avecoo、禁断と衝撃の連載企画。「あべこの部屋」#02 ヤサぐれ舞踏評論家 VS ヤサぐれオカマ振付師!

インタビュー
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鬼才振付師avecoo、禁断と衝撃の連載企画!

『Legend Tokyo Chapter.7』を制した、7代目〝レジェンド〟avecooの連載企画第2弾! レアな特別ゲストをお呼びし、あんなことやこんなこと・・・・・・ギリギリまで語っちゃいます♪ さぁ、今回のお客様はさまざまなダンス舞台に精通したあのお方。言いたいこと、言っちゃいます♡

この部屋の主人は……avecooさん!

avecoo (写真右)

アーティストのバックアップや振付を行なう一方、ダンススクールでは愛のこもった熱い指導で人気を集める。また作品づくりにおいても、JAZZ FUNKスタイルと強烈な世界観、圧巻のステージングを武器に、唯一無二のクリエイティビティを発揮している。仕事のストレスを抱え、今宵も2丁目の街に消えていく・・・・・・。

➤ instagram/avecoo

今回のお客様は……乗越たかおさん!

乗越たかお(写真左)

JAPAN DANCE PLUG代表。63年、東京生まれの作家・ヤサぐれ舞踊評論家。ダンス、戦前の都市や芸能はもちろん、酒、お笑い、ニューメディア、経済など幅広い分野まで造詣が深く、数多くの書籍を手がける。著書『ダンス バイブル』『コンテンポラリー・ダンス徹底ガイドHYPER』『どうせダンスなんか観ないんだろ!?』など。

➤ Twitter/@NorikoshiTakao

 

avecoo × 乗越たかお

まず、お2人の出会いについて教えてください!

avecoo: Chapter.4大会の後、Twitterで当時披露した作品「阿部魁」の感想をつぶやいてくださったのを発見しました。その後、アタイの自主公演も観に来てくださって、そこで初めて挨拶をさせていただきました!

乗越:最初に作品を観たときは驚きまして、セクシーな世界観とドラマティックなストーリー性、動きも魅力的でした。なにより作品から創り手のキャラクターが見えてきたんです。上手い振付、構成を作れるだけでは面白くないし、そんな人は沢山いますからね。

avecoo:嬉しいですね! 確かに最近メディアで活躍しているコレオグラファーやダンサーも、その踊りに現れているバックボーンやキャラクターに注目が集まっている気がします。レジェンドの作品でも、作ったその人が表れている作品は面白いですよね!

乗越:約30年前の西ヨーロッパで、英才教育を受けて技術だけはあるバレエダンサーと、踊れないけどアイディアのあるダンサーとが組んで今までにない表現を目指そうと始まったのがコンテンポラリー・ダンス(以下略、コンテ)。ストリートも個人スキルや作品づくりの技術が向上してきた今、次に何が表現したいのか、求められるのは創り手の個性なんです。

昨年の優勝作品もavecooさんの個性が出ていますね!

乗越:いまやっとLGBTという言葉が注目され始めていますが、海外だとLGBTの映画祭もあるくらい当たり前で、ダンス作品としてセクシャリティを表現することも多いです。徴兵制など制度・文化・環境の違いはあれど、純粋に自分を表現したいという欲求がより強いのかもしれません。

avecoo:ストリートの世界では日本でも、ゲイとして強く誇りを持って活動する人が周りに沢山います。

乗越:テレビで活躍している〝オネエ〟と呼ばれる人たちは、よく見ると暗い面は隠してキャラとして絶えず笑っている――。だからこそ逆に、avecooさんのようにネガティブな部分を表現として昇華できるのは、素晴らしいことですし、ダンス、芸術の力ともいえますね。

avecoo:「あべ子といち子」ほどストレートな作品は、レジェンドでないと思い切って出せなかったかもしれませんが、知人のレズカップルの結婚やNYで見たゲイパレードから刺激を受けて、なんとしても表現しなきゃと思ったんです!

乗越:元来ストリートダンスには反骨精神や怒りがベースとなっている側面があって、日本人にとって分かりにくい感覚かもしれない――。だからといって踊るなではなく、日本でも色々な問題があるし、個人レベルでも色々と起きているはずなので、日本人にはダンスが持つ訴える力をもっと活かして欲しいですね。

近年、メッセージ性の強い作品も増えてきました!

avecoo:でもただテーマ性があればいいわけでもないし・・・・・・、審査員長を務めてくださった小池修一郎さんもおっしゃっていましたが、邦楽の一曲使いで完全に曲に乗っかってるだけのカラオケ状態の作品も多くあります。

乗越:踊りの中でテキストをどう扱うか長年考えられてきて、ただ歌詞を説明する動きであれば手話と変わらないので、非常に気を使うべき問題です。それに一曲使いで歌詞に合わせてというのは気持ちがいいに決まっているけど、それは自動的な感動であってオリジナルの表現ではない。同じように〝ユニゾン問題〟というのもあって、技術のある人間が揃えて踊ったら気持ちがいいのは当たり前で、コンテの世界ではほぼユニゾンを踊らなくなったんですよ。すべてがダメなわけではないですが・・・・・・。

avecoo:例えば梅棒さんだったら一曲使いでも計算されていて、BGMかと思いきや元の歌詞が違う意味を持ってダンスに乗ってくる・・・・・・、凄いですよね!

