『SDM』 VOL.51
20/68

eginningBJun 50th Anniversary solo Act2015年10月16日(金)-18(日) @新宿・THEATER BRATSinformation!JUNが主宰するパフォーマンス・ユニット「Blue Print」!!毎年、さまざまな舞台公演を精力的に開催中!http://www.blueprint-bp.comStageReportストーリーの幕開けは、ニヒルでスタイリッシュなパフォーマンスで来場者を惹き込む!振付けを考える彼の日常にナレーションを交えながら、若き日に抱いた葛藤が等身大で演じられる。焼き鳥屋でアルバイトをしながらダンスを学んでいたL.Aでの様子をコミカルに表現!留学中の想いを、さまざまなダンススタイルを巧みに織り交ぜた感情表現で響かせる。多ジャンル習得後、自身の方向性を固めたカポエィラの劇的な出会いをソロ表現。当時のレア映像とリンクしながら、90年代に活躍した彼のチーム「GYPSY」を再現!ホストクラブ時代の〝ひとり少年隊〟。振付完コピに会場は笑いと拍手で大盛りあがり!コミカルな表情でさえもスタイリッシュ! まさに熟練した巧ならではのパフォーマンス!50歳をむかえ、ダンサーは どこに向かうべきなのか?シーンのパイオニアが伝える 渾身のソロ・メッセージ。 80年代のヒップホップ創世記より、最前線を切り拓き続けてきた日本ストリートダンス・シーンのパイオニア、JUN。彼が50歳という人生の節目を機に、自身の生き様と軌跡、そして未来を表明する意欲的なソロ公演を開催。50歳になる―ダンサーもこれから誰もが体感するであろう未来に対して、まさに先駆者ならでは希望あふれる世界をみせてくれた! 会場には彼に憧れる若きダンサーをはじめ同世代の業界関係者など幅広い年齢層が来場。すべての回が満員御礼となり、開演前から期待の大きさがうかがえる熱気に包まれていた。 公演の内容は、彼が振付師として産みの苦しみと闘う現在を主軸に、彼自身によるナレーションに沿いながら、ダンスと芝居、映像を交えて彼のダンスのルーツをテンポよく紐といていく。踊り始めたキッカケから、日本にカポエィラを伝承したこと、数々の有名アーティスト振付けをするに至るまで……。絶妙なタイミングでコミカルな笑いも取り入れ、それらが長年、数多くの舞台を創りあげてきた彼ならではの計算され尽くした高い演出力で繰り広げられていた。 さらに、要所で見せる衰えを感じさせないダンスも、ストリートに限らずジャズまでをも優雅に踊りこなして魅せる! まさに成熟した大人だけが魅せることのできる、今までにない公演となっていた。「自身のダンスジャンル=自分」とJUNは言う。いくつになっても、歩けなくなっても踊り続けたいという純粋な想いと感謝の気持ちを込め、等身大で魅せた渾身のパフォーマンス。改めて来場者たちの心を掴み、これからの〝Beginning〞に大きな期待を与えてくれた。熟練の巧ならではの    洗練された演出と熱き想い。18取材・文=飯塚徳子text by Tokuko Iizuka写真=池田永一photo by Eiichi Ikeda

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る