『SDM』 VOL.62
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Prole:東京都をはじめ日本各都市公認のパフォーマーとして活躍するほか、文部科学省後援『日本高校ダンス部選手権』審査員、国立大学法人兵庫教育大学の特別講師など歴任。伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸師匠より「河内家野林檎丸」を襲名し、日本の伝統的なダンスの普及振興に努めている。Prole:YoutubeやTVでも大人気のエグスプロージョンのメンバーとして、人気ダンス番組「スーパーチャンプル」などで活躍。教育活動に専念するため現在はグループを退き、国立大学法人兵庫教育大学の特別講師や、全国の教育委員会や教育センター主催の研修、各学校のダンスの授業を担当している。JDAC 実行委員長前山 善憲(ダンサー名:のりんご☆)JDAC 統括認定講師高野 純(ダンサー名:スヌーピーJ)指導案からは、その人の 想いが読み取れる!―審査員として参加された昨年のコンクールはいかがでしたか? 参加されている方が本当に色んな場所から来ていて、学校の先生やスタジオのインストラクターだったり、年代も全く違う。ですからそれぞれの場面や状況にあった指導をされていたので、見ているこちらもすごく新鮮でしたね! 道具を使ったり声かけが独特だったり、自分だったら1、2分で終わらせてしまうようなところを細かく掘り下げて丁寧に教えていたり。僕自身もすごく勉強になりました!―提出された指導案についてはいかがでしたか? これも本当に色んな指導案があって、その先生の考え方や想い、得意なこと、さまざまなことがそこから読み取れます。特に昨年は高校生の参加者が提出した指導案が素晴らしかったのを覚えていますよ。 流れがよくて安全面も考えられていて、無理なく段階を踏んでいる、時間配分もいい……など、「これはいい授業ができる!」と思えるものでしたね!さまざまな〝ダンスの指導方法〟が観れる大会!―やはり〝いい授業〟には、〝いい指導案〟も必要なんですね! そうですね! やはりいい指導案というのは「読むだけでその授業がどういうものか、すぐに理解できる」という点もあります。その指導案を読むだけで他の先生が「あぁこうやって授業すればいいのね」と分かるものですね。 ただ、コンクールでは指導案だけでなく、模擬授業も含めて総合的に審査していますよ!―ある意味、非常に実践的なことが問われるコンクールなんですね! 普段あまり注目されない、ダンサーや生徒を指導している先生がたにスポットライトを浴びてもらおうという大会ですね。それも学校の先生だけが対象ではなく、ダンススタジオのレッスンで生徒の技術向上を目的とするインストラクターの方々も参加していただいています。 部活やナンバーの振付だったり、〝ダンスを指導する〟という場は年々増えてきていますので、ぜひ会場に足を運んでいただければ新しい発見があると思いますよ!生徒が楽しく、笑って もらえるような授業を!―高野さんご自身は多くの学校で授業をされているとお聞きしましたが、ダンスの指導で大事にされていることはなんですか? 僕の場合はですけど、いかに生徒をのせて、楽しく受けてもらうかを考えています。ですから〝演じる〟というわけでもないですが、学校で教える時は明るく楽しい雰囲気を作ることを常に心がけています。 先生から紹介されて登場する時からダッシュで出てきて派手にずっこけたりして(笑)、笑ってくれると距離が縮まってやりやすくなるので〝つかみ〟も大事にしていますよ!―確かに教えてくれる人が楽しい人だと生徒も接しやすいですね! そのためには教える側も楽しんでいないと伝わらないので、僕自身も楽しみながら教えるように心がけています。 学校の先生だと威厳を保たなければいけない部分もあると思いますが、先生がた向けの指導講習会では例え普段しかめっ面の先生でも(笑)、「踊っている時だけはなるべく笑顔でやってください」と伝えています。お手本は上手く踊れば いいわけではない!?―その他になにか教える際に大事なことはありますか? 教える側も上手く踊ればいいわけではないということですね。以前、最初のお手本で全力で踊ったら生徒が引いてしまって。「こんなの踊れない……」って諦めてしまうんです。 「ダンスは難しいもの」という先入観を持つ子も多いから、最初のお手本はなるべくシンプルに分かりやすく踊る。「これならできそう!」って思ってもらうようにする。そして最後に発展例として全力で踊るようにしていますね。―では、今度のコンクールでもそういう点は注目ですね! そうですね! ダンサーなら絶対に〝人に教える〟という場面はあると思いますし、「こんな教え方あるんだ!」という発見もあると思います。初めて観に来たら絶対衝撃を受けると思いますので(笑)、ダンスの大会だと思って見に来ないでください。あくまでダンスの指導技術を競うコンクール、「ダンスってこんなに楽しくレッスンできるんだ!」って知って欲しいです!〝ダンスを指導する〟ことを、総合的に評価する大会。こんなに楽しくダンスのレッスンができることを知って欲しい!つまり……ダンス教育指導者 指導技術コンクールとは指導技術コンクール、過去大会の受賞者の活躍をチェック!topic.05ダンスの〝指導技術〟を競い合う、日本で唯一の大会。指導者同士の交流や全体の技術向上、互いに観て学ぶ場としての側面もあり、最も優れた指導者には金賞として文部科学大臣賞が贈られる。審査は、「事前に提出する指導案」と当日会場で実演する「模擬授業」によって各審査員により判断される。   過去2回開催されているコンクール、そこで上位入賞を果たした人は行政や教育委員会からさまざまな依頼が届くという! ここではその活躍のほんの一例をご紹介!topic.04第1回優勝(金賞)の紺野さんは居住地の市民栄誉賞が授与され、市長訪問、メディア掲載なども多数!その他に小・中学校、高校や教育委員会などから依頼があり、外部指導者としてダンス授業を担当!第2回準優勝(銀賞)の北村さんは地方紙に大きくその活躍が掲載され、その後JDACの認定講師に!続いてこのページではJDACの幹部の2人、昨年度コンクールでは審査員を務めた前山氏、研修会や学校で数多くの指導を行なっている高野氏にコンクールについての話を伺った!―ダンスを〝教える〟技術を競う大会―56

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