『SDM』 VOL.46

32/68

1つの作品を追求することによって新しい発見がある！Prole性別を超越した感性を持つ、鬼才オカマ・コレオグラファー。観る者を熱狂させる圧倒的な世界観と創造力を併せ持つ！その進化は留まる所を知らず、『Legend Tokyo Chapter.4』では準優秀作品賞〝セミ・レジェンド〟に輝く。僕、結構言っちゃうタイプですが大丈夫ですか？ハートブレイクな時ほど作品は作りやすい！―Zaesさんは最初にavecooさんの作品をご覧になって、どんな感想をお持ちになりました？Zaes‥多勢の人数を上手く使っているし、振付け自体も斬新なところがあって観ていて楽しいです。僕はヨーロッパでいろんな作品を観ていますが、それでもかなり新鮮でしたね！avecoo‥こんな大人数作品を、しかも異国である日本で創るって大変ではないですか!?Zaes‥確かに未経験なことだし、芸者をモチーフにした世界観もよく知りませんでした。だからこそ、そこを勉強しつつ、新しい作品を創るということは、必ず自分にとってプラスになると思います。　「いつも同じような振付けをするコレオグラファー」にはなりたくない。だからこそ、今回お話頂いた企画にチャレンジしたんです！―ちなみに今まで日本にいらっしゃった事はありますか？Zaes‥過去2回くらいあります。いつも新しいエナジーを受けて、日本に対してはとてもポジティブな印象を持っています！　日本のダンサーはダンスに対してとても真面目に取り組んでいるのを知っていますので、今回もどんなダンサーに出会えるかとても楽しみですね。ちなみにavecooさんはあの作品で、出演者に対してどんな接し方をされていました？　僕は結構言うこと言っちゃうタイプなんです……。avecoo‥ガンガン厳しいこと言いますよ！　日本のダンサーはドMが多いので、厳しくいっちゃって全然、大丈夫だと思います（笑）。Zaes‥僕もエナジーをぶつけていきたいんですよ！avecoo‥偏見かもしれませんけど、私の経験上「海外のダンサーが日本に来て振付けをする」時って基本的に〝ゆるい〞感じの人が多いんですよ。だから「海外のダンサーから厳しく指導される」なんて、喜ぶダンサーも多いと思いますよ！avecoo‥ちなみに変な質問ですけど、パリにはゲイのダンサーって多いんですか？Zaes‥シンガーのバックダンサーなんかはほとんどそうですね（※Zaesの主観です）。フランスではバトルも人気だけど、バトラーの中にもゲイはいますよ（※あくまでZaesの主観です）。コレオ系より少ないですけどね。日本ではどうですか？avecoo‥多いかどうかは分からないですけど、確実にそういったダンサー層はありますね。Zaes‥では先生がオカマだったら、生徒にもオカマのダンサーが集まるんですか？avecoo‥いや、女の子ばっかりですね。私の叱責にも耐え抜く、いじめられたがりの女の子ばっかり集まります（笑）。Zaes‥なるほど、今回の作品にはオカマやノーマルに限らず、色んな個性の人が集まってくれると思うから、1人1人の個性が輝くような作品にしたいですね！　例えば、カッコイイ子やカワイイ子が来てくれたら、ファッションショーで培ったテイストを取り入れたりして個性を輝かせたいです！―ところで、そういった作品創りのアイディアはどこから浮かんでくるのですか？Zaes‥その時の気分によりますね。社会的に大きな事件が起きたり、彼氏と別れた時など、特に心が激しく動く時にはいろんなインスピレーションを受けます。avecoo‥それめっちゃわかる！　あたいも失恋した時とか落ち込んだ時によくアイディアが浮かんでくるんです！Zaes‥寂しい時やハートブレイクな時って結構作りやすいですよね！　その時の気分を反映するというか……ちなみに「阿部魁」のラストって、ハッピーエンドではないですよね？avecoo‥そうです、主人公は自殺してます。あたいも色々と時代背景を勉強しましたが、Zaes Mazaoがカバーするのは『Legend Tokyo Chapter.4』オーディエンス投票1位に輝いた、日本が誇る鬼才オカマ・コレオグラファーavecoo快心の名作「阿部魁」！　そして挑むZaes Mazaoも何を隠そう実はゲイだという。あわせてここに史上初の日仏オネエ・コレオグラファー対談、実現！パリの振付師が日本の作品のカバー・バージョンを制作!!「名作」の進化に挑む！『FINAL LEGENDⅢ』特別企画！30