『SDM』 VOL.61
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―まず、田村さんの具体的なお仕事の内容を教えてください。 株式会社ミクシィのXFLAG スタジオにおいて新たなビジネス開発やコンテンツマーケティングを担う「XFLAG ENTERTAINMENT」の部長として事業統括しています。 加えて、今年5月にオープンしたXFLAG初の実店舗「XFLAG STORE SHIBUYA」の運営会社代表もしています。先日、幕張メッセで開催した「モンスト」のLIVEエンターテインメントショー『XFLAG PARK』も私の部門の管轄として開催していました。―『XFLAG PARK』では『Legend Tokyo』振付師を多く起用されていましたが、なぜゲームのイベントでダンスが必要だったのですか? それはゲームというコンテンツ自体が〝コア化〞しやすく、一般的なゲームイベントはどうしてもコアなファンのみが集まりがちという背景にも起因しています。一部の方々に受け入れられる一方、そのゲームをやらない方々は楽しめないこともあります。XFLAG スタジオミッションにも掲げているように、我々は、「友達や家族とワイワイ楽しめる」ということに重きをおいているので、「ゲームを知らない人でも楽しめる」「さらにゲームを知っているとより楽しめる」というイベント設計を目指してダンスとの親和性にチャレンジしてみました。―なるほど。「ダンスを知らない人も楽しめる」を掲げた『Legend Tokyo』と非常に共通する部分がありますね! しかし、なぜその表現方法がダンスなのでしょうか? やはり身体を使ったコンテンツというのは万人に伝わりやすいエンタメの1つだと思っています。新しい知識を得なくとも感覚としてすごさが分かりやすい。例えば、とあるゲームを最速でクリアしたと言われてもゲームに興味が無い方々にはそのすごさは伝わらない。でも「逆立ち1時間できます」といったすごさは理解しやすい。身体を使った表現には、そういう一般的な分かりやすさが、エンタメを体感する必要な要素としてあると思うんです。ゲームを知らなくても楽しめるエンターテインメントを!―では、田村さんがお仕事で振付師を選ぶポイントは? 「ゲームを知らない人でも楽しめる」と同じくらい、「コアなファンの方々にも満足してもらえる」ことが大切だと思っています。そういった部分を考慮して「ゲームの世界観をどれだけ忠実に現実世界に拡張できるか」という視点で今回、振付師の方を選ばせて頂きました。―ファンとそうでない人、両方を楽しませるのは難しそうですね。 ダンスもそうだと思いますが、知っている人だけが楽しめるものだと、どうしても市場自体が小さくなってコンテンツ自体も縮小してしまいます。ゲーム業界としても「ゲーム=オタク、暗い」といったネガティブな側面を連想されてしまうこともあるので、それを払拭することも必要と考えています。そこで、「ゲームが上手い人=周りから賞賛される」という枠組みを作るための手法の1つとして、モンストの大会である「モンストグランプリ」では、賞金総額5000万円を提供しています。―賞金5000万円! 業界全体を考えて、そのようなすごい金額が設定されているのですね! そうですね、〝目指したくなる場所〞を創りたいという想いに加えて、我々の大切な考え方として、〝ユーザー・サプライズ・ファースト〞というものがあります。これは時に〝ユーザーファースト〞でなくとも、ユーザーの予想を裏切って新たな価値を届けたいという想いを表現したキーワードです。そうして常に新しい価値を提供してコンテンツを拡張していきたい。驚きがなければ興奮は生まれない、興奮がなければエンターテインメントではない。〝驚き〞は常に意識しています!―では、今回ご参加される『Legend Tokyo』でもそのポイントを重視して審査されますか? 僕はダンス経験者ではないですが、既成概念に囚われず、一般のお客様目線で「何が面白いのか?」を審査したいですね。驚きは重視しつつ、いい意味でこちらの期待を裏切ってくれる作品に出会いたいです!既存のファンとそうでない人、両方を楽しませる〝驚き〞。驚きがなければ興奮は生まれない、興奮がなければエンターテインメントではない。振付師の新たな活躍の場を生みだし、今回号でもレポートした『XFLAG PARK』の 仕 掛 人 に 直撃! 今や身近なエンタメ・コンテンツであるスマホアプリにおいて、世界累計利用者数 4,000万人を超える「モンスターストライク(以下略:モンスト)」を輩出したXFLAG スタジオにおいて、アプリの枠を超えたエンターテインメントへと事業を拡張し続ける寵児の視点とは !?株式会社ミクシィ XFLAG スタジオXFLAG ENTERTAINMENT 部長⦆株式会社XFLAG STORE 代表取締役社長田村 征也『MONSTER STRIKE SYMPHONY』統轄「モンスターストライク」TVCM制作2009年に株式会社ミクシィに入社。その後、マーケティング部の部長として国内外のモンストのマーケティングを統括。2016年XFLAG ENTERTAINMENTを立ち上げ、MD・イベントを中心とした新規事業開発を担う。同年、株式会社XFLAG STORE 代表取締役社長に就任。モンストをはじめとしたビジネス開発やコンテンツマーケティングを中心に多彩な活躍をしている。『XFLAG PARK』統轄「XFLAG STORE SHIBUYA」運営世間に広める新世紀の寵児!日本の次世代エンタメ・コンテンツをPROFILEJOB FILEJOB FILEダンスを知らない目線で見ても〝驚き〟を与えてくれる作品を!この業界からのアドバイス!日本の次世代エンタメ・コンテンツ日本の次世代エンタメ・コンテンツ新世紀の寵児からのアドバイス!2017年、モンストの音楽を総勢100名近いフルオーケストラで演奏する『MONSTER STRIKE SYMPHONY』を開催!2013年「モンスト」リリースの際のマーケティングを担当。「みんなで集まって遊ぶ」というモンストならではの価値を世間に広めた。ゲームイベントの枠を超えた全く新しいLIVEエンターテインメントショー『XFLAG PARK』。2017年は2日間で延べ4万人を動員。「プレイする新感覚ストア」として2017年5月にオープン。各グッズの販売やカフェ、イベントステージも設置されている。世界の新文化となるためのアドバイス!38

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