『SDM』 VOL.63
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―山田さんは新体操選手としてオリンピックに出場されたんですよね!?山田 : もう20数年前ですし、今では新体操よりダンス歴の方が長くなってしまいましたけどね。ただ、今の新体操と私がやっていたころの新体操はもう全然違いますよ!瑞希 : 昔と今の新体操ってどういったところが違うのですか?山田 : ルールの違いが大きいですね。1つはまず音楽が違う。私の時は単楽器、例えばピアノのみの曲ならOKだけどオーケストラ楽曲はダメ。でもそれがOKになったり、少しなら声楽曲でも良くなったり……、この20年で華やかに、どんどん見世物的になっていった印象ですね。瑞希 : そうなんですね! 個人的な印象なのですが、新体操ってエンタメとしても確立されている印象でした! 昔はもっと技術が求められていたんですか?山田 : 芸術性が高かったように思います。ちょっとした手や足の角度とかが大事だったり。でもアクロバットが取り入れられるようになってから、すごくテクニック的な面が重視されるようになったように思います。―新体操にも変化の歴史があるんですね……!瑞希 : どちらかと言うと、昔はもっと競技というよりかはバレエに近かった感じなんですね!山田 : そうですね! だから私は9年間、選手活動しましたが、その後はバレエを含めたダンスをやりたいと思って、そっちの方向に進んだんです。瑞希 : 私はもともとバレエ出身なので、山田さんのパフォーマンスはバレエの音取りと近いところがあるなって思っていました! 「この音に動きをはめる」という感じじゃなくて、流れの中で踊っているのがすごく優雅に見えて素晴らしかったです!―今回コラボする作品、「私の蝶々結び」では新体操的なリボンを取り入れられてますよね?瑞希 : 作品のテーマとして、どうしてもヒモやリボンを使いたかったんです。ただ、私自身はリボンはできないので新体操を経験したことのあるメンバーに相談しながら作品を作りました。だから山田さんからご覧になったら変に見えるところもあるかもしれないのですが……。山田 : いやそんなことはないですよ! むしろ私が現役の頃に習得したことより、今の若い子たちの方ができることが多いと思うので、きっと色んなアイディアが出てきたと思いますし、素晴らしいことだと思います! 瑞希 : ありがとうございます! でも作った時は、どうしても先に身体の軌道を作ってしまって、〝リボンの軌道ありき〞で作れなくて悩みました……。山田 : 人間の身体って必ず軸から末端にエネルギーが動くので、意識をしないとそうなってしまうと思いますよ。描きたいリボンの軌道があるなら、じゃあ身体の動きはこうだなって感じで作るのがいいと思います。―瑞希さんは普段もよくメンバーと相談しながら作品づくりをされるのですか?瑞希 : 私の場合は結構遊びながら……と言うと変ですけど、楽しみながら作っていますね! 作品の大事なところはしっかりとメンバーに理解してもらって、あとは一緒に作っている感覚です。私が振りを与えても、それを踊る子たちが違うと思ったら違うんです。「実際に踊る人の感覚が答え」、そういう作り方をしています。だから山田さんにも、もう好きに踊ってほしいって言っちゃうかもしれないです(笑)。Session.03持っているものを全て出せる機会、全力で自分の力を出し切る!持っているものを全て出せる機会、全力で自分の力を出し切る!新体操、昔と今では全然違う!?作品は一緒に作る、実際に踊る人の感覚が答え!コレオグラファー山田海蜂山田海蜂瑞 希瑞 希公演 ゲスト・パフォーマーChapter.7大会において、1人の女性の一生を描く繊細なジャズ作品で温かな印象を残した瑞希。リボンやヒモを取り入れた作品とあって今回の東海公演での再演には、元新体操日本代表選手(現パフォーマー)の山田海蜂と特別コラボ! 新体操とダンス、そのコラボにせまる!Special Cross Talk『FINAL LEGEND Ⅵ』 東海公演開催直前特集26

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