『SDM』 VOL.51
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北野武×HIDEBOH、12年ぶりのコラボレーション!日米トップダンサーによるリズムタップの豪華響演!2015年10月30日(金)-11月15日(日)@銀座・博品館劇場 2015年の『Legend Tokyo』にてみごと準優秀作品賞〝セミ・レジェンド〞に輝いたタップダンス界のパイオニア、HIDEBOHが北野武原作による舞台公演に主演!〝HIDEBOHありき〞でプロデュースされ、長年温めてきたというこの作品は、ミュージカルでもストレート・プレイでもない、タップダンスがストーリーを担う重要なツールとして展開される、まさに彼ならではのステージであった。 共演者も、本場ブロードウェイにてアーバンタップを進化させ、長年活躍し続けているタップダンサーのTamango、そして日本を代表するミュージカル女優の島田歌穂という豪華布陣! 物語の舞台は、太平洋戦争中の南太平洋にある孤島。そこに取り残された日本兵と漂流してきた米兵が敵国同士、言葉が通じないという状況ながらもタップダンスを通して心の交流を描くというストーリーだ。 まずは、HIDEBOHの演技力と歌唱力の高さに驚かされる。滑舌の良い台詞の言い回しとアドリブを取入れた絶妙な間で話が進み、英語の台詞のみのTamangoとの掛け合いがテンポ良く展開していく。クライマックスは、長年の時を経て再会した2人がタップを繰り広げるブロードウェイのショーステージ! 軽快なタップ音と身体の奥まで浸透していく心地よいリズムで圧巻の豪華ショータイムを繰り広げた。 タップダンスは、史実的にも戦前から世界に広まったダンスである。その歴史を活かし、「ダンスは世界共通言語であり、戦時中の敵国同士の兵士の心をもつなぐ!」というメッセージを、まさに〝タップでしかできないこと〞として舞台化して伝えてくれた。記者役の島田歌穂は、ストーリーの要所をわかりやすく紡ぐべく、語り手としての重要な役どころを担う。ダンスは戦争を越える! 戦時中を舞台に描かれた日米兵士の物語。STAGEREPORT物語は記者役の島田歌穂が、ブロードウェイのトップスターとして活躍するTamangoへのインタビューから始める。同じく無人島に漂流してきた米兵役のTamango。敵対していた2人だが、次第に交流を深めながら友情を育んでいく。始終英語のみで話すTamangoに対し、言葉が通じないながらもアドリブを入れながら和やかに向き合うHIDEBOH。タップはもちろん、HIDEBOHの役者としての技量、さらには歌唱力の高さにも驚かされる!フィナーレでは、日米リズムタップ界のトップダンサーによる圧巻のショーステージにより、劇場全体が舞台と一体化していく!ストーリーの鍵となる無人島で2人がタップを学びあうシーンでは、紗幕を使ってテンポ良く盛りあげる!戦時中における大日本帝国海軍少尉として登場するHIDEBOH。対戦中の不運から無人島へ漂流してしまう。にくFOOTSTEPS IN THE PACIFIC取材・文=飯塚徳子text by Tokuko Iizuka19

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