『SDM』 VOL.40
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部員男女比率1:9(男:女)時代に合わせ、ダンスをアップデートする。―なるほど! 国の指定しているダンスの授業では、ストリートダンスを指定しているわけではなかったんですね! 二木‥ストリートダンスの立場で考えると、「時代に合わせてアップデートしましょう」って世間から言われてるんだと思うんです。「古いものを捨てて新しいものにしよう」ではなくて、時代に合ったダンスをしましょうってことなんですね。別に国や文部科学省がいい悪いって話ではなくて、昔から行なわれてきた「歌や曲、リズムに合わせて身体を動かして、表現する」、そういう事を今の時代にアップデートしましょうってことなんです。それをこの委員会で正しく普及していきたいですね!―確かに踊ること自体は、日本でも多くの人が昔から慣れ親しんできた行為ですよね!二木‥ですから、今の〝ストリートダンス〟を否定しているわけではなく、それぞれの文化や生き様で創りあげられた今のダンスというものを、時代に合わせて1つに束ねる。そのきっかけが義務教育化だった、ということだと思うんですよね。ダンスシーンと教育現場、それぞれに常識が存在する。―ダンスが細分化されている時代だからこそ、〝教育〟という観点で1つに束ねたものが必要だと思います。山川‥そういった流れの中で必要とされるもの、そのキーワードが〝社会性〟です。よくダンサーの方々は「ダンスを国民的なスポーツにしよう」、「次の東京オリンピックで踊ろう」と言われていますが、そこには社会性、つまり〝世の中の人々に認められる〟ということが絶対に必要なんです。―その〝世の中の人々に認められる〟には、何が必要なのでしょうか?山川‥それは教育現場と同じで、公序良俗に反するもの、隠語や暴力的な表現のものではいけません。それが良い悪いではなく、教育現場や社会に認められるには不適格なのです。ですから社会性のない人がクラブやダンスシーンの常識のまま、教育現場に行けば問題になる。―言われてみれば、ダンスシーンと教育現場、それぞれに違った常識が存在していて、どちらかのものがどこでも通用するわけではないですよね。山川‥逆に考えれば、クラブにスーツにネクタイで行ったら空気読めてないってなる場合もありますよね? 社会性を持つというのは、その場その場の常識に合わせるということで、何もどちらかの常識を否定しているわけではありません。どちらも正しい、別にダンサーは教育現場に〝行かなければいけない〟というわけでもないので、行きたくなければ行かなきゃいい。ただ教育現場に行きたいのであれば、時流に乗る、社会性を守るべきですね。私たち委員会の目的はそういうったことを守れる人材を育てることなんですね。学校の代表として誇りを持って臨んで欲しい大会。―では、委員会の1つの大きな活動であると言える『日本ダンス大会』に学校教育現場における、「現代的リズムダンス」の選択状況全国約11,000の中学校のうち、45%にあたる約5,000校がダンス部を設置。なお、私立の女子中学校に限ると、約8割の女子中学校でダンス部が設置されており、年々その設置数は増加している。学習指導要領では、創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムダンスのどれかを授業に取り入れるように指定している(複数選択可)。文部科学省の調査では、半数以上の学校が「現代的なリズムダンス」を取り入れ、教育現場が一番注目している分野であることが伺える。全国の高校では3,600校のうち、69%にあたる2,500校にダンス部が設置されており、中学校での設置割合を大きく上回っている。関東圏に限れば、約1,200校にダンス部が設置されており、もはやダンス部のない学校の方が少数派と言える状況だ。全国の中学校におけるダンス部設置状況TOPIC2全国の高校におけるダンス部設置状況TOPIC3TALK.2さまざまな要素を含む〝ダンス〟は今、時代に合わせることが求められている。各都道府県域内の公立中学校各20校(全国940校)を対象とした抽出調査調査実施期間 平成23年12月~平成24年1月    (文部科学省調べ)運動種目割合学校数創作ダンス48.80%459フォークダンス38.90%366現代的なリズムダンス66.30%623未定5.20%49ダンス部あり55%45%ダンス部なし69%ダンス部あり31%ダンス部なし文部科学省調べ文部科学省調べ※複数回答可―ダンス義務教育化における、誤解と真実―その実態。教育とダンス、日本ダンス技能向上委員会 大会委員二木利征日本ダンス技能向上委員会 専務理事山川岳TOPIC4Presented by24

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