『SDM』 VOL.49
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 KARIaliveが振付け担当した宝塚歌劇団の最新公演「1789」は、2012年にフランスで初演されて以来、多くの再演を果たしている大ヒットミュージカル。日本初披露となる宝塚版は、小池修一郎氏が潤色・演出にあたり、新しい「1789」として開催された! 物語の舞台は1789年のパリ、フランス革命に翻弄される様々な立場の人間模様を描くもの。官憲に理不尽に父親を銃殺された平民の青年ロナンは王太子養育係であるオランプと秘された恋に落ち、そして当時の王妃マリー・アントワネットも他国将校との不義の恋に身を落とす。対立する2つの組織の〝許されぬ恋〞を描くことで、来場者を耽美かつ重厚な世界観へと誘っていた。 その作品の世界へ没頭させるのは、出演するタカラジェンヌたちの表現力はもちろん、原作からの潤色を手がけた小池修一郎氏による手腕も大きい。物語との関連性が薄い原作のミュージカルパートの歌詞を、極力物語の内容にリンクさせ、ドラマ性をより強調することに成功しているのだ。フランスを熱狂させた情熱のミュージカル、日本初上陸!昨年の『Legend Tokyo Chapter.4』において、宝塚歌劇団の演出家、小池修一郎氏に認められ、4代目レジェンドであるMemorable MomentよりリーダーのKAORIalive(以下略:KAORI)が振付家として抜擢! 彼女が振付けを担当した最新公演の様子をレポート!取材・文=長濱佳孝text by Yoshitaka Nagahama写真=坂口潤哉photography by Junya Sagaguchi2015年6月19日(金)―7月26日(日)@東京宝塚劇場かんぽ生命 ドリームシアタースペクタクル・ミュージカル―バスティーユの恋人たち―KAORIalive、宝塚歌劇の振付家に大抜擢!INTERVIEW withKAORIalive(Memorable Moment)いうのはよく聞きますね……。 振付家も色々なタイプの方がいて、「フリを渡したらそこで自分の仕事は終り。あとはその人がそのフリをどう解釈して表現していくのか」という考えの方もいらっしゃいます。でも私は、「フリを渡してから本番に臨むまでの全てが振付家の仕事」という考えなので、出演者のみなさんが本番に自分の思うパフォーマンスができなかったとしたら、私の責任だと思っているんです。―それでは、KAORIさんが振付けされたシーンの感触としては……? そこはやはり宝塚歌劇の皆さんはすごいと思いましたね! 最初にフリを落とした時は正直、どうなることかと思ったんですけど、次のリハの時にはある程度できている。それぞれのシーンの中で仕切る人がいて、しっかりと自分たちで消化している。本番もとても素晴らしくて、本当「踊ってもらってありがとうございます!」って思えるぐらい、振付家冥利に尽きるものでした!宝塚歌劇のコレオグラフとは!?―最初に小池先生からオファーが来た時はどんなお気持ちでした? ミュージカルの振付けの経験が今までなかったので、出来るかなという不安はありました。ただ、小池先生は本当に〝巨匠〞なので、そういう方のそばでお仕事ができるというのは純粋にありがたいなと思いましたし、絶対勉強になると思ったので、すぐ返事をしました!―宝塚歌劇の振付けをされて感想はいかがですか? 私はもともと作品を創るのは早いんですけど、創ってから人前に出すまでの時間が結構かかるんです。フリを落として、そこから〝練る〞という作業が好きというか、自分が創りたいものに対して時間をかけるタイプで。そういうやり方を続けてきた中で、今回は……というか、芸能関係の振付けはどこもそうだと思いますが、結構タイトなスケジュールで仕上げないといけないのが今までになく大変でした。―確かに芸能関連のお仕事だと、スケジュールがタイトとタイトなスケジュールの中、表現を自分のものにする宝塚に感服!14

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