『SDM』 VOL.58
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――初めて発表会の演出をされた時って、どんなお気持ちでしたか?GOTO‥最初は先輩の先生と2人で演出をさせていただいたんですけど、自分の無知さを思い知った感じでしたね。舞台監督や照明さん、大道具さんなどの舞台スタッフさんとの打ち合わせで、知識や経験的に〝対等に渡り合えない〞というか……。その悔しさもあって、ちゃんと舞台と演出に関して勉強をしました。――一番最初はわからないことだらけだったんですね。GOTO‥そうやって発表会で演出したことが色んな現場で役立つようになりましたね。例えばコンサートだったら、全体の流れを頭に入れた上でアーティストさんやダンサーの気持ちいい着地点を見つけて動かす、それを形にしていく。そういう作業がすごく組みやすくなったんですよ。――「全体の流れを頭に入れた上でそれぞれを動かす」、それが演出の仕事の1つ、と言えるんですね!CHIHIRO‥そういったストレートな〝演出〞としての動きはもちろんですが、特にたくさんのナンバーを披露する発表会だと、ある意味〝求心力〞も必要です。それぞれのナンバーの先生たちが「この人が演出やるなら手を貸そう」と思える人じゃないとまず先生たちが一致団結できないし、その下の何百人の出演者も団結できない。300人に及ぶ出演者が耳を傾けてくれるような人、そういう部分も大事だと思いますよ!――では具体的に、発表会のような〝ナンバーが連続する舞台〞の演出で大事なことってなんですか?GOTO‥それぞれのナンバーってやっぱり先生たちが「一番作りたいものを作る」と思うんです。その1番に作りたいものを作ってもらって、それをどう配置して、どのように見えるか、飽きさせないようにできるか、それができたら〝良い発表会〞って言えるのかなと思いますね。だから、演出だけで頭でっかちに考えてもいいものはできない、それぞれのナンバーがやりたいことをしっかり聞いて、その上で全体を動かしていく、いい意味で柔軟さがないといけないと思いますよ!CHIHIRO‥本当にそうですよね! あとは色んなアプローチの仕方ができないと難しいかなと思います。ある意味それぞれのナンバーって発表会を構成する〝パーツ〞じゃないですか? そのパーツをギュッと1つにまとめる、そのまとめ方も色んなアイディアやアプローチ方法がないと、一番いい形には中々近づけないんですよ。GOTO‥あと発表会ならではで言うと、基本的には発表会のお客さんて〝ある1人の出演者の子〞を目当てに観に来ているんですよ。その出演者の子を観に来たけど、発表会全部通して「楽しかったな、今度こういうのに出たいな」って思ってくれるところまでいけたら一番いいですよね!――ZEAL STUDIOSさんって、昔から発表会の演出に力を入れている印象がありますが、実際そういう意識はあるのでしょうか?GOTO‥んー、単純に「ナンバーの羅列だけにはしない」というのは昔からZEALさんにはありますよね。僕もCHIHIROも、昔ZEALの発表会に生徒として出ていたこともあるんですよ。――そうなんですか!? どれくらい前ですか?GOTO‥第2回の発表会なので、16年くらい前ですね。その時から集合時間やら注意事項やらすごい厳しくて僕もよく怒られたりしていました(笑)。当時は反抗心もあったんですけど、その発表会自体がすごくまとまっていて、イントラナンバーがめちゃくちゃかっこよくて一体感あって! ステージに立つこと、緊張感をもつこと、「これが発表会なんだ」って強く心に残りましたね。CHIHIRO‥私は第3回の時に出演していて、師匠のナンバーにしか出ていなかったんですけど、全体通しの度にいろんな先生たちがダメ出しをくれたのが印象的でした。「みんなで一緒に良くしていこう」という一体感がありましたね!――そうだったんですね! ちなみに18回目となる今度の発表会はお2人が演出されるんですよね?GOTO‥僕とCHIHIRO、あとはYO-SINとKAORIの4人で演出にあたります。今度の発表会がいつもの会場と違うので、ZEALに対して熱い想いを持った4人で今までにない新しい楽しさを発見したい、そういうことで史上初の4人演出となったんですよ!VOL.58Prole実力派ジャズダンサーとして都内を中心に活躍。SMAP、石井竜也、中嶋美嘉などのコンサートでのバックダンサーや、テレビ番組出演、安室奈美恵PV出演、ファッションショー出演多数。また、発表会での大人数ナンバーやテレビCMでの振付など、ダンサーとしてはもちろん、コレオグラファーとしても多彩な活動を展開している。CHIHIROProle人気ダンスチームRock Wilderのメンバーであり、DREAMS COME TRUEの専属サポーター「S+AKS」のメンバーとしても活躍。SMAPや嵐、NEWS、ZEEBRA、上原多香子などの数多くのアーティストのコンサートへの参加や振付を担当。そのほか、テレビ番組出演や各種大手イベントの舞台演出の担当など、幅広くエンタメシーンで活躍している。GOTO (S+AKS、Rock Wilder)それぞれのやりたいことをしっかり聞いて、その上で全体を動かしていく。それぞれのやりたいことをしっかり聞いて、その上で全体を動かしていく。「この人が演出をやるなら手を貸そう」、 そういう〝求心力〞も大事!「この人が演出をやるなら手を貸そう」、 そういう〝求心力〞も大事!GOTO CHIHIROSpecial InterviewProduced byZEAL STUDIOS初めての演出、対等に渡り合えない悔しさ発表会のお客さんは〝ある1人の出演者〞を観に来る!初めての舞台、「これが発表会なんだ!」12

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