『SDM』 VOL.52
33/60

KAORI‥全然あるよ! 作品って創った時の自分が反映されているから、昔の作品見て「この時の私って大概やな」って思ったりする(笑)。昔の自分の写真見て「なんだこのファッション」って思うのと同じ感覚ですかね。ただ逆に、昔は「もう見たくない」って思った作品でも、今見ると「思ったより悪くないな」ってこともあります。――なるほど、過去の作品の再演って、一筋縄ではいかないんですね……。KAORI‥そうなんですよ、特に今回の関西公演はChapter.1や2に出展していた5年くらい前の作品も多いんですが、今では結構、作風が変わっている人もいるので、私も楽しみにしている部分もあります! その人の今の感性でどう再構築されるんだろうって!――関西公演の見所とも言えますね! では全体的な見所を……というか、今回の副題の「ELEC-TRIC KALEIDO JAPONESQUE」とはどういう意味なのですか?Seishiro‥今回は関東と関西でそれぞれ公演を行ないますが、「公演全体の統一コンセプトは同じで、中身の出展作品がそれぞれ違う」というカタチになっています。その統一コンセプトがその副題のことなんですよ。――具体的にはどのような〝統一コンセプト〞なのでしょうか?Seishiro‥ベースとしては日本の様々な伝統美や極彩美(JAPON-ESQUE)があって、でも単純な〝日本らしさ〞というわけではなく、エッセンスとしてEDM(ELECTRIC DANCE MUSIC)や現代アートを重ね、少し捻った美しい空間で魅せたいと思っております。KAORI‥Seishiro君が考えたそのベースについて話し合っていた時に、私の方から万華鏡(KALEIDO SCOPE)みたいに、「少し見る角度を変えたら絵がどんどん変わる」というコンセプトが、いろんな作品が集まって見え方が変わっていく……という、このファイナルにいいんじゃないかと思って提案させていただきました!Seishiro‥さまざまな日本の伝統美を、私たちなりのエッセンスを加えて現代的に見せたいという感じですね!――舞台セットの方も今までとはかなり違った感じになるんですよね?Seishiro‥複数のLEDパネルを舞台上に設置するものになります。例えば世界観をより表すために大道具的なものを設置しようとしても、色んな作品が集まるファイナルで1作品ごとにそれをやっていては舞台転換の暗転に時間を取り過ぎてしまって、お客さんが飽きてしまいます。でも、今回のセットだと、LEDで大道具的な背景を創ることができるんです。それがよくある「一番後ろに大きなスクリーンが1つだけある」という環境じゃなくて、舞台上に複数のLEDパネルが点在しているから、自然と映像と舞台が融合できるんですよ!――そうなんですね! 他に何か、今言える見所はありますか?KAORI‥舞台セットのLEDもそうですけど、ストーリーテラーとして登場していただくCHIGUSAさんのコスチュームとヘアセットにも注目して欲しいです。パリコレや海外のオペラでも仕事をしている、世界的な衣装とヘアセットのアーティスト・チームに手がけてもらうんですよ!Seishiro‥この公演を象徴するイメージになりますよね。本当に今回のファイナルでは、今までの〝レジェンドっぽさ〞を消したいと思っています。より繊細でクリエイティブな……、今までと違うものをお見せしたいですね!KAORI‥東西で分かれて公演を行ないますが、こうやって何回も顔を合わせてディスカッションしています。私もSeishiro君も繊細なものが好きなので、この2人が形作る今回の公演は今までのダンスシーンとしても、〝レジェンド〞としても、今までにないものをお見せできると思います!(写真左)衣装:大野 知英(heterophonic Dada)、ヘアメイク:歯朶原諭子(heterophonic Dada)〝レジェンド〟ではおなじみのCHIGUSAが、今回はストーリーテラーとして公演を象徴する重要な衣装で登場する!日本の極彩美を、現代的な見せ方で演出!〝レジェンド〞っぽさを消したい!日本の極彩美を、私たちのエッセンスを加えて現代的に演出します!Prole『FINAL LEGEND Ⅳ』関東公演芸術監督横浜アリーナで開催された『Legend Tokyo Chapter.5』最優秀作品賞〝レジェンド〟を獲得。ジャズやヴォーギング、コンテンポラリーなどを取り入れたオリジナルのスタイルが持ち味であり、名だたるアーティストのバックアップや振付けを数多く担い、今最も勢いのある振付師として活躍している。東西公演 芸術監督対談31

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る