『SDM』 VOL.43
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取材・文=安江雄彦text by Takepico Yasue大切なものは、ぶれない信念―この1年を振り返っていかがですか? 本当にあっという間でしたね。Tight Eyezを呼んでイベントをしたり、『WORLD OF DANCE』に挑戦したり。1年通して、今までクランプをよく知らなかった人や他のジャンルのダンサーに、俺たちのダンスを観てもらえて、クランプに対する見方が変わってきているのは感じます。 ダンスシーン以外の方にも観てもらえる機会が増えてきたので、ホームページをわかりやすく直したり、企業にプレゼンしに行ったり、次の段階に上がれるように意識して活動するようになりましたね。 ただ、いきなり環境が大きく変わって、メジャーアーティストのようになったりはしていません。逆に〝レジェンド〞で優勝したからといって、すぐに変わるはずはないですよ。別の言い方をすると簡単に変わってはいけないと思います。 怖いのは確固たる信念がないまま〝レジェンド〞で優勝して、祭り上げられてしまうこと。例えば、お笑い芸人さんでも何かのタイミングで名前が売れると、それに振り回されて1年で消費されたりしてしまいますよね。それでも生き残って新しいシーンを築いていく人は、ブレずに自分の目指すビジョンに向かって判断・行動できる人だと思うんです。 長谷川達也さんや梅棒さんも自分たちのスタイルを貫いて着実にシーンを広げて、そこで地位を築きつつある。それは彼らだけじゃなく、高い評価をされる人の多くは自分のスタイルに信念を持っていて、〝レジェンド〞で得たものをしっかり自分の活動につなげています。 単に順位が最終目標だと、せっかくの経験を糧にできないし、結局は自己満足で終わってしまう。それに、〝レジェンド〞ってそういう大会じゃないでしょ!?―〝レジェンド〞に挑戦する価値とはなんでしょうか? 自分の可能性に挑戦する意味で大きな価値があります。ただ、挑戦者の中には、広げる力を持った審査員の方々に〝自分のスタイルを認めてもらう〞という受身的な考え方が多い気がします。 やりたいことだけやって評価されればいいですが、それでは優勝できるはずもなければ、振付けの進化も広がりもない。逆に、「どうやって今までにないスタイルで認めさせるのか!?」を考えるべきです。そうすることで初めてさまざまな視点・切り口で今のスタイルを見つめ直し、自己の表現の限界に挑むことができる。ここまでくれば例え結果が出なくても、それ以上に価値ある経験を〝レジェンド〞で得ることができるはずです! ―〝レジェンド〞に挑む人に、アドバイスをお願いします! 前大会、俺が優勝したことでみんな理解していると思いますが、過去の傾向を見て対策を練ることが必ずしも結果につながるとは限りません。表現に正解は無いですから。自分自身が得意とする信念を持ったスタイルをどう活かし、エンターテインメントとして魅せるスタイルに構築できるかが勝負だと思います! 俺の場合は、ライブでのパワーや見やすさ、盛り上げるタイミングなどが重要だと考え、日頃からよく観ていたEXILEのライブから得たヒントが上手くハマりました!あくまで俺の場合です。ジャパニーズ・クランパー、Twiggzが伝えるダンス道。最終回未来を切り開く、挑戦の軌跡!Twiggzが挑み続けるネクストレベルへの道。彼の1年を振り返る!『Legend Tokyo Chapter.3』に優勝し、〝レジェンド〟として活動を開始。クランプ全国ツアーを開始し、日本各地を訪れクランプを伝授。『KING OF BUCK 5』ではTight Eyezら豪華ゲストも招き大成功をおさめる。日本テレビ系列の朝の情報番組「スッキリ!!」に出演。お茶の間にクランプを届ける。8月『ダンスクコクション』などストリートシーン以外でのゲスト・パフォーマンス10月LAにてTight Eyez主催の「The RAW」、「The REALM」に参加。1月LAで行なわれた『WORLD OF DANCE』に参戦。3冠という快挙を成しとげる。4月9月12月3月3代目レジェンド、Twiggzによる連載もついに最終回! 1年間全6回連載を通してクランプの魅力、未来を切り開くダンス道を伝えてきた彼に、この1年を振り返ってもらった。『Legend Tokyo Chapter.4』開催直前の今、彼が語るレジェンドの真価、そして未来にかける期待とは!?キミのダンス道のヒントがここにある!3代目レジェンド、Twiggzによる連載もついに最終回! 1年間全6回連載を通してクランプの魅力、未来を切り開くダンス道を伝えてきた彼に、この1年を振り返ってもらった。『Legend Tokyo Chapter.4』開催直前の今、彼が語るレジェンドの真価、そして未来にかける期待とは!?キミのダンス道のヒントがここにある!未来のダンスシーンを背負って立つ覚悟のあるもの―― そいつが〝レジェンド〞だ。profileSTREET KINGDOM JAPAN、Twiggz Famのリーダーとしてクランプの普及や発展のために海外との懸け橋を担いながらシーンの最前線で活躍する日本のトップ・クランパー。ツイッグス一般社団法人KOBのHPではKRUMPについてもわかりやすく解説されている。36

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