『SDM』 VOL.42
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出演ダンサーは、各作品から1名ずつ選出されたメンバーたち。日常と舞台空間が徐々に融合していくかのように、10分を超える時間をかけて空間を創りあげていく。『BOLERO』作品名オープニングから間髪あけずに続いて披露されたのは、重い病の淵から諦めずに立ち上がる様子を表現した、世界的ダンサーSALAHによるソロパフォーマンス。彼の卓越したスキルと表現力に会場全体が息を飲んだ!『SICKNESS NEVER GIVE UP』作品名若きエネルギーが満ちあふれた、斬新なヒップホップダンス・ライブ! 序盤のニヒルな雰囲気から、巧みな構成力で一気にクライマックスへ盛り上げていく演出で会場の空気を引き込んだ!今回の再演は、やってみて本当に良い経験となりました! 出演ダンサーも約半分は夏のコンテストのメンバーだったのですが、知っている作品をもう一度、はじめから確認しなおし、理解した上で踊れたことには大きな意味がありました。僕もみんなも自信がつきましたし、今までにない達成感と、自分たちがすごく成長できた実感があります! 楽屋では各振付師やダンサーの方々との団結力も感じて、一体感のある公演を開催できたことがとてもうれしかったです!作品名『my EverlastiNg LIVE』 総合演出の伊藤今人によるオープニングは、クラッシック音楽の名曲「ボレロ」を用いた作品。50秒程の主旋律が最初は非常に弱く、15分かけて徐々に強く演奏されていく曲調、さらに曲自体が3拍子という、ダンス作品にとっては珍しい構成だ。 作品の始まりは、客席照明が明るいまま、まるで開演前のBGMのように自然と曲がかかり、4分程経ってようやくダンサーが登場する。そして徐々に曲調が強くなり、客席照明も暗くなっていき、ダンサーの踊りも激しさを増していく。まさに「客席が暗くなって曲がかかったら公演が始まる」という既存の概念を打ち破る演出と言えるだろう。 そして作品のラスト、終盤に向かって激しさを増していった曲が終わり、ステージに照らし出されたのは次の作品の出演者、SALAHの姿! 「事前に作品順を公開しない」というこの公演のシステムを巧みに利用した演出で客席に最大級の興奮を巻き起こし、みごとな公演の幕開けを飾った!伊藤 今人(梅棒)コレオグラファーSALAHダンサー人間は誰でも生きるエネルギーを持っているはずです。「例えどんな逆境でも諦めてはいけない」ということを、ダンスというボディランゲージを通して、会場のみんなで共有したかったんです。だからこそ、ダンスのテクニックを観て楽しんでもらうこともパフォーマーとしては重要だけど、アーティストとしては作品の中の詩的な部分を感じ取ってもらって、記憶に残してもらえればとても嬉しいですね。1人でも多くの人の心に残るようなパフォーマンスを、これからも心がけていきます!コレオグラファーENcounter ENgravers18

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