『SDM』 VOL.38
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―開催場所を自らの地元の関西ではなく、関東にしたのは何故でしょうか? シンプルに〝挑戦〞です! 関西でやれば色々と可能な事や簡単な事は多かったと思います。実際、関東でやることは怖かったし心配なことだらけでしたが、今居る場所から1つ大きな壁を越えるには、旗揚げを関東でやることがベストだと思ったんです。―ストーリーにはどのような想いを込められたのでしょうか? 見終わった後に温かい気持ちになったり、今の自分と照らし合わせてもらったり……。観てくれた人の心にダイレクトに届き、心に残るような公演にしたいと思っていました。『Gift』というタイトルも、色んな〝Gift〞があって、みんな生きている事、1人1つずつ、平等に与えられた〝Gift〞を大切にして欲しいという想いを表しています。―旗揚げ公演を終えてみての感想はいかがですか? 公演終了後、多くの方が泣いていたと感想を頂きました。観て頂いた方たちを、涙が出るくらい心を動かすことができたのは嬉しいですね! 今後は関西で再演するかもしれないですし、次回作の構想もあるので、これからの私たちの活動も楽しみにしてください!KAORIMemorable Moment主宰観る人の心にダイレクトに届くような公演に。観る者すべての心を震わすMemorable Moment、渾身の旗揚げ公演!Memorable Moment旗揚げ公演Memorable Momenthttp;//memorable-moment.net公演の幕開けは、Memorable Momentのメンバーによるソロ回しからの群舞! 研ぎ澄まされた高い技術のダンスを見せつけた!1人の女性の人生を中心に展開される今作。乳母車に乗った赤ん坊が徐々に成長していき、さまざまなシーンが描かれる。海外でも高評価を得た作品「NO WAR」は、物語の中盤、〝戦争〟を表すシーンで披露。戦争の激しさ、そして悲しさを感じさせるものであった。KAORIの存在を世に知らしめた出世作「レクイエム」が表すシーンは、〝近しい者の死〟。その完成度の高さは圧巻の一言!シリアスで重厚なシーンや、コミカルでポップに見せるシーンなど、多彩なテンションで起伏のあるストーリーを展開!来場者を驚かせた、客席を360°囲む巨大なスクリーン! 映像を巧みに取り入れ、物語のわかりやすく展開してみせた。旗揚げ公演に込めた想いとは?STAGE REPORT『Legend Tokyo Chapter.1』審査員賞2冠、『VIBE Dance Competition』2年連続3位入賞、『DANCE@HERO』4thシーズン優勝など、京都を拠点に活躍する日本のトップ・コレオグラファー。関西3府県に4店舗を構える「STUDIO DANCE ALIVE」の経営者としての顔も併せ持つ。公式HP@Memorable_Momentwitterアカウント2013.8.30(fri)恵比寿アクトスクエア写真提供=アノマリーphoto-cooperate by ANOMALY INC.取材・文=長濱佳孝text by Yoshitaka Nagahama 『Legend Tokyo』をはじめ、国内外のコレオグラフ系コンテストで輝かしい経歴を残し、今や日本の誇るトップ・コレオグラファーとして活躍するKAORI。彼女が率いる表現系ジャズダンスクルー〝Memorable Moment〟が、旗揚げ公演を自らの地元関西ではなく、なんと関東で開催! 自ら〝挑戦〟と語ったこの旗揚げ公演、普段の活動地域を離れた開催ながら、開演前から列をなす来場者たちの姿からは彼女たちの知名度と人気の高さを伺わせた。 公演の内容は1人の女性の人生を描き出すもの。時にポップに、時にシリアスに、それぞれのシーンがメンバーたちの高い技術と表現力によって、自在に展開されていく。特にKAORIの名を世に知らしめた出世作「レクイエム」や、海外でも高い評価を得た「NO WAR」など、既存の名作をストーリーに合わせて披露してみせ、その圧倒的な完成度で来場者たちを引き込んでみせた! 終演後、多くの者が「自然と涙がこぼれた」と語り、温かな感動を呼び起こしてくれこの公演。かけがえのない〝GIFT〟の意味を考えさせてくれる、KAORIの人柄が表れているかのような温かな公演であった。24

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