『SDM』 VOL.44
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KUJIME作品「Hiphop is…」MAR作品「3年B組RUN MAR学園」の中でも重要なパートを占めていますが、本当に全作品が素晴しかった! 前半の作品を見終えた時点で「もうこれ以上いい作品は出てこない」と思っていたら、その後も次から次へといい作品が出てきて、何度も審査を考え直しました(笑)。僕もまだまだ発展途上中なので、素晴しい経験ができて、とても嬉しかったです。望をお願いします! 何と言っても来年は大会5周年! 今大会は早々にチケットが売り切れてしまって、この大会を「観たいのに観れない」という、ある意味うれしい誤算も生まれてしまいました。もっともっと色んな層のたくさんの人に観てもらって、ダンスの面白さをもっと世の中に広げられる大会にしていきたいですね!―まず、本大会を観て、日本のダンス作品に対してどんな印象を受けましたか? 当然ながら、日本のダンス作品をこんなに観たことは初めてなんですが、一番印象に残ったことは、ダンサーとコレオグラファーの作品に対する貢献度、そして努力ですね。あれはアメリカのダンサーではあり得ない! 一つの作品のために、コレオグラファーがダンサーたちのハートを一つにまとめ、あそこまで努力をして、クオリティの高いステージを創る姿にすごく感動しました!―なかでもどの作品が気になりましたか? Anthony作品の感性はすばらしかったし、ENcounter ENgraversの作品も個人的に好きですね。ナンバーワンがたくさんありすぎて困りました(笑)。 じゅんじゅん作品はテクニックとストーリーのシフトの仕方がすごく巧みでしたね。これはとても難しいことですから、非常に彼の才能の高さを感じました。―ではその中でKUJIME作品を審査員賞に選んだのはどうしてですか? やはり、海外発祥のヒップホップをしっかりと日本人独自の文化に進化させ、新たな表現を創りあげていることですね。そして、出演ダンサーたちからもそのスピリッツがしっかり伝わってきて素晴しかったです!―最後に、大会自体の感想をお聞かせください! 何より、この大会は振付けだけじゃなく、衣装も構成も照明もすべてをコレオグラファーがプロデュースするということが世界的にも大きな特徴を創りあげていると思います! そして、それがどの作品もプロフェッショナルなレベルだったので、本当に驚きの連続でした! 特に衣装は、作品の世界観―全体を通しての感想はいかがですか? まず昨年と比べて、全体的なレベルアップの大きさに驚きました! どの作品も、あの円形状ステージをちゃんと意識して作品づくりをしてきたという印象が高く、加えて照明効果も上手く使えていた作品が多かった!―特に印象に残った作品はありますか? やはり私が1位に選んだavecoo作品や、賞をお贈りしたMAR作品です。私たち「ぴあ」の賞としては、お客さんが理解しやすく、楽しめるものを選ぼうと思っていたので、そういう意味でMAR作品は本当にわかりやすく、誰もがそのストーリーを理解して楽しめる作品だったと思います。 優勝されたMemorable Moment作品は〝完璧〞と言えるぐらい完成度が高かったです。他の作品は「この人は評価してるけど、他の人はそうではない」という事もありましたが、審査員全員が素晴らしい作品として5位以内に挙げていますから、もう圧倒的な結果だと思います!―では、今回参加した作品に何かアドバイスを送るとしたら、どのような事を伝えますか? 去年もそうでしたが、出演メンバーに女性が多い、もしくは女性だけの作品って多いですよね? 女性だけで見せる煌びやかでキレイな作品ってその瞬間はいいなって思えるんですけど、印象があまり後に残らない事が多いんですよ。 演出として単調にならないように、男性ならではの力強さ、女性ならではの表現、そこを上手く融合させるともっと印象的な、面白い作品が生まれると思います。そういう意味では、Anri作品は印象に残すということが非常によく出来ていて面白かったですね!―なるほど! では、共同企画開催社として、今後の展海外発祥のヒップホップを、日本人としてしっかり〝自分たちの文化〟に昇華して作品に体現させたスピリッツ!最もストリートダンスであり、大衆性が高い作品! ストレートに観る者誰もがストーリーを理解し、楽しめる内容だった!ストリートダンスとしての視点。Rennie Harris 〝作品〞を総合的に魅せる世界で類をみない大会! そして、どの作品もレベルがプロフェッショナル!!ダンスシーンにおいて、初めてヒップホップを舞台表現の域にまで昇華させた米国ダンス界のレジェンド。ストリートダンスを文化として広めるため、多角的な啓蒙活動を行ない、米国文化大使やコロンビア大学・ベイツ大学の博士号を授与される。また、舞台作品においても数々の名だたる賞を獲得。世界中のヒップホップ舞台芸術シーンに多大なる影響を与えている。エンタメ文化を広げてきた視点。染谷 誓一作品レベルが前大会よりかなり向上!来年の5周年大会はさらに世に広がる大会に!チケットぴあにおいて関西や東北、北海道など、日本各地の責任者を勤めあげた後、2012年にコンテンツ事業局に異動、後に局長に就任。以後、同局のトップとしてイベント事業の制作や書籍・DVDの制作をとりまとめる。また、2014年には、2代目レジェンドである梅棒の公演を共同企画開催するなど、エンタメ事業における〝ダンス〟の可能性を広げている。 大会審査員長 振付師/演出家/U.S.A.文化大使コロンビア大学 芸術分野名誉博士ベイツ大学 芸術・人文科学分野名誉博士 共同企画開催 ぴあ株式会社コンテンツ事業部 局長ストリートダンスの芸術文化的地位を確立した世界的パイオニア!コンテンツ制作の総指揮者!エンタメ文化を広げてきた「ぴあ」35

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