『SDM』 VOL.44
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Supported by STUDIO DANCE ALIVE『Legend Tokyo Chapter.4』最優秀作品賞〝Legend〟「No War」MemorableMoment 作品平和への祈り。人数が放つ、魂の叫び!この想いを伝え続けるために。磨き抜かれた究極のメッセージ! 「大会史上最大人数での挑戦」、「KAORI、3年ぶりの参戦」等々……。Chapter.1大会で実質2位と言える高評価を獲得し、今や海外の名だたるコンテストでも高い評価を得ているKAORI。その彼女が率いるMMが大会参戦するという情報は大会関係者のみならず、ダンスシーンに大きな衝撃を与えていた。 そんな彼女たちが〝勝負作品〞として出展する注目の作品は、海外で高く評価された作品でもある「No War」。既に幾度も再演され、YouTubeでも公開されている作品であるため、過去の同作品を見た者は「こういう感じの作品になるだろう」と、ある種の〝予測〞を立てていた。 しかし、大会当日、その予測は大きな見込み違いであることに気付かされる。65人という大人数が繰り広げる迫力のユニゾン、流れるように素早く展開されていく複雑な構成はもはやかつて我々が見た「No War」ではない! 〝レジェンド〞という大会に照準を合わせ、究極までに研ぎ澄まされた作品として姿を現したのだ! ダンス作品として究極までに高められた振付けや構成の妙はもちろん、出演者全員が魂から絞り出すような感情表現、そしてまさしく〝一糸乱れぬ〞ラストの全員ユニゾンは、鬼気迫る程に1つのメッセージを観る者に強く訴えかける。瞬きする事すら惜しい程のこの作品が、最優秀作品賞〝Legend〞の座を手にする事は、もはや誰もが納得と言える結果と言えるだろう。 1つの頂点を手にした彼女たち。しかし、「この結果で終わりではない。私たちはこの作品を、メッセージを伝え続けなければいけない」と表彰式で語るKAORIからは、表現者としての誇り高き姿勢が伺えた。18取材・文=長濱佳孝text by Yoshitaka Nagahama

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