『SDM』 VOL.54
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ダンスオンリーで無い、演出面での進化を感じた! 全体的な印象として、前大会と比べてクオリティは上がったと個人的には思っています。コレオグラファーの方々がそれぞれ慣れてきたというか、〝研究してきている〞ということを感じました。ストーリー仕立てのものもあり、ダンスオンリーではない作品もとても多く、特に演出面を強化されていましたね。 優勝したWVEに関しては、音のとり方というか、音楽の取るニュアンスってのが新しいと思いました。「この音に対してこういう風に表現するんだなぁ」と感心しましたし、ダンス自体のクオリティはもちろんあって、さらにリズムの取り方が今までに観たことのない新しさがありましたね! 審査員賞のXSPACEは、非常に抽象的な作品、モダン的な作品だと思いました。惜しいなと思ったのが、もう1つか2つ、何かアイディアや展開の深さがあった方がよかったと思います。どこか観たことのあるモダン的な作品、という印象もありました。 〝レジェンド〞で優勝する人って恐ろしい個性を持っている方々だと思います。振付けとか構成のクオリティが高いのは当たり前で、「何を表現しているのか?」が、世界観と深さがないとどうしても浅く見えてしまう。特にそこが本戦では大事になってくると思うので、この2作品は頑張って欲しいです! 何ものにも似ていない〝オリジナリティ〞が必要! 優勝されたWVEは、率直に新しい見せ方だと感じました。今までにないオリジナリティがあふれていて、〝レジェンド〞の本戦でも見たことの無いタイプの作品でしたね。 作品の始まり方も、見ていてグッと引き込まれる作り方をしていましたし、そこで引き込んでから最後まで観る人の意識を掴んでいたと思います。私はこういったコンテストでは常に「最初20〜30秒」の〝つかみ〞が大切だと思っています。それを改めて強く実感しました。 また、審査員賞のXSPASEは、後半のフェッテのユニゾンに驚きました。ソロや少人数ではなく、全員でのフェッテは 回転のタイミングが揃いにくく、リスクがありますし、体力と集中力の切れやすい作品の後半にそのような構成を持ってくるのはすごくハイリスク。それを見せきれるのはスキルが高い証拠ですし、同時に自信の表れとも感じましたね。 全体的には、やはりこのような競い合う環境では、何ものにも似ていない〝オリジナリティ〞がないと、他の作品から抜きんでるのは難しいと思います。 私も審査していて自然と「新しいもの」を求めている自分に気付きましたし、そういう意味でも、賞を受賞されたWVEとXSPACEにはそれぞれ〝新しさ〞を感じました!『Legend Tokyo Chapter.5』準優秀作品賞〝セミ・レジェンド〟受賞コレオグラファー『Legend Tokyo Chapter.5』準優秀作品賞〝セミ・レジェンド〟受賞コレオグラファー『Legend Tokyo Chapter.4』最優秀作品賞〝レジェンド〟受賞コレオグラファー『Legend Tokyo Chapter.4』最優秀作品賞〝レジェンド〟受賞コレオグラファー審査員にインタビュー!KAORIaliveKAORIalive(Memorable Moment)(Memorable Moment)HIDEBOHHIDEBOH(LiBLAZE)(LiBLAZE)大会プロデューサー&ルール監修大会プロデューサー&ルール監修整然と整えられながら、かつどこかインプロ的な雰囲気を漂わせた作品。斬新な世界観を高いスキルで見せきり、みごと優勝を果たした!WVE時間と空間を悠々と使うかのような作品の始まり。作品後半のフェッテのユニゾンは、高いレベルと自信の成せるワザだ。ストレートなジャズ作品ながら、個々のスキル、構成、立ち振る舞い、その全てがハイレベル! 審査員賞を獲得し、みごと本戦へ!XSPACE優勝審査員賞(振付師:Cai Xiaoqiang)45

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