『SDM』 VOL.43
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ダンスモーションUSA 文化大使 選出 (2011)フィラデルフィア文化大使 選出 (2011)コロンビア大学:芸術学 名誉博士号 授与 (2010)ベイツ大学:芸術・人文科学 名誉博士号 授与 (2010)グッゲンハイム・フェローシップ 授与 (2010)アルビン・エイリー ブラックシアター賞 受賞 (2009)グッゲンハイム賞 ノミネート (2009)ウィリアム・シェイクスピア賞 受賞 (2008)マスター・コレオグラフ賞 受賞 (2008)米国アーティスト ・フェローシップ 授与 (2007)ガバナーズ・アーティスト・オブ・ザ・イヤー 受賞 (2007)フィラデルフィア・ロッキー賞 受賞 (2007)アフリカ・ルーテッドダンス、アーツ&カルチャー賞 受賞 (2007)フォード財団 アートグラフィー賞 受賞 (2006)ケネディセンターアフリカ系アメリカ人コレオグラフマスター 授与 (2005)アートアルパート賞 受賞 (2003)フィリー・オブ・ベスト 受賞 (2003)アルビン・エイリー ブラックシアター賞 受賞 (2002)アルビン・エイリー ブラックシアター賞 受賞 (2001)ベッシー賞 受賞 (2001)ローレンス・オリヴィエ賞 ノミネート (2001)フィラデルフィア過去100年で最も影響のある人物に選出 (2000)エスニック・ダンス賞 受賞 (1997)ベスト・オブ・フィラデルフィア 選出 (1984)                     ……他多数◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉◉――ハリスさんがそもそもダンスを始められたきっかけは何ですか? 私にとってダンスは「始まりも終わりもない!」と言えるぐらい、自分でもいつから踊り始めたのかは覚えていないんですよ。ダンスを「出発点のあるもの」と考えることは、ダンスを〝課外授業〞や〝自分の生活外の何か〞と捉えているようなものだと思いますよ!――なるほど、失礼しました! では、なぜストリートダンスについて学問的、文化的な活動を行なっているのでしょうか?  僕が〝教育的な立場にあること〞は、特にアメリカにおける我々アフリカ系アメリカ人(黒人)の創作や表現活動のためにも、とても重要な事だったのです。 なぜなら、アメリカには〝支配的文化〞の歴史があり、いわゆるヨーロッパ系アメリカ人(白人)の企業は、自分たちのコミュニティから関係者を採用し、資本利益のためにそれを商業化していました。 ですから、僕のこの活動により、多くの人に(黒人文化である)ヒップホップの声に耳を傾けてもらえ、我々、ヒップホッパーも正しく管理されたストリートダンスの歴史の一部として、排除される事なく存在できるのです。――そのような活動が認められて、大学から博士号を授与されたのですね! 本当に驚きましたよ! 僕の知る限り、ストリートダンサーとして初めての、驚きの名誉ある授与だったと思います。それも1大学だけでなく、2大学からも博士号を貰えるなんて本当に驚いて言葉になりませんでした! これは僕たちのような「ストリートダンサーでも何でも出来る!」ということの証明だと思っています!――世界各国の大学でストリートダンスの講義をされているようですが、具体的にはどのようなことを教えているのですか? ヒップホップ・ダンスの歴史とアフリアメリカの歴史背景として、とても重要な事。カの伝統的なダンスや文化の系譜を教えています。 僕の講義を受ける前の学生たちは、ヒップホップの歴史をすべて理解している〝つもり〞でいるのですが、ヒップホップの歴史をたどるとアフリカに起源があることを知って、とても驚くんです! 学生たちは講義の後、「自分が大好きな事について何も知らなかった」という事を謙虚に受け止めているように思えますね。――アメリカの国家的プログラムである〝DanceMotion USA〞にも参加されていますが、これはどのような経緯があったのですか? アーティスト委員会が「アメリカの文化的展開に誰が最も良く、役立つか?」という点を考え、我々のカンパニーが選出されたんです。それからさまざまな国に行き、それぞれの地域のコミュニティのために沢山の授業やパフォーマンスを行なったり、地元のB-BOYやストリートダンサーたちと一緒に楽しく踊り明かしたり……。他にも、その地域の人々のために、DJやMC、ダンスチームと一緒にヒップホップのイベントを公園で行なったり、さまざまな活動をしましたね!――その活動の中で、何か印象に残っているエピソードはありますか? 現地の劇場で一緒にパフォーマンスをする予定だったパレスチナ避難民のグループがいたのですが、彼らは検問所で止められ、戻るように言われてしまいました。彼らは無理を承知で一週間、毎日検問所に通い、通して貰えるように努めましたが……、叶いませんでした。そして我々は、このイベントに参加する為に毎日頑張った彼らの努力に対し、ショーをすることに決めたのです。この時の事は今でもよく覚えています。――では、日本のダンサーについて、どのような印象をお持ちですか? 日本のストリートダンサーの熱心さは本当に素晴らしいです。アメリカのストリートダンサーも日本のみなさんのその姿勢から多くを学んでいると思います! そして、日本のみなさんにこれだけは伝えたいのですが、どんなダンススタイルにおいても〝自由〞こそがもっとも重要であり、さまざまな自由があるからこそ、ダンスが生まれる! ダンスの基礎的な動きの習得は自分のスタイルを築くためにもちろん重要ですが、「自分らしさ」を見つけるまでは、それは「踊っている」とは言えないのです!――最後に、あなたの来日を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします! このような素晴らしいイベントに招いて頂き恐縮です。どう感謝を伝えれば良いのか、言葉が見つかりませんが、このような大役に私を選んで下さってありがとうございます! 次の言葉をもって、挨拶とさせて下さい。  〝動くこと〞というのは、現実の最終表現と言えます。つまり、「語る」のではなく、「行動」によってあなた自身の存在が定義されるのです。「行動を起こす」、それこそが自分自身の今を変えることが出来る唯一の方法であり、この考え方で私の人生は変わりました。そしてこの考え方こそがヒップホップ、そしてストリートダンス文化の神髄だと思います!世界各地で行なった、ダンス文化を広める活動!自由があってこそ、ダンスが生まれる!Rennie Harris 経歴一覧の一部〝行動を起こす〞! それこそがストリートダンス文化の真髄だ。photography by Brian Mengini31

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