『SDM』 VOL.28
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結成15周年を迎えた 表現者たちが魅せる、 新たな決意と表現への挑戦。2011年12月10日(土)、11日(日)@原宿•spiral取材・文=萱沼萌text by Moe Kayanuma写真=飯野高拓photography by Takahiro Iinoつねに新しい表現を模索しているダンスカンパニー、DAZZLEが結成15周年を記念したショーケースを開催。空間と小道具を巧みに活かした作品はもちろん、ポップでユーモアあふれる作品も披露され、斬新かつ多彩な表現で観る者を楽しませる。タイトル通り、新たに生まれ変わる気持ちで進化し続ける彼らの決意を感じさせてくれる内容であった。白いスーツに身を包んだDAZZLEのメンバーたちが、繊細なポージングを繰り返すかのような、彼ら独特の世界観を繰り広げる。軽やかなステップや華麗なペアダンス、手にした小道具の紅いバラなど、チーム結成15周年を自ら祝うような、従来の彼らとは違った明るいパフォーマンスであった。「白く告ぐ」〝DAZZLEの第5回公演「Re:d」のDVDに出演した男の記者会見〟という設定のこの作品。小道具の白いキューブを構成や舞台セットとして巧みに取り入れながら、記者会見を模した構成は繊細さとコミカルさを併せ持つ。作品中の「スタイルは確立された瞬間に古くなる」という男の台詞からは、DAZZLE自身の意識がうかがえた。「記者会見」ダンサーたちの動きとスクリーンに映し出されたテレビゲームのキャラクターがリンクされ、古き良き名作ゲームの世界観が舞台上で繰り広げられる。ゲーム特有のテンポよく進行していくスピード感が小気味よく、まるで本気でプレイしているかのような(?)ぎりぎりでゲームオーバーになってしまうさまは従来の彼らとはひと味ちがったコミカルな作風であった!「DAZZLE vs Video game」内容は、月にできた人口都市と地球との間で引き裂かれる男女の物語。部屋の中や電車、海岸など、様々なシチュエーションを音響と照明といくつかの白いキューブだけで巧みに表す彼らの演出力が光る。また、様々な障壁を表すダンサーたちとのスリリングな絡みで、すれ違いながらも心を通わせていく2人の物語を情熱的に表現してみせた。「君と僕の星」公式HP http://www.dazzle-net.jp/48

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