『SDM』 VOL.42
38/68

 関東地方の42大学54サークル、所属人数約8000人という日本最大級の学生団体、関東大学学生ダンス連盟Σ(以下略:シグマ)によるダンス公演が、今年も更なる進化を遂げて開催された! 昨年度はアーティストライブのステージを思わせるような巨大な舞台セットを組んで来場者を驚かせていたが、今年はなんと本当にプロのアーティストをゲスト招聘し、ダンスナンバーに生演奏をコラボさせたパフォーマンスで来場者を楽しませてくれた! 公演の内容は、ミュージシャンを目指す男女の学生を中心にストーリーが展開されていく。開演のベルが鳴り、いきなり会場のボルテージをマックスに引き上げてみせたのは、オープニングナンバーだ。振付師である黄帝心仙人が1人、花道に姿を現し、人間離れしたパフォーマンスで来場者の心を掴む。 そして幕が上がると、そこにはオーケストラ団員に扮した大勢のダンサー達が、楽器を演奏するかのようなフォーメーションで待ち構える。まさに黄帝心仙人を指揮者とした〝ダンス・オーケストラ〞とでも言うべき圧倒的なパフォーマンスで、公演の幕開けを飾った! 忘れてはいけないのが、ゲストアーティストとして参加したSword of the Far Eastだ。〝ロックバイオリンバンド〞という珍しいスタイルながら、時にクラシックを思わせる穏やかな曲調でジャズナンバーと融合し、時にロック調の激しい楽曲で会場を沸かしてみせる等、豊かな表現力で公演を彩っていた。 そして、各大学ダンスサークルの4年生を中心として振付師によるレギュラーナンバー、シグマのOBを含むプロダンサーによるスペシャルナンバーが続き、公演の後半には思いがけない悲劇が主人公たちを襲う……。 ダンスナンバーと映像、そしてキャスト達の演技により、1つの壮大な青春ドラマが紡がれていく。長い歴史を誇り、毎年、等身大の青春群像劇を描き出しているシグマならではの手法と言っていいだろう。 迎えた公演のラストでは、強く生きる事を決めた主人公の姿で幕を閉じる。出演者たちの心を映すかのようなストーリー、そして強烈なまでに来場者の心に届く情熱的なパフォーマンスの数々からは、誰よりも〝今〞を強く生きる学生ダンサーたちの心意気が伺えた。進化し続ける学生団体、日本最大級の情熱で魅せるダンス公演!関東大学学生ダンス連盟Σ 第23回公演2014.3.14(fri)-16(sun) 戸田市文化会館学生ダンサーたちが奏でる、ダンス・オーケストラ!豊かな表現力が描き出す〝生きる姿〞36取材・文=長濱佳孝text by Yoshitaka Nagahama写真提供=関東大学学生ダンス連盟Σphoto-cooperation by Σ

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る