『SDM』 VOL.43
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初開催となった『Legend Tokyo』において、自身の代表作「花ト囮」をモチーフとした作品でみごと〝ファースト・レジェンド〟の座に輝いた!韓国、イラン、ルーマニアなどの海外の名だたる演劇祭に招聘。その独創的作品は、各地でスタンディングオベーションの喝采を受けている!国内の名だたるダンサー&チームを出演者に迎え、1つの物語で紡ぐダンス公演『ASTERISK』の演出を担い、成功を収めた。『Legend Tokyo Chapter.1』レジェンド各国際演劇祭への招聘舞台公演『ASTERISK』演出InformationInformation世界各地で絶賛され、自身の代表作である『花ト囮』が再演! なんとダンスカンパニー単独公演としては初の東京国際フォーラム・ホールCにて2014年9月に開催される!単独公演『花ト囮』を国際フォーラムにて9月に開催!―〝レジェンド〞で優勝されてから国内や海外でも、実にさまざまな活躍をされていますよね! そうですね、僕が主宰しているDAZZLEも結成18年、舞台公演を始めてからは8年が経過していますから、その間に積み重ねてきた事がようやく実ってきた感じだと思っています。〝レジェンド〞優勝もその結果の1つですね!―その〝積み重ねてきた事〞とは何でしょうか? 技術はもちろん、ダンスを〝芸術やエンターテインメントとして価値のある表現である〞ということを世の中に提示できるか!? いわば〝表現の追求〞です。舞台活動もその1つですが、実は〝作品を形として残すこと〞も大事にしているんですよ。 例えばDAZZLEは公演の度にDVDを作成していて、その為には音源もオリジナルのものを制作して臨んでいます! 売上げとしては本番を観てくれた人ぐらいしか買ってくれませんけどね(笑)。ただ、〝作品の記録が形として存在している〞ということが非常に重要で、それは「我々は120分でここまで魅せる事が出来る!」という証明や、〝自分たちを売り込む素材〞としての側面もあるんです。 もちろん、それが実を結ぶかどうかは〝作品が本質的に面白い〞という事が大前提! 苦労して1つ1つ作ってきた作品が、今の自分の活動に結びついていると思います!―では、ストレートにお聞きしますが、その〝本質的に面白い〞作品を創るにはどうしたらよいでしょうか? まず、「視野を広げる」、「客観視する」ということが重要だと思います。ダンスの世界にだけ浸かっているとどうしても〝ダンサー視点の作品〞になってしまいやすい。特にこの大会の主旨のように「誰もが観て楽しめるか?」を考えたら、ダンス以外の分野から刺激をもらって感性を磨く、そしてその感性で自分の作品を客観視して、本当に面白いかどうかを考える。そういった作業をすることが1つの方法だと思いますよ。ダンサー視点だけの作品にしないためには。―振付師として、達也さんは舞浜アンフィシアターの特殊なステージをどう見ますか? まず、振付けには、〝空間をいかに使うか〞、〝観る人の視線をどう動かすか〞という事が非常に重要です。人は思いのほか飽きっぽいもので、同じ所をずっと見ていられない。見続けると飽きてしまうんですよ。そうならないためにも、構成があって、衣装が変わる、場所が変わるなど、色んな要素で視覚的な変化をつける必要があります。 また、あらゆる角度から観られる〝円形状〞という形も、単純に色んな方向を向いて踊れば良いかというと、意識やパワーが分散して迫力がなくなってしまったりする。まさに振付師として、実にさまざまな能力が問われる舞台だと思います!―ちなみにDAZZLEの作品では、実に多彩な方法で小道具が使用されてますが、それはなぜ? 120分という上演時間を考えたときに、こだわれる要素には〝空間や道具〞も含まれます。肉体表現だけではなく、様々な道具で構成することも、視覚的に効果を持たせる演出方法の1つだと思うんです。ただ道具構成は基本的には踊るのには邪魔です(笑)。振付けに制限がついたりして面倒なこともあります。でも、そういった制限が、表現の可能性の幅を広げる側面ももっているんです。―では、審査員として達也さんは作品のどういったポイントを重視しますか? ダンスはもちろん、曲や衣装、小道具や照明など、〝作品の構成要素〞がどう考えられているか!? それらを総合的に見たいと考えています。 個人的には、作品を観て純粋に「すごい」と感動したい反面、同じ振付師としては「そういう発想があったのか!」って悔しい思いもしたい(笑)。 何より素晴らしい作品に出会えるのは幸せなことなので、思いもよらないアイディア、そしてそれを支えるだけの本質的な技術の高さを持った作品に出会えるのを、楽しみにしています!一般的に人は同じものをずっと見ていると飽きてしまう。第1回『Legend Tokyo』にて最優秀作品賞〝レジェンド〟に輝く作品を創りあげ、今や日本を代表するコレオグラファーとして活躍する長谷川達也。海外演劇際への招聘、ミュージカルの振付け、国際フォーラムにおけるダンス公演の演出など、国内随一の振付師の地位を不動のものにしつつある彼。まさに振付けを知り尽くす男が語る〝レジェンド〟大会とは!?『Legend Tokyo Chapter.1』最優秀作品賞〝レジェンド〟に輝く、ダンスカンパニーDAZZLEの主宰であり、日本を代表するコレオグラファー。単独自主公演のほか、国内演劇祭における最優秀賞受賞、韓国・イラン・ルーマニア等の国際演劇祭への招聘、ミュージカル「ドラキュラ」振付けなど、幅広く活躍。2014年9月には国際フォーラムにて単独自主公演の開催が決定している。長谷川 達也DAZZLE主宰振付師/演出家『Legend Tokyo Chapter.1』レジェンド大会ファースト・レジェンドに輝く国際的コレオグラファー!コレオグラファーの視点。〝誰もが観て楽しめる作品〞とは、 多様な視点を理解した感性によって創られる!作品を構成する様々な要素のバランス。そして客観性と斬新なアイディア!29

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