『SDM』 VOL.61
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―なんか壮絶ですね……。 でも僕は間違ってはいない。ちゃんと言うべきことは言った。 そしたら1時間半後にマネージャーから電話がかかってきてアーティスト本人が僕と2人で話がしたいと。そこで「本当に申し訳ない。今まで本気で怒ってくれた人は誰ひとりいなかった。」って言ってくれて。それからは良い信頼関係を結べて、本番成功に向けてお互い真摯に取り組めましたね! コンサートが実現し、熱狂で会場が揺れた時には、演出した僕自身、感動で鳥肌が立ちました。その成功がキッカケで、いろいろアジアのスターの方々とのお仕事が回りだしたと思っています。―スゴいですね。そもそもTETSUさんがダンスや振付を始めたキッカケはなんでしょうか? もともと高校卒業までは男子新体操をやっていたんですが、そこで高校の大先輩がダンスを教えていらして、「オマエもやってみろ!」と言われたのがキッカケなんです。実は半強制(笑)? でもやり始めると実力をつけたくなり、NYへ飛び、そこで日本の業界で活躍している大御所の方々と出会いました。そこから東京へ行って僕の師匠から、ジャニーズJr.へのアクロバット指導を依頼され、そのうち振付も任され、そこからジャニーズを長い間教えることになりました。 次第にいろんなタレントさんとお仕事をさせて頂き、振付や演出に関わりながら、モノ創りのおもしろさも実感しはじめた感じですね! そこから2002年のBUGs結成に至りました。―BUGsってTETSUさん以外にも振付師として第一線で活躍していた方たちが集まって結成されたイメージがありますよね! そうですね。当時、エンタメ界の現場では、ダンサー=裏方というのが一般的だったんですよ。だからこそエンタメ界で活躍していたメンズ・ジャズダンサーたちが集まって「やりたいことをやろうよ!」っていう勢いで結成しました。―公演ではBUGsならではの魅せ方ってどんなことを意識してますか!? 喜怒哀楽を解りやすく。ジェットコースターのようにテンポよく、楽しく、明日も頑張ろう!ってお客様に思っていただけるような、シンプルなエンタメ精神でやってきています! 僕は「自分たちのことをなにも言わずに見てくれ」っていうダンサーにありがちな表現はあまり好きではなく、単純に演者とお客さんとの間の空気の流れを感じながらやるのが気持ちいいんです。気付いたらもう15年になりますが……。―15年ってすごいですよね。長年続けてきたならではの思うことってありますか? ひとつは続けることの大切さ、難しさですね。実は結成当時は「BUGs以外の他の仕事をやらない」ってルールをつくっていたんですよ。やっぱり仕事がきたらやりたいし、言い方悪いけど自主公演より全然、お金になる。けど8人それぞれが忙しかったから「仕事があるからリハーサルに来れません」が始まると公演が成立しないじゃないですか!? けど、そうすると3年目に1人抜け、4年目の1人抜け……と始まってきたんですよ。―その時はどんな心境でした!? 実は最初に抜けたのは、一番人気ぐらいのメンバーだったんですよ。次に抜けたのも一番トークが上手いメンバー。みんなで次回作の会議中にいきなり「ごめんなさい。やめさせてください!」って……、衝撃的だったなぁ。まあ、結局みんな「エンタメ界の仕事は断りたくない、求められればやりたい!」っていうのが強かったんですよね。 そこからはいい意味で肩の力が抜けたというか、BUGsはちゃんとやるけど、みんなもそれぞれ外の仕事で輝きつつ……という風にシフトチェンジしましたね。―結構、長年6人で活躍してきたイメージがありますが、新しいメンバーは入れようとしなかったんですか? もちろん新しいメンバーを入れようって話もありましたよ。けど違うんじゃないかなって意見もあって、6人をキープしながら他のゲストを入れたりして公演を続けてきました。 結果的に「BUGsのショーが好き」っていうお客様が増えてきて、出ているゲストがBUGsじゃないダンサーやエンターティナーだったりしても、公演に足を運んで頂ける方々が増えてきたんですよ。それがすごく嬉しくて自信に繋がりましたね!―ところでBUGsの公演ではダンサーの方がみんなトークがすごく上手ですよね!? 実は7年ほど前、名古屋でBUGsのテレビ番組を1年間もたせて頂いたことがあるんです。番組でゲストに来てくれた熊田曜子さんはじめ数々の芸能人の方々を、僕がメインMCとしてコーナーを仕切り回していくんですよ。滑るわけにはいかないから瞬時におもしろいトークをはさめるように持って行くことが、毎回、勉強となっていました! そして何より、メンバーみんなお笑いが好きで、公演でもお客さんの空気を感じながら、テンポの良い、トーク&レスポンスを大事にしていることもあるんでしょうね!―最後に今回の『Legend Tokyo』のMCコメンテイターのオファーにはどう思いましたか? 光栄のひと言につきます! かつて『Legend Tokyo』の存在を知ったとき、アンダーグラウンドでもなく、メジャーシーンでダンスの可能性を切り拓いてくれるスゴい企画ができたなって思っていたんですよね。ダンサーだけが集まる大会ではなく、審査員もいろいろな業界の企業トップだったり、エンタメ業界で活躍したいダンサーたちにはありがたい良い企画ですよね! 大会当日は僕自身も実際に楽しみたいし、ドラマを見たいですよね。でも大会に観入っちゃうと、俺、うまくしゃべれるかな(笑)?ステージ上と来場者をつなげる!MCコメンテイターとして両日出演!!『Legend Tokyo Chapter.7』2017年8月19日(土)-20日(日)東京国際フォーラム・ホールA自身も日本を代表するトップ・コレオグラファーでありながら、常に来場者とのコール&レスポンスを大切にしてきたTETSU。そのあふれるエンタメ精神が、この夏、日本最高峰の戦いに新たな色をつける!INFORMATIONhttp://www.bugs-under-groove.com2002年、1人ひとりが独立して活動するコレオグラファー兼トップダンサーたちがTETSUの呼びかけにより結成されたダンス界のドリームチーム。お客様との一体感を大切に〝お笑い〟も盛りこんだ独特の公演世界観は多くの観劇ファンの心をつかみ、単独ダンス公演『バグズグバ』シリーズは全国12箇所に及ぶツアー公演も実現!結成15年をむかえた今なお精力的に公演を続けている!2017年4月には結成15周年記念公演を銀座・博品館劇場で5DAYSにわたって開催!ダンス各界の豪華ゲストが連日にわたって登場し、満員御礼の大盛況をみせた!メンバー脱退のショックで、チームの続け方に気付いた。お客様の空気を感じながら、トーク&レスポンスを大切に!Bugs Under Grooveとは!?http://legend-tokyo.com/7/more info27

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