乗越:彼らは陥りがちな落とし穴を理解した上で、さらにひっくり返してくるので上手いですね。極端な話、上手でなくても作り手の〝魂〟にさえ触れることができれば、たとえ作品が途中で終わってもOKなんです! みんな上手くきれいに作ろうとしていますが、特に若い人は〝丸くなるのは簡単だけど、尖るのは難しい〟というのを意識してください。燃えちゃってしょうがない、まとまりきらない〝魂〟が観たいのです!

魂みせろ! 上っ面だけはクソつまんねぇ!(乗越たかお)

では視点を変えて、ダンスを取り巻く環境についてはいかがでしょうか?

avecoo:身近なところですがギャラ交渉、スケジュール管理などサポートしてくれる人がいたらいいなと思います。以前、あるショーレストランで私の作品を丸パクリされたことがあって、少し揉めたんですけど最後は許してしまって・・・・・・、間に入ってくれる人がいてくれればなと。

乗越:まず問題として、作品の著作権は守りなさい! あなただけの問題ではなく、ダンス界が舐められかねない、業界全体の問題です。それから本題に戻ると、アーティスト個人の力には限界があるので、いい意味でダンサーを使ってお金を生み出せる人がもっと必要ですね。人にとって知らないものは存在しないと一緒ですから、大事なのは存在、そして価値を知らせること。その点、フランス人はワインにしても、絵画やファッションにしてもマーケットを開拓するのが上手い。日本人はいいモノは作れるけど、売り込むのが苦手なんです。

avecoo:日本人はあまり舞台を観に行かないイメージなのですが、それも知られていないのが原因ですか?

乗越:それだけではなくて、実は人口当たりの芸術に対する補助金の額が、先進国の中で日本が断トツで低いんです。補助金が無ければすべて自己負担での開催となり、単純にチケット代は高くなり、気軽に観に行けなくなる――。海外では国から事業への補助金はもちろん、国立の養成機関、アーティストの失業保険や医療費の補助が整備されてる国もあるくらい芸術を社会全体で支えています。しかし残念ながら日本は歴史的に、政治や文化、さまざまな要因があってそういった環境が整ってこなかったんです。逆に政治家がホールだけたくさん作って、その後の活用にはまたく注力しないから毎週やっているのは〝ママさんコーラス〟ばかり・・・・・・。

だからこそダンスする人の活躍の場を作って、繋げて、業界の底上げに貢献しているレジェンドのような存在が、補助金なしで継続できているというのは奇跡的なことだし、これに金を出さないで日本はなにをやっているんだって思います(笑)。

最後に今後、レジェンドはどうなっていくと思いますか?

真面目で嘘っぽい作品、アタイ大っ嫌い!(avecoo)

乗越:過去のお手本通りだと上手くなるだけで芸術としては廃っていくから、大会も振付師も既存のイメージをどう壊して、違う価値観を提示していけるかが肝ですね。安定した環境ができると、ある程度の方程式ができて、逆算が始まるからみんな同じになる――、そんな大会をいくつも知ってるけどクソつまんねぇ(笑)。マーケットスレイブ、直訳すると市場の奴隷という意味の言葉があって・・・・・・。

avecoo:既存のニーズに応えるのと、新しい価値を作るのは、まったく違いますもんね! 大衆の欲求に当てはまっていく、表現者としてはまさに奴隷かもしれません。

乗越:伝えたいことを表現するために死ぬほど考えることが大事で、そこを見極められる感覚を持ってないと、褒めて貰えるからつい流されちゃうんです。だから時には〝怒り〟も大事――。「それぞれ受け取り方で」とか甘いことを言っていると、海外だったら自分のこと語れない、作品に対して責任感が無いと言われてしまいますよ!?

avecoo:ダンサー個人でも最近は優等生ばっかりで、生意気な子が少ない! ちゃんと自分を主張できる子の方が私は好きです。

乗越:技術はやればやるだけ上手くなるけど、上っ面で作ったり踊ったりしていて、徐々にスカスカになっていく――。そこに気付けたら現状には満足できないだろうし、きっと自分をより追い詰めて成長できますよ。

avecoo:私も嘘っぽい表現が大嫌いで、自分らしいかを重要視しています。キレイなものばかりではないのが現実だし、その人の実体験やバックヤードが感じられる作品が好きですね。大会などはどう観ているんですか? どれが勝ちそうかとか・・・・・・。

乗越:いや人の評価は関係ないから俺が好きかどうか・・・・・・、あとは今後も作り続ける気概があるやつなのか、小手先、上っ面でやっているのかは見ぬく自身がありますね。君もまだまだやれることがあるぞ!

avecoo:怖ーい! でも実は勝っても反省ばかりなので、アタイもまだまだ頑張ります。次のレジェンドが終った後、ぜひまた本音トークを聴かせてください(笑)。

ギリギリの本音トークは実に2時間弱にも及び、記事には収まりきらないほど多くの金言が飛び出した!

※2018年12月発行「SDM VOL.65」より

 

>>>「あべこの部屋」#03 あべこ憧れのNo.1ネオホストが降臨っ!!!!

 

『Legend UNIVERSE 2020』に挑むコレオグラファー募集中!

『Legend UNIVERSE 2020』予選・提携大会開催!

参戦コレオ募集開始!

『Legend UNIVERSE 2020』での「最優秀芸術賞」の新設に伴い、よりアートで尖った才能を求め、
なんと最低人数5人から出展が可能に!

<予選・提携大会>
大阪 2/24『Legend RISE』
東京 2/29『コレ×ステ』
名古屋 3/8『master works TOKAI』

<本戦>
8/8-9@大阪・オリックス劇場

▼各企画の詳細・エントリー▼
『Legend UNIVERSE 2020』公式サイト

 

 

 

 

 

 

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