『SDM』 VOL.61
39/60

―ジョルジョさんはアーティストであり、音楽プロデューサーとしても活躍されているんですよね? 僕は小さい頃からヒップホップがすごく好きで、その一環で曲を創ったりしていたことが今の仕事に繋がっています。仕事の割合としてはアーティスト業よりプロデュース業の方が多いですが、自分としてはどちらの比重が重いというのはありませんね。―ジョルジョさんから見てダンスシーンはどんな印象ですか? 個人的に感じているのは〝別世界〞の感じがしますね……。だってここまで同じ音楽に根ざしたことをやっているのに、なかなかダンサーさんと関わる機会ってないんですよ。ただこれはどちらの業界が悪いという感じではないんですけどね。―なるほど。ではビジネスとしてダンサーに必要なことは何だと思われますか? ダンスに限らず音楽もそうですけど、成功する人はひと握りで、食べていけない人の方がたくさんいる。そういう中で大事なのは〝セルフ・プロデュース力〞だと思います! 「誰かにプロデュースしてもらう」、「人が創っている何かに参加する」だけではなく、「自分自身の価値をクリエイトして、それがどう仕事として繋がるか?」を考えることが必要だと思います。―つまり〝自分だけの価値を世に広める〞ということが大事なんですね! そう考えると、多くの人が感動するものってなかなか難しいですよね。「大衆向け=他の人とかぶる表現」ってありますから。ただその中に〝自分にしか創れない素晴らしいオリジナリティ〞が出せれば求めてくれる人は必ずいると思いますよ!―音楽プロデューサーということは、お仕事でダンスを扱うことも多いですか? そうですね。我々はいつでも才ビジネスに大切なのは、セルフ・プロデュース能力!能のあるコレオグラファーを探しています。ただ、僕はダンス業界にいるわけではないので、誰がすごいとか、どういった振付が得意か判らないし、これはネットで調べても判らない。ネットだと他と比較することは難しいんです。ですから今回審査員として参加させて頂く『Legend Tokyo』のように、音楽業界とダンス業界の垣根を越えて交流できる機会があるととても助かります!―ではお仕事で振付を依頼される際、大事にされていることはなんですか? それはもう〝キャッチーであること〞。ダンスをしない人でも真似したくなるようなものですね。コレオグラファーの方やPVの監督って、「歌詞の世界観」を一生懸命だそうとするんですよ。でも僕はそういうことを一切必要としていません。だって聞いている人は歌詞はとりあえず何となく耳にしているだけ。一語一句聴き取ってもらっているなんて思ってないですよ。僕だって昔聞いた曲を大人になってから聴いて「あ、こういう歌詞だったんだ」って思うぐらいですから。―歌詞の世界観は重要だと思っていましたが、そのような考えがあるんですね! 無理に言葉に合わせようとすることより、振付と音楽がハマってキャッチーにみえることの方が大切だと思います。 もちろんアーティスト本人の魅力を出す、カッコいい、上手い、というのはプロとしての仕事の最低ラインですけどね。―最後に審査員として参加される『Legend Tokyo』にて、重視するポイントを教えてください! エンターテインメントって、必ずしも〝技〞が人を魅了するのではないと思っています。ただ、裏を返すと技ができない人はどんなことをやっても中途半端で終わってしまう。だから、技ができる人が今度はシンプルなことを追求することによって観る人を魅了することができると思っています!それを計算してコレオグラファーの方々がどういったものを創ってくるか、楽しみにしています!歌詞の世界観を表現する以上に、キャッチーなことの方が大切。2011年より「Your Best Friend」、「Strong Heart」をはじめ、数多くの楽曲をプロデュースしている。韓国出身の男性アイドルグループ「超新星」の楽曲を、2009年のデビュー時より多数プロデュース。日本の音楽業界ヒットメーカー数々の有名アーティスト楽曲プロデューサーとして活躍し、2011年には西野カナ楽曲で「ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー」も受賞したGIORGIO CANCEMI(以下略:ジョルジョ)。ダンス業界とも縁深い音楽業界で自らアーティストとしても活動し、名プロデューサーとして名を馳せる彼が感じる今の日本のダンス業界、そして成功するエンタメとは!?音楽プロデューサー/アーティストGIORGIOCANCEMIジョルジョ・カンチェーミ倉木麻衣楽曲プロデュース超新星楽曲プロデュース19才の時にヒップホップグループ〝DELiGHTED MINT〟のMC兼コンポーザーとしてメジャーデビュー。その後ソロアーティストとしての創作活動を経て、2003年に主宰レーベル「@LAS RECORDS」を設立、自身がMCを務める〝So'Fly〟を結成。現在では西野カナや倉木麻衣をはじめとする数多くのアーティストの楽曲プロデューサーとしても活躍中!GIORGIO CANCEMIがトータルプロデュースを手がける2013年デビューのフィメール・ラップ・アーティストTANAKA ALICE。次作ミュージックビデオ振付がビジネス・オファーされる!『Legend Tokyo』審査員賞受賞者に次作ミュージック・ビデオ振付を依頼!社会的大ヒットとなった「会いたくて 会いたくて」をはじめ、西野カナ楽曲のプロデュースを多数手がける。西野カナ楽曲プロデュース音楽業界の屈指のヒットメーカー!名だたるアーティストが信頼を寄せる、PROFILEJOB FILEJOB FILEInformationInformation技があることはプロの前提。それをいかにキャッチーに魅せるかが大切!この業界からのアドバイス!TANAKA ALICE → http://tanakaalice.comエンターテインメントは必ずしも〝技〞が人を魅了するのではない。日本のダンス・エンターテインメント、 37

元のページ  ../index.html#39

このブックを見る