『SDM』 VOL.34
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2012 MaKuRo-evein christmas2つの舞台を使い、全く異なるコンセプトで作品を展開した2部構成が今回のMaKuRo公演の最大の特徴!1部は、観客が思わず微笑むキュートなものから、胸にグッと迫るエモーショナルなバラードナンバーまで、オム二バス形式で様々なストーリーがテンポ良く繰り広げられる! 一方、2部はクリスマスならではの演出を全面に押し出した、ファンタジックな内容に!何よりも目を引くのは、中央にクリスマスツリーを配し、深紅の絨毯が敷かれたランウェイの見る者を心から楽しませるダンス作品に定評があるMaKuRo。今回の舞台は、その得意のエンターテインメント性はそのままに、ダンスの持つエネルギーや根本的な楽しさに立ち返るような公演であった。4年目を迎え、新たな展開を見せたMaKuRo公演、その内容を紹介しよう!2012年12月23日(日)24日(月) 横浜・ヨコハマ創造都市センター取材・文=萱沼萌 text by Moe Kayanuma 写真=塩崎亨photography by Toru Shiozakiステージに対する既成概念に捉われず、会場全体で創りだした幻想的な空間演出。ランウェイを活かし、パレードのような華やかさあふれるステージングであった。絵理ふわふわとしたピンクのドレスと頭にのせた草花の冠で可愛らしい花の精に変身!Sakiグラデーションが実に美しいドレス。手の動きに連動して、華やかにひらめいていた。沙羅柔らかな白のトップスに大胆なプリント柄のレギンスがマッチした雪の精の衣装。RiNA白黒のタイツと真っ赤なチュールスカート、個性的なヘッドドレスがステージで映える!Moemiシルエットが美しい、真っ白なドレスは、作品の持つ天界のイメージにぴったり!優雅かつ、かわいらしい身のこなしで、優しく、包み込むような空気感をつくり出した。4人のダンサーがしっとりと奏でるダンスナンバーが、クリスマスナイトを彩る。子どもたちを楽しませるおもちゃの精。クリスマスの世界へと観客を誘う。傘の骨組みを利用した、雪の結晶が幻想的な雰囲気を一層盛りあげていた。亡くなった女性が天使に導かれていく、壮大なストーリーを見事に表現しきった。第1部第2部〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈〈 主宰者に聞くー今回は特殊な会場での開催ですが、そのコンセプトとは? 今回4年目を迎え、「原点に戻りたい」という気持ちがありました。それを考えた結果、お客様にもっと間近でダンスを見ていただき、より直接的に何かを与えられるものをつくりたいと思ったんです。そんな思いを実現できるステージを探し、以前からやりたいと思っていた〝クリスマス〟というテーマに合った、この白を基調とした内装が気に入り、この会場を使いました。 また、異なる2つの世界を提供できたらと思い、会場を2カ所に分けました。3階のステージで行なった第1部は、通常のステージング、1階での第2部はランウェイでのパフォーマンスにしてみました。特に2部のステージングは、柱を活かしながら、360°どのお客様にも楽しんでもらう工夫をしました。ー次回公演の構想は? まだ構想段階ですが、ぜひ、長編ストーリーものに取り組みたいなと思っています!KAZUEジャズダンサーとしての経験を活かし、2009年よりダンスカンパニー「MaKuRo」を主宰。ダンスを主軸に、アクティングなど、ミュージカル要素を盛りこんだ公演を行なう。振付けをはじめ演出、脚本も手がけ、クリエイターとしても活躍中。「MaKuRo」の作品創りとは?クリスマスを彩る珠玉の作品群。その完成された世界観は唯一無二!ようなステージだ。衣装や照明、映像と、細部にまでこだわった演出が互いに相乗効果を生み出し、ダンサーたちのパフォーマンスを盛りあげる! まさに、MaKuRoからの〝クリスマスプレゼント〟のようなステージで、来場者を終始ときめかせてくれていた!28

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