『SDM』 VOL.38
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ダンサーとしてレベルアップするために不可欠な〝踊るのための様々な知識〟。しかし、それを教えてくれる環境や機会は今までほとんどありませんでした……。そこで「SDM」が主催する次世代ワークショップ・プログラム『Legend NEXT』では、様々な知識が学べる史上初のダンス座学講義を開講! その講義の一部を抜粋してレポート!第3回目となる今回は、吉田一統講師による『ダンサーのための照明講座』。この講義は、振付師でも知ってるようで知らない舞台照明の知識や、基本の専門用語、照明による演出効果などをレクチャー! 実際にプロがイメージを作るために使用している、ステージ上の照明を3Dで再現できるソフトを用いたハイテクな講義から、その一部をご紹介します!『Legend NEXT 特別講義』 誌面編!今、必要とされてる〝ダンスのための知識〟を伝授!受講者に感想を聞いてみました!★次号では、ACID正規販売代理店 株式会社フックアップによる『音楽編集ソフト「ACID」の使い方講座/入門編』をご紹介。お楽しみに!■ この講義を選んだ理由は? これから自分たちで振付けをしたり、舞台を創っていきたいと思っているので、その時のためにしっかり学んでおきたいと思って受講しました! 実は来年の『Legend Tokyo』にも挑戦したいと思っているので、今までよくわかっていなかった照明に関する基本的なことを、ちゃんと知っておきたいと思ったんです!■ 講義の感想は? 照明に関する色んなことや、専門用語なども教えて頂けたのでとても勉強になりました! 「自分がいざ照明プランを書く事になった時」を想定して講義を受けていましたが、正直、途中ちょっとつまづいてしまう部分もあったりして……。 でも、いつも舞台で普通に見ている照明が、どういう仕組みでお客さんに効果として見えているかが、すごくよくわかりました。今度自分が舞台を観にいったときに、照明の見方が変わりそうですね! 次回の開催では講義内容をぜひ初級と中級に分けてもらって、初級の方も受けたいと思います!吉田一統 講師2013.4.15@高田馬場・戸塚地域センター今回の講師は…『Legend Tokyo』舞台照明も手がける、ダンス照明の第一人者!絵里さんChi-tan.さんErikaさん『Legend Next』KAORI作品出演:『ダンサーのための照明講座』第三回目★ 照明器具の種類★ 照明で出せる模様の種類★ 照明仕込み図の紹介★ 見えたくないものを隠すには★ 質問タイム他にも、こんな内容の講義が行なわれました。当日配られた照明プラン用紙の例。ダンスの舞台では、このような用紙に自分のナンバーの照明プランを書き込んで照明さんに渡すのが主流だ。 トップサスステージの真ん中にあり、真上から当てるライト。トップサスのみだと、顔がぼんやり見える程度。 ムービング360度に首が動くライト。光を当てる範囲の大きさや色を変えることができるので自由度があがる。位置によっては、サス(①、④)としても使用可。 SS(サイドスポット) 舞台袖中に置かれる横からのライト。演者の顔をフォローする役割をし、これを当てることによって、まわりが赤や青の照明でも人の顔は普通に見える。 バックサス ステージ後方にあり、後ろから当てるライト。これだけを演者に当てると、身体の輪郭(シルエット)はわかるが顔は見えない、という見え方になる。 ピンスポット(フォロースポット) 通称・ピン。客席後方から舞台に向かって当てるライト。演者の動きを追ってフォローする。通常1つのピンに対してオペレーターが1人つく。 フットライト 通称・前フット。ステージの前面にあるライト。ライトを下から当てることによって、演者の前面が浮き上がって見え、威圧感がある見え方になる。 バックフット 通称・後ろフット。ステージ奥の舞台面から客席に当てるライト。観客から一瞬ステージを見えなくする〝めつぶし〟にも使われる。主な照明の種類主な照明の種類実践! 照明プランの書き方のコツ実践! 照明プランの書き方のコツ必要な情報は必ず書こう!自分の作品の流れをわかってもらうために、曲のタイム、カウント、そのときどこに人がいるのか、という基本的な情報を書くのは必須。もちろん、字をきれいに書くことも重要だ。無理して具体的な色を指定しない。絶対に使って欲しい色があるとき以外は、具体的な色を指定しない方がベター。色を指定してしまうと、照明さんが他にもっといい案を思いついても、その色を使わざるを得ないからだ。イメージを伝えるときは具体的に! 〝朝のニューヨーク〟、〝夕方の海〟など、誰もがイメージしやすい説明をつけた方がわかってもらえる。〝ワインの赤〟など、飲み物の色などに例えるのもおススメ。大事なことは最初に書いておく! 全体的なイメージや想いなど、その作品で伝えたいメッセージは一番最初に書くこと! 照明さんが頭から照明を作っていって、最後にそのメッセージに気づいてもどうにもできないからだ。チェンジのタイミングを指定する 曲の変わり目など、照明がチェンジするとき、カットチェンジかフェードチェンジかなど、〝いつ・どうやって・どれくらいかけて変わるのか〟を書くといい。「光が当たっている反対側には、必ず影があるということを心得よ!」「ステージの照明は360度から当てることができると考えよう!」舞台ホリゾント幕客席※舞台を正面から見た図※舞台を横から見た図25

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