『SDM』 VOL.59
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ハイセンスな振付で、残酷なシーンをコミカルに演出!? チビモノクマの振付の中でも注目すべきところは、前作から取り入れたダンガンロンパの名物である〝おしおき〞と称される処刑シーン! 学級裁判で犯人となった生徒が、チビモノクマによってコミカルに処刑される。 そのシーンの数々は大がかりな特殊効果や映像などは使わず、全てをチビモノクマの振付のみで表現される。身体表現にこだわった魅せ方で、観ている者の想像力を膨らませると同時に、舞台ならではのライヴ感も演出していたと言えるだろう! また、処刑されるキャラクターの特徴に合わせ、チビモノクマがヘリコプターや剣士、料理人などに変身し、処刑するという演出も特徴の1つ。ともすれば残酷でグロテスクな表現になりがちな〝処刑〞というシーンを、どこかユーモラスに表現してみせ、〝サイコポップ〞という原作のテーマをみごとに、かつ忠実に再現していた! ゲームの非現実的な世界を、原作ファンのみならず〝誰が観ても楽しめる〞エンターテインメントとして上演されていた本作。今後ますます発展していくであろう〝舞台〞というショウビジネスに、振付師という存在の重要性が強く感じられた舞台であった!ハイスピードで展開される学級裁判! 思いもよらない伏線が張り巡らされた事件をさまざまな切り口から論破していく!次第に距離を縮め、お互いに支え合う日向(写真:左)と七海(写真:右)だが、思いもよらない秘密を知ることに……。最初は仲の良かった2人の関係に徐々に変化が……。――ズバリ! 今回、振付を依頼されたAKIHITOさんの仕事ぶりはいかがでしたか?素直にいい距離感で仕事をすることができました!しっかりと台本の中にある世界観を理解していただき、展開されるドラマを理解していただいたように思います。だからこそ、僕からの「こうしてほしい」というオーダーに対して、さらに世界観を膨らませてくれましたし、常に高い次元で稽古が行なえたので、「さすがプロの仕事だ!」って思いましたね!――具体的に、舞台の演出家が振付師に求める能力とはどういったものでしょうか?やはり台本がある時点でお話、つまり〝ドラマ〞なので、その台本の中にある流れをちゃんと理解して、「常に流れの中で動きを考えられる」ということだと思います。「こういうシーンだから観てる人はこういう気持ちになる」とか「そろそろお客さんが飽きてくる時間だな」っていう客さんの気持ちだったり、目線に立って考えられることも重要ですね!――物語の流れやお客さん目線を意識することが大事なんですね!ただ、キレイに整理されたものだけがすばらしいのではなくて、時には少し崩れたものが良かったりもするんですよ。そういった〝観てる人の視点に立って〞振付を考える、そういった考え方や作り方が大事だと思います。そして、僕ら演出家が思いもつかない表現を提示してくれることが何よりありがたいですし、大切なことですね!脚本・演出家:山本タクAIKHITOを起用してみて。振付師に求めることとは左右田 和一(いしだ 壱成)超高校級の〝メカニック〟花村 輝々(三瓶)超高校級の〝料理人〟九頭龍 冬彦(植田 圭輔)超高校級の〝極道〟澪田 唯吹(伊波 杏樹)超高校級の〝軽音楽部〟辺古山 ペコ(濱頭 優)超高校級の〝剣道家〟十神 白夜(西 洋亮)超高校級の〝御曹司〟始めは〝楽しい〟南の島での修学旅行だったが…。。55

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