『SDM』 VOL.37
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39ソニー・ミュージック・グループのSMAP、MISIAをはじめダンス事業を統括する重鎮。数々のアーティスト楽曲を手がける鬼才。株式会社エムオン・エンタテインメント 執行役員SONY MUSIC GROUPダンス・エンタテインメント・グループ 本部長PROFILE遠藤 陽市ソニー・ミュージックエンタテインメントのダンスプロジェクト部門〝ダンス・エンタテインメント・グループ〟の本部長であり、CS音楽チャンネル「MUSIC ON TV!」のダンス番組「Dancer’s WORLD」の制作も担当。その他、「MICHAEL JACKSON TRIBUTE LIVE」総合プロデューサーを務めるなど、映像・音楽業界で幅広く活躍している。審査員授与の決め手は!?「天の川」をテーマに、舞台上の色彩、世界観、曲の使い方、ステージング、すべてが美しく、映像的にも素晴らしいと思えた。株式会社ヴァンズエンタテイメント作詞・作曲家プロデューサーPROFILE黒須 チヒロSMAP、V6、NEWS、MISIA、東京女子流、スーパージュニアなど、多岐にわたるアーティストやグループに楽曲や詩を提供。2005年には総合芸能スクール「ヴァンズエンタテイメント」を立ち上げ、自らアーティストの育成、プロデュースを手がける。プロデューサー、経営者としての顔を持ち、音楽業界の知り尽くす人物として活躍している。審査員授与の決め手は!?使用楽曲に対する振付けのセンスの高さ。そして、お金を払ってでも観たいと思ったかどうか!?振付師とダンサーの皆さんその熱意と努力に感銘を受けました。―2年目の審査員となった今大会はいかがでしたか?  まず、振付師の皆さんとダンサーの皆さんの熱意と努力に感銘を受けました! 中でも、優勝したTwiggz作品は、圧倒的なクランプの迫力が素晴らしい! ストリートの中でも特にパッションを露わにするスタイルなので、全体をどう構成するのかが非常に難しかったと思いますが、5分間の作品展開、各パートの魅せ方も見事で、その新しさに感動を覚えました。―その他に印象に残った作品はありますか?  私の評価視点で1位をつけさせて頂いたWREIKO作品ですね! 作品全体の総合力として、まさに圧倒的なものを感じました。構成力や振付けのバリエーション、そして、ダンサーのみなさんの振付けに対する理解度、クリーンさ。すべてにおいて、私の中で間違いなく1位でした!  また、審査員賞をお贈りしたMIWA作品も素晴らしかった。今大会では〝和〟をテーマにした唯一のアプローチとなりましたが、青色の色彩が全体のコンセプト、振付けと非常にマッチしていました。また、作品名でもある〝天の川〟をステージの下手から上手前面まで斜めに使って表現していたり、他のチームに無い巧みな演出が素晴らしく、ぜひ当番組で放映したいと思えました。―最後に、今大会を終えてみての感想をお願いします。 どの作品も、1つ1つの振付けや作品の展開の仕方、ストーリー性など、本当にさまざまな方法でそれぞれの世界観を表現していて、その表現の幅広さに可能性を感じました。本当にバラエティに富んだ演出や表現で楽しませて頂きましたし、そのバリエーションの豊さも専門的知識がなくとも一般目線で見て非常にわかりやすい。 興行として考えてみて、よりお客さんが来やすいというか、一言で言えばダンスはよりエンターテインメントになってきている感じがしました。これからの日本のエンターテインメントを盛りあげる存在がここから出てくると面白いと思うし、ぜひそうなっていって欲しいですね!MIWA作品「天の川のひとしずく」審査員賞はこのコレオグラファーの作品に!僕自身が、本当にお金を払ってでも観たい。そんな作品を選ばせて頂きました。―2年目となるレジェンドの審査員はいかがでしたか?  昨年度は初めての審査員でしたので、正直、緊張しながら見ていたんですよ(笑)。でも今年は、4月に関東予選の審査員や5月に『FINAL LEGEND』のお手伝いをさせて頂いたのもあって、〝レジェンド〟での作品の見方に余裕ができました。単純に「あっ、普通にエンターテインメントとして観ればいいんだ」と。だから、今年は楽しみながら観ることができましたよ!―今大会で特に印象に残った作品はありますか?  1つはやはり、審査員賞に挙げさせて頂いたWREIKO作品です。彼女の〝曲に対するフリの付け方〟はいいですね〜。僕はダンスの専門的な技術、例えば「あれがどれだけ難しいか新しいか」なんて、正直解らない。だから判断基準として、普通に「この作品を観た後。お金を払って帰るかどうか?」で考えました。言い換えるなら、「僕がお金を払ってでも観たいかどうか」です。そういう意味では、MIWA作品にも同じ感想を抱いたので点数を高く付けさせて頂きました。―今回、ダンスに対する見方に変化はおきましたか?  僕は、前大会の梅棒にかなり衝撃を受けましたので、それからはダンス作品に対して〝ストーリーを紡ぐ〟みたいな事を結構求めていたんですよ。でも、今大会を振り返って、ダンスに意味を持たせ過ぎるのは難しいなと感じましたね。創る方の気持ちとしては、壮大で意味の深い作品にしたいと思いますが、それが観る人に伝わり辛いものであれば、逆にダンス本質の面白さを殺してしまう。 ですから、今年もゲスト出演されていた梅棒を観て、シンプルなストーリーで確実に観る人に伝えてくれるという彼らの技術の高さを、また改めて実感しました。 ストーリーを紡ぐことは〝諸刃の剣〟な部分もある。観る人にその面白さがちゃんと伝わるエンターテインメントとして成立させるには、楽曲や振付け、脚本に衣装や小物など、非常に多くの要素をバランスよくまとめる力が重要なんだなと感じました。WREIKO作品「Ancient Egypt」審査員賞はこのコレオグラファーの作品に!評価視点音楽・映像業界の視点評価視点音楽プロデューサーの視点大会結果分析レポート

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