『SDM』 VOL.40
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〝教育的ダンス〟を普及する、唯一の団体。―まず、日本ダンス技能向上委員会とは、どのような組織なのでしょうか?山川‥ダンスが義務教育に導入されたということで、〝教育的なダンス〟というものが名前として確立されました。簡単に言うと、教育的なダンスというものは、まず〝スポーツ〟として定義されているのですが、現状は誰も「教育的なダンスって何?」と聞かれても答えられない。だったらそれをしっかりと普及する組織が必要だと思い、設立しました。―確かに多くの人は、「教育的なダンス」と言われても明確には答えられないですね……。山川‥また、教育現場でダンスが教えられるようになり、一番必要とされているのが指導者なのですが、さらに大事なのは、〝指導者を教える先生〟。正しい〝教育的ダンス〟を理解した、教育の指導者を育てる。そして教育的ダンスとはどういうものかを世に普及する、それがこの委員会の目的です。――ではダンススクールのオーナーでもある二木さんが、この委員会に賛同されたのはどういった経緯があるのでしょうか?二木‥私がダンススクールを15年ほど経営してきた中で、生徒が辞める一番多い理由が、「受験だから辞めます」というものなんです。野球やサッカーなど他のスポーツはもっと教育事業と密接にリンクしているので、気持ちよく打ち込める環境がある。しかし、ダンスはまだ趣味娯楽、カルチャーとして捉えられているので、まだそういった状況にはない。これをどう改善していけばよいんだろうと考えていた時に山川さんに声をかけて頂きました。ダンスをもっと教育的なものとして、スポーツとしての面をしっかりと確立することが今、大事なことだと思ったんです。10年後の教育現場から、ダンスが消えないように。―ちなみにこの委員会を発足されたのは山川さんとお聞きしましたが、もともとダンスはされていたのですか?山川‥もともと高校の時にダンスに出会い、現在もダンスに関わる様々な仕事を行なっています。ですから勘違いして欲しくないのが、この委員会としてはクラブやヒップホップカルチャー、バトルやミュージカルなど、他のダンス文化を否定しているわけではありません。ただ、教育的なダンスを正しく理解し、普及する、それを行なっている所がないので、やらなければと思ったんです! せっかく我々の大好きなダンスが義務教育のTALK.2日本ダンス技能向上委員会 専務理事山川岳日本ダンス技能向上委員会 大会委員二木利征2つ目の対談はJDSACの事務局長である山川氏と、委員でもありETCダンススクールの代表でもある二木氏が、現状のダンスを取り巻く教育環境についての問題点について語る! また、誰もが知らなかった(?)、〝教育としてのダンス〟、その様々なデータも併せて公開しよう!―ダンス義務教育化における、誤解と真実―その実態。教育とダンス、日本ダンス技能向上委員会専務理事山川 岳◉Prole文部科学省後援事業【日本ダンス大会】事務局長、日本ダンス技能向上委員会専務理事。高校時代にソウルダンスに出会い、ダンスの虜となる。ミズノ株式会社に入社後、スポーツマーケティング一筋、主に国内外のスポーツエンターテイメントや大会マネージメント業務を担当するスペシャリスト。 現在は日本ダンス技能向上委員会を立ち上げ、教育的ダンス普及活動のかたわら、芸王グランプリダンスコンテストのオーガナイザーやセミナー講師の活動も行っている。 我々の命題は、教育的ダンスを普及し、それを正しく理解した指導者を育てること。とは!?小学生から中学校、そして高校、大学、成人(生涯)におけるダンス及びチアダンスの指導者、そして一般のダンサーの技能の向上を目的として活動。また、ダンスの更なる普及、指導員対象技能認定プログラムの開発と普及に寄与。ダンスに関する選手権大会とイベント、情報収集及び発信を通じて、コミュニケーション豊かな社会、楽しさや喜びを共有する社会を目指し、社会に貢献することを目的として2012年に設立。日本ダンス技能向上委員会の活動にせまる!教育的ダンスの普及、そしてその指導者の育成のため、さまざまな活動を行なっている同委員会。その活動の一部を紹介しよう。実技プログラム風景ダンスの指導者を対象に技能習熟度を等級化。習熟度に応じた技能プログラムを講習として提供することにより指導者の技能の向上を図っている。ダンスインストラクター認定プログラム講義プログラム風景フィットネスクラブの経営者向けのセミナーを開催。教育的ダンス、ダンス市場についての講義を行なっている。フィットネスクラブ向けセミナー全国で展開している、全年齢を対象とした『芸王グランプリ☆ダンスコンテスト』の企画と運営をサポート。全国ダンスコンテストの企画、運営サポートPresented by22

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