『SDM』 VOL.37
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41日本の現代舞踊を〝レジェンド〟をL.A.につなげた世界のダンス市場につなげたパイオニア!世界最大のダンスコミュニティのC.E.O!キャスティング・パートナーシルク・ドゥ・ソレイユ株式会社アンクリエイティブ 代表取締役社長PROFILE永利 真弓80年代より舞台芸術のプロデュース業務を始め、株式会社アンクリエイティブを創立。以後、コンテンポラリーダンスを中心とした国内海外における舞台事業、国際交流事業等の企画制作を行なう。また、広告代理店などによる各種イベントの演出制作、キャスティング等を手掛け、04年にはシルク・ドゥ・ソレイユの国内キャスティングパートナーに就任する。審査員授与の決め手は!?5分という時間の中で起承転結を構成し、それを身体性だけできっちりと表現している。1時間の単独公演ができる可能性がみえる!boogiezone Incorporatedアメリカ創設者 兼 最高経営責任者PROFILEElm Pizarro全世界20都市以上に拠点をもつ世界最大のダンス・コミュニティ〝boogiezone〟の創設者。自身もコレオグラファーとして活躍しながらさまざまなクルー、舞台公演の設立を手がけている。世界各地のダンサーたちと交流を持ち、米国における数々の名だたるコンペティションの審査員を務めるなど、米国ダンスシーンに精通する重要人物である。審査員授与の決め手は!?L.A.スタイルながら、日本独自のエッセンスも織り交ぜたオリジナルを確立している。L.A.で多くに人に見せたいと思える!表現者として〝世界〟で生き抜くためには、〝誰も観たことないもの〟を創ることが必要。―今大会の全体的な感想はいかがでしたか? どの作品もとてもクオリティが高くて、選ぶのにたいへん苦労しました! 最初から最後まで、すべての作品が優秀作ですので、観客の立場からすると少しお腹いっぱいになってしまいましたね。もう少し良い意味でとんでもない作品がでてくると、緩急がついて、大会全体としてより面白くなるかもしれません。そういった意味で言うと、TAIHEY作品は非常に良い役割を果たしていたと思います。―他の作品についてはいかがでしたか? 優勝されたTwiggz作品は、圧倒的に素晴らしかったです! ただ、私の審査員賞は「海外で1時間の単独公演ができるのは誰だろう?」という視点。今回の大会ルールのように5分間という限られた時間の中で起承転結を伝えるのは、とても難しいことです。それを小手先の芝居などではなく、身体性だけできっちりと表現しているMOCCHIN作品は、純粋に作品として完結していて、群を抜いて素晴らしい作品でした! 他にもChon作品も同じような点で優れていましたし、じゅんじゅん作品は演出構成力が非常に高かったです。どちらも、今後、公演としての1つの作品をつくれるだけの力を感じました。―国際的なダンス市場の視点として日本のダンスシーンはどう映りましたか?  欧米に習って、日本のストリートダンスシーンはアンダーグラウンドだけではなく、舞台芸術としても色んな方向に進出していく未来を大きく感じました。その中で表現者として生き抜くために必要なのは〝オリジナリティ〟。すごく素敵な作品を創っても、「何か観たことあるよね」という感想を持たれてしまっては、「代わりがいる」ということになってしまいます。この大会でも、〝誰も観たことがないもの〟が過去優勝に選ばれていますよね!? 世間は常に新しいセンスを求めているので、自分だけのスタイルを極めることが大切だと思います!MOCCHIN作品「一手一つ(いってひとつ)」審査員賞はこのコレオグラファーの作品に!作品、大会演出、すべてクオリティが高い。今大会もすごく刺激とインスパイアを受けたよ!―審査員賞にCHEW作品を選ばれた理由を聞かせて下さい! CHEW作品のスタイルは、基本的にL.A.のスタイルに似ているんだけど、すべてがL.A.にあるダンスというわけではないんだ。そこに、ちょっぴり日本独自のスタイルも入れてあって、その2つの要素が上手く混ざった変わったスタイルがとってもユニークだと思ったよ! だから、ぜひL.A.のみんなに見せたくて彼の作品を選んだんだ。―では、その他に気になった作品はありましたか? 優勝したTwiggz作品は、クランプというスタイルであんな素晴らしいパフォーマンスを観れたことにすごくビックリしているよ。今回は審査員全員が彼の作品を「良かった」と言っていた。そんな風に意見が合うことって普段は少ないので、本当に誰が観ても素晴らしい作品だったんだと思うよ! そして大会順位で僕が1位に投票したのはWREIKO作品。彼女の振付けはL.A.のスタイルに1番似ているけど、グルーヴを大切にしてるところがいいね。それに、あれだけの大人数のダンサーを使って揃えてみせたことや、エジプトというテーマにそった衣装のチョイスやステージングも素晴らしかった。 印象残ったのはMOCCHIN作品だね! エネルギッシュでパワフルなんだけど、まるで水の流れみたいにキレイで、地球的なスピリッツを感じられる素晴らしい作品だったよ! 他には、MAR作品、BEZI作品も振付けやテーマはシンプルだったけど、音楽性に富んだ仕上がりになっていて楽しめた作品だったね!―最後に、今大会を終えてみての感想をお願いします。 今回もすごく刺激を受けたね! インスパイアもいっぱい受けたし、やっぱりアメリカと違うものがすごく多いので、またアメリカに帰ってこの大会の話をしたいと思ってるんだ! とにかくみんなすごく真剣に取り組んでいて、照明やステージもクオリティが高い! 僕は『Legend Tokyo』が本当に大好きだし、こんな大会がアメリカにもあったらいいなと思うよ!CHEW作品「Glitter」審査員賞はこのコレオグラファーの作品に!評価視点国際ダンス・マーケットの視点評価視点世界に広げる作品としての視点大会結果分析レポート

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