『SDM』 VOL.54
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 4年目の開催を迎えた『FINAL LEGEND』、今回の大きな特徴は〝9面LEDパネル〞、そして〝東西開催〞といった2点と言えるだろう。この2点の物理的な特徴をまとめあげる、公演の全体テーマが「和とモダンアートの融合」だ。 日本の文化を見つめ直し、それを現代のストリートダンスと融合する……、それは単純に〝和〞をテーマとした作品を創ることではない。日本の伝統文化である歌舞伎を体現する歌舞伎パフォーマー「雅屋」伊右衛門や、最新鋭の発光機材を駆使した光のパフォーマンス集団「かぐづち」など、ダンス分野以外のゲストパフォーマーも加わり、まさに多様な魅せ方をもってステージを雅やかに、そして煌びやかに彩るのだ。 また、公演の要所には、『Legend Tokyo』でもおなじみのMC、Chigusaが登場する。その役割は単なる〝MC〞ではなく、世界的なトップクリエイターたちによる衣装とメイクが施された姿で「公演の世界観の一部」のストーリーテラー。公演の作品にちなんだ日本文化に関する深い知識を来場者に語りかけ、エンターテインメントの公演ながら、どこかアカデミックな雰囲気を漂わせる斬新かつ繊細な世界観を創りあげていた。ストーリーテラーChigusa同じく伊右衛門による〝助六〟「雅屋」伊右衛門による八岐大蛇日本文化、再発見。特集レポート『 FINAL LEGEND IV ELECTRIC KALEIDO-JAPONESQUE 』18

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