『SDM』 VOL.55
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ぴあ株式会社執行役員にインタビュー!この抜擢を企画した、『ダンガンロンパ』のように、『Legend Tokyo』より新たな才能を抜擢し、公演振付けをお願いする―。この企画を実現させたのが、日本のエンタメ文化の拡大に寄与し続けている「ぴあ」の執行役員、染谷誓一氏だ。同社の中でも〝制作部門〟のトップとしてエンタメを見据え続けてきた彼が、日本のダンスの可能性を語る!染谷 誓一「チケットぴあ」において日本各地支局の責任者を勤めあげた後、2012年にコンテンツ事業局の局長に。以後、同局のトップとしてイベント事業の制作や書籍・DVDの制作をとりまとめる。2015年には事業統括本部・担当副本部長、株式会社東京音協の代表取締役に就任。エンタメ・コンテンツ制作を中心に同社が関わるさまざまな事業を多角的に企画・統括している。Interview!コンテンツ制作の総指揮者!エンタメ文化を広げてきた「ぴあ」、ぴあ株式会社 執行役員事業統括本部 担当副本部長株式会社東京音協 代表取締役斬新なZoo-Zooの振付けで大好評を博した『ダンガンロンパ』!斬新なZoo-Zooの振付けで大好評を博した『ダンガンロンパ』!2013年から新木場・若洲公園を舞台に野外音楽フェスティバル「METROCK」を開催。2016年には東京に加え大阪でも実現! 7万人を動員した。ステージ・エンターテインメントを届けてきた「ぴあ」がついにダンスシーンに進出! 2015年より『Legend Tokyo』東日本提携大会として開催!TOKYO & OSAKAMETROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2016TOKYO DANCE STREAM1984年にスタートした、日本初のオンラインチケット販売システム。常時2万件のイベントが登録されており年間5400万枚を発券している。チケットぴあ2016年は東京・名古屋・大阪・神奈川にて4都市ツアー開催。2017年早くも「スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE 2017」が決定している!ダンガンロンパ THE STGAE―メジャーな企業の中でも特に「ぴあ」さんは、ストリート系のダンサーと舞台をつないでいる印象がありますね! やはり色んな才能とつながりたいという意識はありますからね。特に今回のZoo-Zooさんの起用は本当に成功だったと思います!―具体的にはどのような点が良かったのでしょうか? 実際、『Legend Tokyo』のような大会では振付師が組織のトップとなり、出演者を率いていると思います。しかし、こういったショウビズ公演になると今度は他人と柔軟的にあわせれるかどうかも重要なんです! そういった点でもZoo-Zooさんは上手だった。演出家からの要望をちゃんとおさえつつ、時には独創的な振付けアイディアも加えて、想像も付かない表現で返してくれていたんです!―「これをやって欲しい!」のさらに1つ上の何かをのせて返してくれる感じですね!? 例えば原作にもある〝バイクのシーン〞は、それまでの同シリーズ公演では、「これは舞台では表現できない」と諦めていたんです。それを群舞を上手く使って、人間の身体のみで細部までみごとに表現してくれた。まさにZoo-Zooさんの才能を感じましたね! そして僕自身、改めて日本のダンスシーンの〝進化〞を感じました。―〝模索〞ではなく〝進化〞なんですね!? 僕の印象として、昔はまだ『Legend Tokyo』も、「ダンスが強すぎて作品として中身がない」、もしくは逆に「ストーリーを意識し過ぎてダンスがない」、そんな作品が多かった。それが年々、ダンス、演出的な要素含めてすごくバランス良く出来ている。昔と比べて「ダンスの作品創りとは何なのか?」ということが、みんなが解ってきた気がします。 そして、その認識があっての下で切磋琢磨しているので、どんどんクオリティも上がっている。それが〝進化〞だと思うんですね!演出家のニーズをおさえつつ、プラス・アルファの振付けで返す。―確かに。実際に今年のレジェンドは、予選提携大会から非常にレベルが高かったですよ! 「ぴあ」でも東日本提携大会を開催させて頂いておりますが、そちらを見ても昨年以上の進化を感じました。 ただ、だからといって提携大会で優勝したままの作品を本戦に出しても通用しません。そもそも会場やステージが全然違いますから。そのために4ヶ月という期間や募集オーディションなどがあるので、それにあわせた進化は必須だと思います!―なるほど。やはり、その会場空間にあった魅せ方を考えることが必要なんですね。 僕は、ストリートダンスは日本を代表するコンテンツに成り得る要素をもっていると考えています。ただ、「それが実現された時にどうか?」ということなんですね。 例えば、オリンピック開幕式の会場は、横浜アリーナよりもっと大きいんですよ。100人ではなくて、300人ぐらいのダンサーを演出できるコレオグラファーも存在しなくてはいけない! そこで初めて世界レベルのコンテンツだと認められるし、そういう未来になって欲しいと思っているんです。―では今後、このシーンには、どのような進化が必要だと考えられますか? 今や海外では客席側にステージが大きく張り出して、お客さんから180度の角度で観られるショーはたくさんあります。 また、VR(バーチャリアリティ)や、AR(拡張現実)が流行りはじめていて、「広角的な視覚で人を楽しませる」というものが増えています。春の『FINAL LEGEND』公演でも9面LED映像を使って振付師の新たなる才能を発揮させていましたよね!? そういった点で考えてみても、正面からだけではなく、広角的に見えて面白い作品を創ることができる能力が今後、必要とされてくると思いますよ!日本を代表する文化となるために、多角的に対応する進化が必要! みんな何をすべきかは解ってきた。次は、それをどう〝進化〞させるかだ!14

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