『SDM』 VOL.38
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―今回、初めて50分にも及ぶ作品を『おりちか』で披露した理由は? 「〜and blue fish〜」は、私が15年来、振付けをさせていただいている、劇団AND ENDLESSさんのある作品をモチーフに生みだした作品です。キャストを巽などの中心メンバーに任せていたカンパニーの本公演とは違い、若手のメンバーを起用したり、実験的な演出をしてみたり……。いい意味で『おりちか』Mというイベントが一人歩きしている感じが出てきて、私の中でも全体のプロデューサー以外にも新しい挑戦ができましたね。―〝一人歩き〞というのは? MKMDCの作品はもちろんですが、創作活動の発表の場である『おりちか』っていうイベント自体を観に来てくれる方や、若手のダンサーを目当てで観に来てくれる方もかなり増えてきました。8回目を迎えましたが、イベントとして確立されてきたのかなと実感しています。ただ、内容的には参加人数も増え続けているので、ある意味〝らしさ〞というものがなく常に変化し続けています。次回に向け既に色々構想があるので、楽しみにしていてください!松尾耕http://www.mkmdc.netMKMDC主宰 松尾耕氏にInterview!!MKMDC主宰。マルチな振付家として、年間100を超える演劇公演やコンサート、起業CMの振り付けなどで活躍。また、ダンサー、振付師の派遣なども行っている。 松尾耕率いる振付家集団「Dance Company MKMDC」が年に一度、メンバーそれぞれの創りあげた作品を披露する「おりちか」も8回目。今回は個々の作品とは別に、松尾が振付・脚本を務めたMKMDCによる舞台作品「〜and blue fish〜」も披露された。 前半は要所に「〜and blue fish〜」のプロローグ的な短いシーンを挟みつつ、カンパニーメンバーそれぞれによる個性豊かな作品がオムニバス形式で展開されていく。 そして「〜and blue fish〜」の本編がはじまると会場の空気が一変し、創り上げられた世界観に観客は一気に引き込まれる。飼っている魚と対話しながら悩みを乗り越えていく女性の姿を、スクリーンの向こうの現実世界をイメージした映像と、舞台上のダンスが創りあげる水中世界で見事に表現! 〝ダンスで表現すること〞を心から楽しむ純粋な気持ちにあふれるダンサーたちの姿が印象的なのが「おりちか」の特徴。MKMDCならではの感性で仕上げられた、繊細で美しいステージの数々であった。ダンスカンパニー「MKMDC」主催、発表イベントの模様をレポート!色彩豊かな舞台の数々。〝振付家集団〟による作品発表イベント!イベントの幕開けは大人数で観客の目を惹き付ける、エネルギッシュなジャズナンバー!男達で魅せる多彩なスタイル。メンズアイドルを思わせるクールで華やかな作品!!J-POPを使い、恋人同士をつなぐ想いを表現した作品。会場が柔らかなオーラで包まれた!めぐりめぐる因果をイメージさせるような、深みがありアート性が強いジャズ作品。Costume Review▲カラフルでポップな衣装が目を引く、名曲メドレーで楽しませる作品。▲今回も多くの作品を発表した巽徳子による、葛藤を表現したソロ作品!◀黒と赤の衣装で、妖しく攻撃的なイメージを観客に強烈に印象付けた!◀猫に扮して、アクロバットやペアダンスで魅せるハッピーなナンバー!▲美しく揺らめくヒレを模した衣装と、水中をイメージした映像が舞台上に不思議な空間を創りあげていた。OPENING!楢木和也MK Men’s 2013佐藤直樹prayer Ⅰ~優しさで溢れるように~松居摩耶Pater Noster巽徳子おとあそびmiotcheryMADNESS巽徳子沼巽徳子and blue fish振付:松尾耕/映像:佐藤直樹miotcheryAcchan(HIDE&SEEK)松田鼓童巽徳子大野利佳伊藤蘭Code~我ガアイ苦シキ虚像~企画:伊藤蘭写真=飯野高拓photography by Iino Takehiro取材・文=安江雄彦text by Takepico Yasue2013年7月2日(火)~5日(金)国立オリンピック記念青少年総合センター・小ホールDance Company MKMDCMKMDC PERFOMANCE~and blue fish~おりちかSTAGE REPORT8第8回発表イベント35

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