『SDM』 VOL.62
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bt Dance Teaching Skill―ダンスを〝教える〟技術を競う大会―日本各地で多くのダンスコンテストが行なわれている現在、少し風変わりなコンテストが行なわれているのをご存知でしょうか?そのコンテストとはダンスの技術を競うのではなく〝ダンスの指導技術〟を競い合うという『全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール』! この斬新な大会を調べるため、主催しているJDACの代表の久岡氏にお話を伺った!取材・文=長濱佳孝text by Yoshitaka Nagahama写真(インタビューカット)=中島恵photography by Kei Nakashima topic.01JDACとは!?正式名称:一般社団法人ダンス教育振興連盟JDAC(ジェイダック/Japan Street Dance Authorize Council)。2012年より学校教育に取り入れられたダンス(創作ダンス・フォークダンス・現代的なリズムのダンス)の普及・振興のため、文部科学省の後援を受け、全国各地で指導者、インストラクター育成の研修会を実施。指導者のレベルに応じたライセンスを発行している。ダンスの技術ではなく、 教える技術を競い合う!?―まず率直に、この「ダンスを教える技術を競う」という大会はどのような目的で開催されているのでしょうか? 主に2つあります。1つは学校教育に入ったダンスをもっと世の中に広く知ってもらう、普及するということ。そしてもう1つは学校で授業をされている先生たちが、成果を発表する場がいるのではないかと思い、指導者のモチベーションを上げる、指導者同士で違いの教え方を見て学びを深めていく、そういった点が狙いですね。―主に学校の先生が参加するコンクール、ということでしょうか? いえ、そういうわけではありません。学校の先生と言っても、幼稚園の先生から高校の先生まで、実に幅広い層の先生が参加しています。それ以外にもダンススタジオでレッスンをされているインストラクターの方や部活やサークルで後輩を指導する学生の方、主婦の方など、実にさまざまな方々に参加していただいています!―なるほど、仕事や趣味で〝教える〟ことをしている方が参加されているんですね! そうですね! そういった方々、特に先生はあまり他の人の教え方や授業を見る機会がないと思うんですよ。コンクールとして「競い合って1位を決める」ということよりも、学びを深めて、よりダンス教育というものを良くしていこうという想いがあります。全体的な技術の向上も目的ですね。なんと言っても全国からダンスの指導者が来ますから!優勝者には 国家的栄誉が贈られる!―「学びの場」としての目的であるならば、わざわざ競い合う〝コンクール〟という形式で行なわれているのはなぜでしょうか? やはり参加される方々の〝モチベーション〟という部分が一番大きいですね。そして結果を出された方は今後の経歴や仕事につながるものになりますし、何より自分自身の自信になりますよね。 さらに優勝者には文部科学大臣賞※が贈られるので、それも1つの大きな目的になっているのかと思います!―文部科学大臣賞が贈られるなんてすごいことだと思いますが、そんなことができてしまうJDACとはそもそも一体どんな団体なのでしょうか? ダンスの指導者を育てることに焦点を当てて、主に日本全国で指導者向けの研修会の開催や指導者の資格を発行しています。もともと2012年のダンスの義務教育化に際して、「ダンスを教える人が不足する」ことに危機感を覚えたことが設立の発端です。 文部科学省やスポーツ庁からも後援を頂いていて、今年の4月からは厚生労働省からも後援を頂いているんですよ。―なるほど! ダンスの団体でそこまで国家機関の後援がついているのも珍しいですね! そこは我々の強みでもあって、こういった団体に省庁の後援がついた上でダンスの資格発行や研修を行なっているのは国内で唯一だと思いますよ!指導技術に必要な能力は?―「ダンスの指導技術を競う」という珍しいカタチのコンクールかと思いますが、どうやって審査をされているのでしょうか?JDACってどんなことをやってる団体?ダンス指導研修会の実施ダンスイベントへの後援topic.02実技や座学講義、ストレッチにディスカッションなど、様々な角度から指導を学ぶことができる。『Legend Tokyo』をはじめ、JDACの理念に沿ったダンスイベントの後援を行なっている。ダンスの指導者資格を発行。「認定ダンス指導員」、「ダンス教育指導士」(他1系統)がある。ダンスを運動療育に活用し、「ダンス療育指導員」資格を発行。厚生労働省が後援ダンス指導者ライセンスの認定・発行療育制度への展開※日本国内におけるさまざまな分野で顕著な活躍や成果をあげた個人、または団体に対して文部科学大臣の名により授与される賞。JDAC公式サイト http://www.jdac.jp/54

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