『SDM』 VOL.49
32/68

―まず、KREVAさんは他のアーティスト・プロデュースなどもされていますが、それはどうしてでしょうか?  単純に〝作品を創ることが好き〞だからですね(笑)。  振付師の方も「いい動きを思いついたけど、これは自分じゃない。女性向けだな。」と感じることがあると思うんですよ。それと同じで、自分から出てきたメロディに、他人の方がハマったとしたら、それを溜めておくだけじゃただのストックになってしまう。だから、より使ってもらうためにプロデュース活動も行なっているんです。―そうなんですね。そうやって創り手としてもKREVAさんはヒップホップを大衆に広めることに成功していらっしゃいますが、どんなことを意識されてきましたか? 自分が歌詞を創るときによくする話なんですけど、「みんなにウケる」という意識だけだとすごい薄いものができると思うんです。例えば人が魚だとして、網を「みんなに届け」って投げても1個1個の目が大きかったらそこからどんどん人が逃げていく。でも自分が作ったものの濃さ、目の細かさを維持したまま、めっちゃデカい網を投げることができたら、小さい魚から大きい魚まで全部取れる。  つまり自分のスタイルを貫きながらも「どうやってそのまま広げるか?」そして「自分の中でそれが何なのか?」を見極める力が必要だと考えています。―本大会の主題となる〝作品で競う〞ことについてはどのように感じられましたか? これ、絶対必要なことですよね。自分も昔『B-BOY PARK※』が誕生したとき、「ついに俺のための大会ができた!」と思いました。やっぱりメジャーに上がるとアンダーグラウンドからは「あの人は違う、技術がない」かのように言われたりしますよね? だからこそ「ここで勝てば俺が一番だと証明できる」と熱くなりました。「みんなにウケる」は考えない。「自分を広げる」ことを考える。 振付師の皆さんもこの大会で勝つことによって、周りの評価関係なく〝自分が一番〞だと証明できる。それがシーンの発展にとってすごく大切なことだと思います。―「では、本大会ではどのような視点で作品を観ますか? お話を頂いたときは、仕事に活きそうだとか、俺のショーに選ぶなら……とか、自分なりの視点を出さなきゃという強い気持ちがあったんですが、大会コンセプトを聞いて〝ストリート=大衆文化〞として位置付けているんだとしたら、今は素直に自分がいいと思ったものを選ぶことだと思っています。 あと自分ならではの特徴として、横浜アリーナのステージ側に立った経験がある審査員でもあるので、その感覚も重要にしたいと思っています。―横浜アリーナのステージで、観客を盛りあげるのに必要なことは何でしょうか? 横浜アリーナって何回立っても「デカイ!」って思うんですよね。だからこそ会場の一体感を生むことが非常に大切だと思います。遠いところの人を遠いと感じさせない、パフォーマンスなり演出が必要でしょうし、この大きさの場所で作品を披露するとしたら「どう、お客さんを巻き込んで魅せていくか?」という意識も重要だと思いますよ。―貴重なご意見ありがとうございます。では最後に、どんな作品を期待しますか? 振付師の皆さんそれぞれ、いろんなことを考えてくると思うんですけど、自分は逆にシンプルに魅せることも重視したい。実は、それこそが〝大衆の目〞に近いと思うんですよ。 こういう大きい大会では、よく自分のすべてを詰め込みたくなってしまう。しかし、MCバトルでも言いたいことひたすら早く言うだけじゃ伝わらない。それと同じで、ダンスも派手なムーブよりも動かない部分が重要になってくると思うんです。いかに間を持たせられるか? ピタッと止まれるか? その分、次の動きがカッコ良くなる。そんな勇気を持って〝間を持てる作品〞も期待します。※B-BOY PARK……毎夏、代々木公園にて開催される、ブレイキンをはじめMC、DJバトルなどのコンテンツを含んだ、国内最大級のヒップホップ・ブロックパーティ。詰め込みすぎては伝わらない。逆にシンプルな方が伝わる。ソロデビューから10周年の軌跡を凝縮したKREVA究極のベスト盤が登場! 人気曲&超名曲を完全収録されている!ソロデビュー10周年に開催されたツアー。前半戦は3人体制のライブハウスツアー、後半戦は5人編成のホールツアーと異なるライブを全53公演披露!2011年、2014年には、演劇・声優など各界の人気プレイヤーが、KREVAの楽曲で舞台を紡いでいく音楽劇を開催。出演、音楽監督を務める。音楽アーティストの視点ヒップホップ・ミュージック界の最前線を走り続けるトップ・アーティストKREVAがジャッジに就任! 彼の活躍は非常に多岐にわたり、自身のアーティスト活動はもちろん、数々の楽曲提供やステージも手がけるプロデューサーとしても名高い! ストリートからメジャーまで精通するジャパニーズ・ヒップホップの〝レジェンド〟が綴る貴重なメッセージとは!?ヒップホップ・アーティスト音楽プロデューサーKREVA10th ANNIVERSARY 2004-2014BEST ALBUM「KX(ケイテン)」47都道府県ツアー「UNDER THE MOON」KREVAの新しい音楽劇 「最高はひとつじゃない」メジャー・シーンにて「KICK THE CAN CREW」として活躍しながらも、『B-BOY PARK』のMCバトルにて3年連続優勝を果たす日本を代表するヒップホップ・アーティスト! ソロ活動を中心に、プロデューサーとしても多くのアーティストをヒットに導く。自身の曲で構成された音楽劇や、ミュージカルの日本語歌詞を手掛けたりと、クリエイティブにも精力的に活動中!Job FilePROFILE日本のヒップホップ・ミュージックを大衆に広げたトップ・アーティスト!ソロデビュー10周年イヤー『908 FESTIVAL』開催!9月08日を〝908-クレバの日〟と称し、毎年ライブイベント等を展開! 2015年は8/26、27大阪フェスティバルホール、9/7、8日本武道館で開催!自分がどうあり続けるか? それをシンプルに伝えられる作品!10どんなメジャーな仕事をしたって、ここで勝てば自分が正解だって証明できる!30

元のページ  ../index.html#32

このブックを見る