに独創性を持たせることはできます。どんな曲で踊るのか、どんな衣装を着るのか、どんな空間で、また、どういった振付けなのか。そういった組み合わせは常に模索しています。ただ、何をもって〝オリジナル〞と言うのか曖昧な部分もありますし、僕らDAZZLEというスタイル自体もその組み合わせの妙が生んだ存在にすぎません。ただ僕はジャンルに囚われたくなくて、そこに人の心を動かす何かがあれば良いと思っています。飯塚:僕は正直、「ダンサーがみんなオリジナリティを持たなきゃいけない」なんてわけではないと思います。例えばバックダンサーを目指すのなら、体力やフリ覚えの良さの方が必要だし、歌って踊れるアーティストなら歌が、振付師ならキャッチーで覚えやすいフリを考えつく能力が必要なわけで。自分が目指す目的がはっきりして初めて、そこに向かう一歩が踏めると思います!長谷川:その中でも、僕は舞台作品の演出の道を選びましたが、作品を作る上で多くの人の共感を得たいと思う反面、アーティストとして突き抜けたいという願望もあります。ただ、突き抜けることに特化して伝わらなければ意味がないし、「多くの人が見たいもの」に偏って自分らしさを失ってもいけない。だから、バランス感覚を磨くことも大事だと思います。そこはイバラの道だけど、自分を表現できる最高世界があると信じています。指南=長谷川達也、飯塚浩一郎lecture by Tatsuya Hasegawa,Kouichiro Iizuka構成=長濱佳孝constructed by Yoshitaka Nagahamaの記憶や印象に残る存在になりたかった。そこにスキルを得るために模倣はするかもしれないけど、作品や表現として他人と同じことをやる必要を感じてなかったんですね。飯塚:当時のストリートダンスシーンって、オリジナリティとスキルのバランスがとれていて、「もっと上手くなりたい!」という気持ちと同じくらい、「もっと誰もやっていないことをやりたい!」という想いを持って踊っていた人が多かったと思いますね。DAZZLEが準優勝を果たした『JAPAN DANCE DELIHGT VOL.8』の時の大会のようす(写真左下)。確かに他のチームとはひと味ちがった雰囲気だ。!1日限りのコラボレーションイベントが開催作品として、チームとして オリジナルであるために必要なこと一. 他の人がやっていないことを考え、実行する。二. 表現の構成要素の組み合わせに注目してみる。三. そもそも自分の目標によっては、 オリジナルであることが必要でないこともある。長谷川達也(DAZZLE)飯塚浩一郎(DAZZLE)26

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