『SDM』 VOL.43
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 昨年、ストリートダンスの舞台公演として多くの話題を呼び、大成功を収めた『ASTERISK』が再び開催! 出演ダンサーの総獲得タイトル〝100冠以上〞というふれ込みの通り、東京国際フォーラムという大舞台を彩るのは国内屈指のトップダンサー、そして梅棒や黄帝心仙人といった『Legend Tokyo』でもおなじみのコレオグラファーたちだ。 そして、そんな強者ダンサーを総合演出として取りまとめたのが〝ファースト・レジェンド〞としても知られる長谷川達也(DAZZLE)。国内外で活躍する彼ならではの演出で、個性の強い出演陣を見事にまとめあげていた。 そして、物語の内容は、運命に翻弄される兄(長谷川達也)と妹(仲宗根梨乃)の姿を映し出すもの。何より驚かされるのは、全くフィールドの違う、個性の強いダンサーたちのパフォーマンスが違和感無く〝1つの物語を紡ぐシーン〞と成立しているところだ。ただのパフォーマンスの羅列ではなく、孤児院やサーカス、病院に戦場など、実に様々なシーンが観る者にストレス無く紡がれていく。それぞれのダンサーたちのレベルの高さはもちろん、長谷川達也の演出力の高さの成せるワザと言っていいだろう。〝ストリートダンサー〞が主役となり、〝東京国際フォーラム〞という大舞台で2度の開催という偉業を果たした『ASTERISK』。まさに日本のダンス史に刻まれるべきこの偉大なる一歩、次なる展開も必ずやダンスシーンを驚かせてくれるだろう!STAGE REPORTひとつなぎの物語を描き出す 国内屈指のトップダンサーたち、夢の競演!2014.05.09(金)-11(日)@東京国際フォーラム ホールC兄妹が引き取られていった孤児院の院長に扮するのはMIKEY(Vanilla Grotesque)! 強烈な存在感を放っていた。BLUE TOKYOはその巧みなアクロバット・パフォーマンスで、物語の要所で表現にアクセントを加える。兄妹が道中で出会った不思議なサーカス団を表すThink Tank Bang。巧みな演出で実に不気味なサーカス団を表現!もちろんDAZZLEメンバー(+サポートメンバー)も物語の要所で、それぞれのシーンに彩りを加える!黄帝心仙人と言えばこの作品! 巧みなテクニックで〝手術〟のシーンを表し、会場を驚かせた!TATSUO、NAO、當間 里美といったステッパーたちが扮するのは〝看守〟。孤独な兄の心境を浮かびあがらせる。〝JIL Entertainment Gallery〟のパフォーマンスが表現する、妹が男爵と共に参加した華やかな舞踏会。梅棒が担当するのは、妹をあの手この手で気を引こうとする大道芸人のシーン。まさかのマイクパフォーマンスも!?ナイトクラブを彩るのは、仲宗根梨乃、MIKEY、UNO、MEDUSA、矢野祐子、Koharu Sugawaraといった超豪華な女性ダンサー陣!15取材・文=長濱佳孝text by Yoshitaka Nagahama写真=青柳裕久photography by Hirohisa Aoyagi

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