『SDM』 VOL.29
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発表会をレポート!!のメジャーシーンの第一線で活躍する人気振付師AKIKOが描くのは、外国人から見た江戸時代の日本。照明と障子の効果を活かし、舞台の見え方を変化させたり、シルエットを映し出したりと、巧みな演出が随所に盛りこまれ、妖しく艶やかな日本の魅力を完璧に表現した。また、出演者のスキルも高く、複雑なフォーメーションや、一糸乱れぬ高速ユニゾンは圧巻! 総合的な完成度の高さは、舞台芸術と言っても過言ではない見応えであった!人の心を動かす作品づくりのレシピAKIKOファンタジックなストーリー仕立てのステージ!!プロを目指す学生たちが創りあげる、こんな作品が登場しました!アーティストのステージでは、バックダンサーや歌手のみなさんに対して、主役を引き立たせるための振付けをしますが、今回の発表会のように歌がないステージの場合は、ダンスだけで見たときに楽しめるように考えなければいけません。作品に何が求められているのか判断して、頭を切り替えて振付けをすることが、プロの振付師には求められるので、それは常に意識しています。振付けするときに、常に意識することはなんですか!? 公演って、レッスンや一人で踊るのと違い、立ち位置は決まってるし、表現すべき課題が与えられるので、結構難しいんですよ。でも、今まで学んできたものを発表できる場があるのは大きなチャンス。講師の作品に触れたり、仲間とステージを作る経験は貴重なので、みんなで共有する目標に対して、みんなでステージをどう作るか、自分は舞台の上でどう動き、どう踊るかを考えて欲しいですね。公演を通して生徒たちに学んで欲しいことは!?今回は「花魁」というテーマが初めにあったので、それをどう料理しようか、数ある曲の中でどれがいいかって所から始めたんですが、あえて視点を変えて、「そんなの今の日本にないよ」っていう、〝海外の映画で出てくる間違った日本の姿〞というイメージで作ったら面白いんじゃないか、と考えたんです。そこから全体を俯瞰して、足したり引いたりの計算をして創り込んでいきました。作品のアイディアはどこから生まれてきますか!?オープニングナンバーにふさわしいインパクトある世界観。コミカル&リズミカルなフリが楽しいエネルギー溢れる作品!生徒作品の中でも抜群に完成度の高い、オシャレな作品! ナンバー後半の横一列でのポージングがクール。『世紀末の戦争』振付師:石川浩子ラストナンバーを飾るこの作品の、この世の終わりを思わせる鬼気迫る雰囲気に、観客は息を呑んで見入っていた。『ドラキュラ』振付師:ZEN『近未来の世界』振付師:SAKUMA『ココ・シャネル』振付師:坂本もえ/仲田具未(2年生)『IT’S SHOWTIME!!』振付師:原田宏美SDM編集者が選ぶベストナンバー!!振付師に聞いてみました!単なるダンスの発表会ではなく、一般の来場者でも楽しめるエンターテインメントの舞台として、本校の実力派講師陣と、プロを目指す生徒ら自身のプロデュースによる卒業公演が今年も開催! 今回はファンタジックなストーリーに沿って、ジャンルやフィールドの枠にとらわれない多彩なナンバーが次々に展開。ダンスに加え、ヴォーカル、アクティングと、様々なエンタメ要素を盛りこんだ豪華な演出で、終始観客を惹き込ませていた。取材・文=安江雄彦text by Takehiko Yasue写真=井上治、塩崎亨photography by O-sam Inoue、Toru Shiozaki2012.3.9(fri)@品川きゅりあん 大ホールmore info → 東京ステップスアーツ▶http://www.t-steps.com/東京芸能学園高等部▶http://www.togei-h.com/東京東京ステップスアーツ東京芸能学園高等部発表会圧倒的な完成度と世界観!思わず引き込まれる妖艶な江戸の一夜。LA仕込みのヒップホップ、ジャズダンスをミックスしたオリジナルのスタイルが好評を博し、安室奈美恵、倖田來未、SPEEDなど、数多くの人気アーティストの振付け、演出を第一線でてがけ、絶大な信頼を集めているコレオグラファー。全身金銀の衣装にケミカルライトを使った、重鎮SAKUMAならではの演出が光る、オールドスクールナンバー!ドラキュラとその手下たちが、ロッキン、ハウス、パンキングなど、多彩なジャンルを織り交ぜた構成で観客を魅了!美しいフォーメーションが次々と変化し、本当にブロードウェイにいるかのような感覚を覚える豪華さのシアタージャズ!『花魁』 振付師:AKIKO『少林寺』振付師:DAISAKU50

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