『SDM』 VOL.55
15/52

TETSU TAOSHITAの受け渡しなど随所に登場するチビモノクマたちは、顔面を左右白黒に塗り無表情ながらも、愛らしくも不思議な動きや仕草で独特の存在感を放っていた。非現実的なシーンを、映像や特殊効果をあえて使わず、チビモノクマたちの身体表現だけで演出しきるという挑戦が、観る者の想像力を掻き立て、舞台ならではの面白さとライブ感のあふれる空間に昇華させていた。 原作の強烈な世界観が完全再現された上に、Zoo-Zooの創造する独特な空気感がみごとにハマり、唯一無二の舞台へと進化した今回の舞台。観覧に訪れた原作ファンたちをも魅了する、新たな可能性を感じさせる公演であった。Zoo-Zooに対する固い信頼。その訳とは―INTERVIEW with田尾下哲脚本・演出さんとの仕事は最高でした。演出家として私がアイデア、イメージを彼女に伝えて稽古を進めていくのですが、こちらの意図を読み取る能力が高く、アイデアの発展、代案の提示も含めて、実にクリエイティブでした。私の想像を超えたシーンも沢山あります! スタッフもキャストも、みんな驚いていました。本当にやりやすい上に、多くの刺激を受けることができて、大満足の舞台になりましたね。―今後、どんな振付師やダンサーと、どんな舞台を作りたいと思いますか? 人間の身体でしか描けない表現を得意とした方と、お客様の想像力を借りながらストーリーを描いていくような舞台を作りたいです。今回のZoo-Zooさんとのお仕事は、本当に私にとって大きな意味を持つもので、どれだけ賞賛してもし過ぎではありません。そんな出会いをいただいた『Legend Tokyo』に心から感謝していますし、今後も素敵な才能が発掘されていくことを楽しみにしています!―この舞台にZoo-Zooさんを起用した理由はなんですか? 『Legend Tokyo Chapter.5』で特別選定員をさせていただいた際に、大人数のダンサーを使う作品が多い中、アリーナの巨大なステージに20名に満たない人数で挑み、1人ひとりの個性を大切に物語性のある振付けをしている技術、そして作品の世界観が目に留まったのです。「私が描いていた舞台のイメージに活かせる。いや、そのままハマる!」と確信したので、一緒に舞台を作ろうと賞を贈り、起用することを決めました!―実際にZoo-Zooさんとの仕事はいかがでしたか? まず大前提として、Zoo-Zooクリエイティブで最高の仕事ができた。高い能力と無二の感性に心から敬意を!次回作が既に決定!!スーパーダンガンロンパ2THE STAGE~さよなら絶望学園~ 2017http://www.cornflakes.jp/dangan/2017/東京公演:2017年3月16日(木)~3月26日(日)@Zeppブルーシアター六本木大阪公演:2017年3月30日(木)~4月2日(日)@森ノ宮ピロティホール公式サイト/▲〝しずちゃん〟こと、山崎静代(南海キャンディーズ)演じる超高校級の格闘家、大神さくらなど、超高校級の才能を持った登場人物たちは、個性も超高校級!バリエーション豊かなキャストの紹介シーンでは、チビモノクマたちが各々のキャラクターに合わせて、アンサンブル的演出をテンポよく展開していく!犯人のアリバイ証明が行き詰った場面で、本郷奏多が演じる超高校級の幸運、苗木誠が弾丸のごとき推理で、真犯人を論破する!モノクマとその化身であるチビモノクマ、そして謎の黒幕により、さらに追い込まれていく主人公たちは無事に卒業できるのか!?舞台となる『私立 希望ヶ峰学園』に集められた主人公たち。極限の状況の中で事件が起こっていく……。神田沙也加が演じる超高校級のギャル江ノ島盾子に踏みつけられているのは、物語のカギを握る重要キャラ〝モノクマ〟。事件の真犯人を「学級裁判」で決定し、「おしおき(=処刑)」していくことで、監禁生活からの卒業を目指していく。©平岩亨13

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る