『SDM』 VOL.37
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―では、具体的に作品創りにおいて工夫された部分はどんなところですか? あの舞台でただクランプをやっても、正直伝わらないだろうし面白くない。でも、クランプの最大の魅力であるトリッキーな動きやエナジーは絶対に外せませんでした。やっぱりクランプって、どうしても〝ただ暴れている〞ように見えてしまいがち! だから、作品として観やすく、飽きさせない展開で届けるという、お客さん目線を徹底的に意識しましたね。 例えば飽きさせない工夫として、自分たちにしかできないものをシーン毎にしっかり配置する。最初のストンプや、キャップを使ってのルーティンは他の作品はやってこないだろうし、エナジーの乗ったソロも、絶対に他のジャンルには負けない部分。すべてお客さんが「どう感じるか?」、「どうやったら伝わるか?」を徹底的に考え抜いて創ったんです。とは言っても、創っては壊し、創っては壊しの繰り返しでしたけどね(笑)。ただ、5分という短い時間の中、より研ぎ澄ました作品にするために、本当にこれまでの集大成として、見せたい事をしっかりと考えて絞りこみましたね。―そのような作品創りの技術は、どうやって培ってきたのでしょうか? 何となく、自分の中で〝勝つ法則〞みたいなものがあるんです。単に「これがウケそう」というものではなくて、観る人の心を揺さぶって勝つ流れというか、票を入れたくなるように感じさせる作品の持っていき方ですね。たぶんそれは誰かから学んだわけでもなく、若い頃からコンテストの舞台を踏んできた中で磨かれてきたものだと思っています。 特に〝大衆向け〞という視線を意識するのは『DANCE@HERO』での経験は大きかったですね。―なるほど! 今回の作品は、まさに、今まで培ってきた経験の集大成なんですね! もちろん自分の作品には、自信がありました……、しかし「自分の考えが実際に観る人に受け入れられるかどうか」というのは別問題! コンテストだから他の作品とも比べられますからね。ただ、貫いてきたものに対する自信というか、クランプの本質をぶらさず伝えることができれば、「カッコイイ!」って必ず心に響かせることができるということは信じてました!―実際のところ、優勝する自信はありましたか!? 『Legend Tokyo』ってシンプルに〝おもしろい作品〞を選ぶと同時に、魅せる才能を持ったコレオグラファーを選ぶ場でもありますよね? 過去2大会を経て、誰もが〝理想の優勝者像〞みたいなものを描いていたと思うんです。 だから〝クランプ〞というジャンルや僕自身のイメージが、みんなの描いている理想とかけ離れているんじゃないかという不安が頭にあって、正直、名前を呼ばれた時は「俺でいいのかな」って思った瞬間もありました(笑)。 でも、信じてきたクランプの魅力を最大限に引き出して、誰よりも面白い作品を創れた。大会に対する凝り固まったイメージをぶっ壊せたのが嬉しかったし、今では胸を張って〝レジェンド〞を名乗れます(笑)!―そういった意味では、まさに今大会のサブテーマでもあった、〝BEYOND EVERYTHING PAST(過去のすべてを超える)〞を体現された感じですね! そうですね! 過去の作品のレベルを超えるというよりは、既存の概念を超えた作品を創ることができたと思います。僕は『Legend Tokyo』の過去大会は、すべて実際に会場で観ていますが、今までは「レジェンドって、どうせ舞台系の人が勝つんでしょ?」ってイメージだったと思うんです。 でも、突き詰めて考えればストリートのヤツらだって、ちゃんと魅せることができるんです! 「アンダーグラウンドのジャンルだから大衆の心は掴めない」なんて、あきらめる必要はまったく無い!その場のノリのカッコよさだけじゃなくて、時間と労力をかけて、本気で1つの作品に向き合うことが大切なんです! 「自分たちのダンスで多くの一般大衆を感動させることができる」という素晴らしさがわかる人が増えていけば、きっとストリートダンスの世界も変わってくるはずなんです! そういう懸け橋のイベントになるはずなんですよ、〝レジェンド〞は! 実際、過去優勝者の長谷川達也さんも梅棒も、ストリートダンスのシーンで自分たちの軸をぶらさず頑張ってきた人たちですよね。―最後に今後の展望に関しては、どうお考えですか!? やっぱり、自分たちのクランプを探求していきたいし、広げていきたい。まだまだ、自分にできることはあると思うんで、休む暇なくトライしていきたいですね! みんなどういうかたちにしろ、何かを背負って戦っていると思うので、ベストを尽くして、自分の使命を全うしていきましょう! ストリートダンスにインスパイアされたシューズブランド〝JADE〟では、かつてからTwiggzの才能に着目し、多方面において彼を起用してきた!「どうせ舞台系の人が勝つんでしょ?」、そんな固定観念をぶち壊す!シューズブランド〝JADE〟では、 多角的にTwiggzを起用!History of Twiggz熱き活動の軌跡2010年、クランプの創始者であり、クランプ界の〝神〟であるTight Eyezに認められ、彼のクルー「STREET KINGDOM」に加入。同時に、「STREET KINGDOM JAPAN」を発足し、その主宰を務める。topic.2STREET KINGDOMへの加入STREET KINGDOM JAPAN発足STREET KINGDOMへの加入STREET KINGDOM JAPAN発足2011年、日本のクランプの普及や発展、社会貢献を目的とした一般社団法人KOBを設立。現在でも海外からオリジネーターを招き、様々なイベントやボランティア活動を行なっている。topic.3一般社団法人KOB設立一般社団法人KOB設立2011年、STREET KINGDOM JAPAN+Twiggz Famとして『YOKOHAMA DANCE DELIGHT vol.4』では優勝、『JAPAN DANCE DELIGHT VOL.18』でも特別賞に輝く。topic.4『JAPAN DANCE DELIGHT VOL.18』特別賞『JAPAN DANCE DELIGHT VOL.18』特別賞2012年、テレビ番組企画『DANCE@HERO JAPAN』3rdシーズンでは、クランプ特有の世界観をかつてない新表現で魅せ、チャンピオンの座に輝く。topic.5『DANCE@HERO JAPAN』3rdシーズン優勝『DANCE@HERO JAPAN』3rdシーズン優勝2005年、当時所属していたシャブレイのチームメイトだったNAKAJIと共に、人気、実力ともにトップクラスのスタジオ、STUDIO FAMILYをオープン。現在も店舗経営およびインストラクターを務めている。STUDIO FAMILY設立STUDIO FAMILY設立topic.1ブランドアドバイザー!前ページでTwiggz本人が履いているのは、彼がアドバイザーを務めたJADEの人気シューズ、JD7004(BLACK)。この秋には新作が販売されるようなので要チェックだ。前号「SDM VOL.36」では、JADEの広告ページでモデルとして起用された! この広告をみて、JADE原宿店を訪れたSDM読者も多いのでは!?PV出演!モデル起用!今年公開されたJADEのプロモーションビデオでは、Twin Twiggzと共に出演。ストリート感溢れるPVをJADEのHPでチェックしよう!最新情報はJADEのHPで!http://jade-harajuku.tumblr.com/JADE原宿店http://www.jade-shoes.com/JADE ブランドサイトクランプをより広めるために―新しい動きを展開するJADEの動きにもますます注目!19

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